「値引きなし」パナソニック新戦略…家電価格を指定、量販店は「接客力で勝負」「アピール難しい」
2022年08月14日
パナソニックが家電販売店に対し、指定した価格で製品を売ってもらう取り組みを進めている。従来は販売店側が商品を買い取り、自由に値引きして売っていたが、パナソニックが売れ残った在庫を引き取る代わりに価格を決める仕組みだ。値崩れを防ぎ、商品のライフサイクルを延ばす狙いだが、値引きに慣れた消費者に受け入れられるかが焦点となる。 【動画】新入社員と語るパナソニックの楠見雄規CEO(2021年)
2割にまで

指定価格で販売されているパナソニックの家電商品
「こちらの商品はメーカー指定価格での販売となります」
大阪府内のある家電量販店では、パナソニック製のドライヤーが並ぶ一角に、価格とともにこうした案内が添えられている。
パナソニックは2020年、販売店からの返品を受け入れる代わりに、販売価格を決める「指定価格制度」での取引を始めた。食器洗い乾燥機や冷蔵庫、洗濯機などの最上位機種なども対象となる。
メーカー側が販売価格を指示し、守らせることは独占禁止法で禁じられているが、パナソニックが在庫リスクを負うことで、実質的には自社による販売とみなされるため、違反にならないという。21年度は、この形での取引が販売額ベースで家電販売の8%を占めた。22年度には20%にまで増やす計画だ。
ニーズに沿って
パナソニックがこの取り組みを始めたのは、量販店での値引き競争によって商品のライフサイクルが短くなり、商品改良の負担が増しているとの問題意識がある。
家電は発売時から販売終了間際までに2割程度値下がりする。メーカー側は値崩れした価格を戻すため、毎年のように機能を追加したり、デザインを変更したりした新商品を出してきた。その結果、利用者のニーズから離れた過剰な機能を持つ商品も増えている。
新制度の導入で、「付加価値のある商品群を、商品価値に見合った価格で買ってもらう」(品田正弘社長)ことにつなげたい考えだ。単なる改良ではなく、より消費者ニーズに沿った開発を進める狙いがある。
まずは注視
量販店側の反応は様々だ。上新電機は「どこも同じ価格なら接客力で勝負できる」と歓迎する。一方、別の量販店は「『交渉次第で安く買えるかも』という思いが来店の動機となるケースもある。メーカーに価格を決められたらアピールできない」と懸念する。
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