トラック物流に「黄信号」 運転手不足が加速 完全自動運転は道半ば 見えた有力手段とは
2026年03月16日
インターネット通販の拡大で輸送の需要が増え続ける一方、物流の主力であるトラックによる輸送が持続できない恐れが出ている。政府は2030年度にトラック運転手が約21万人不足すると推計し、中東情勢を受けたガソリン代高騰も追い打ちをかける。物流業界は自動運転の導入を目指し、システムに運転の一部を任せられる段階まで来たが、完全な実用化には技術の推進や安全性の確保が課題となる。 【実際の写真】自動運転実験中に街路樹に衝突したバス 政府のまとめでは、トラック運転手の就業者数は1995年の98万人をピークに減少傾向となり、2020年には77万9千人まで落ち込んだ。運転手不足はさらに深刻化し、20年度の約4万人から30年度には21万人超が不足する見込みだ。 国土交通省によると、宅配便取扱個数は10年連続で過去最多を更新し、24年度に50億個を超えた。ネット通販の拡大が主な要因で、需要は伸び続けるとみられている。 運送業界は対策として自動運転の実用化を推進。高市早苗内閣が昨年決定した総合経済対策でも「高速道路における自動運転トラック導入や、自動運転サービス支援道の実装に向けた取り組み」が盛り込まれた。 ネスレ日本と自動運転システム開発のT2(東京)は昨年12月、自動運転のトラックにネスレの商品を載せ、高速道路上を輸送する実証実験を始めた。運転手が乗って部分的に自動運転を行う「レベル2」の段階での安全性や定時性を検証。ネスレの姫路工場(兵庫県姫路市)から千葉県野田市の物流拠点間のうち約430キロなど2区間をレベル2で走行する。 ネスレのオリビエ・モントゥ常務執行役員は、運転手不足への対応が課題だと説明し「安定的に商品を届けられるよう、新しい運び方の実現へ歩みを進める」と話した。 自動運転のレベルは、自動運転のない0から、システムが完全に自動運転を行う5までの6段階がある。レベル4は、あらかじめ定めたエリアやルート内で遠隔監視付きの無人運転が可能となることから、物流での実用化が期待されている。 政府は、レベル4について27年度に100カ所以上での実現を目指すが、レベル5の完全な実用化の時期は未定だ。
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