1万か所の危険なバス停、移設や廃止の安全対策実施は1400か所…候補先や人手不足
2021年11月05日
全国で約1万か所に上る危険なバス停のうち、移設や廃止などの安全対策が実施されたのは、1割超にあたる1400か所だったことが、国土交通省のまとめでわかった。対策が本格化してから約1年となるが、新型コロナウイルスや移設先確保の難しさなどの影響で進まなかった。国交省は今後、定期的に都道府県別の進捗(しんちょく)をまとめ、対策を加速させる。(越村格、蛭川裕太)
危険なバス停は、横断歩道や交差点のそばにあり、停車したバスの車体で死角が生じて交通事故を引き起こす恐れがあるバス停。国が危険度を3ランクに分類する実態調査を行い、計1万381か所に上ることがわかった。昨年10月から、各地の運輸支局やバス事業者、警察などでつくる「合同検討会」が対策を本格的に協議し、事業者が移設などを進めている。
国交省によると、移設や廃止などが実施されたのは9月30日時点で、計1400か所(13・5%)だった。危険度が高い順に対策済みの箇所数をみると、横断歩道にバスの車体がかかるなどの「Aランク」が305か所(Aランクの18%)、横断歩道の前後5メートルの範囲などに車体がかかる「Bランク」は733か所(13%)、交差点の前後5メートルの範囲に車体がかかる「Cランク」は362か所(12%)だった。
都道府県別では、半数以上の自治体で実施率が10%台以下だった。13%だった東京都では、都市部で移設先が見つからないほか、バス事業者の経営状況が厳しく、移設費と人手が不足していることも遅れの要因だという。東京運輸支局の担当者は「地道にやっていくしかない」と話す。
コロナの影響で合同検討会の開催を制限した地域も多かった。実施率1%の大阪府は「土地が狭くて移設が難しいうえ、移設を検討する際に必要な住民からの聞き取りなどがコロナで実施できなかった」とした。
一方で、山形県は25か所のうち24か所(96%)で対策を終えた。大都市に比べて移設先が探しやすく、合意形成もスムーズに進んだという。実施率60%の奈良県も、代替地が探しやすい郊外を中心に移設を実施。今回の取りまとめでは、地域によって進捗にばらつきが出た。
対策継続が大切
交通事故に詳しい山梨大・伊藤安海(やすみ)教授(交通工学)は「1割にとどまったとはいえ、ハードルが高い移設や廃止などを進めており、評価できる。問題意識が高い最初の1年が過ぎ、停滞も懸念される。全国の好事例を共有するなどして、継続することが大切だ。地域で危険なバス停の情報を共有するといったソフト対策も効果的だろう」と語る。
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