前代未聞」キッチンカーで本格すし、「アッと驚く」マグロ解体ショーも
2022年10月10日
コロナ禍での外食控えを背景に、調理設備を備えた移動販売車両「キッチンカー」に注目が集まる中、回転ずしチェーンの店長だった大阪府岸和田市の西本知生さん(39)が、本マグロを使った丼などを車両で提供する移動式すし店を始めた。生ものを扱うキッチンカーは珍しく、出店依頼が相次いでいる。(川口崇史) 【写真】キッチンカーきっての人気メニュー「at鮪丼」

車内で魚をさばく西本さん(岸和田市で)
西本さんは阪南市出身。大学生の時に洋食レストランでアルバイトを始め、卒業後そのまま社員として就職した。中高生の頃から「社長になる」という夢があり、提供したオムライスなどを客が「おいしい」と食べてくれるのがうれしかったことから、飲食店経営を目指すようになった。
「社長になるには営業力をつけなければいけない」と23歳で広告会社に転職。約3年半営業を経験し、飲食業界に戻って回転ずしチェーンなどで腕を磨き、店長にもなった。
しかし、コロナ禍で客が激減。持ち帰り営業がメインとなる中、「店内で並ぶのも嫌」という声が耳に入った。「お客さんが来られないなら、自分から行くしかない。屋外のキッチンカーなら、コロナを気にせず買ってもらえる」。店でも人気だった本マグロを使ったメニューと、解体ショーのパフォーマンスで勝負しようと考えた。
課題は、設備が制限される車内で生ものを扱う衛生面。保健所に相談すると「前代未聞」と言われたが、相談を重ね、車内の温度が上がらないようガス器具などを一切なくし、冷蔵庫や水道といった飲食店と同等の設備を持つキッチンカーを約240万円で特注したことで営業許可が下りた。
店名は「at(アット)鮪(まぐろ)」。アットホームな雰囲気の店でありながら解体ショーではアッと驚いてほしい――そんな思いを込めたという。今年6月、出店日時や場所をインスタグラム(@atmaguro)で告知しながら、仕事が休みの日に試験的に営業を始めた。
店舗に比べて賃料や人件費といった固定費が安く、販売価格を抑えることができるため、大トロ、中トロ、トロ各1切れと赤身2切れを使った丼とすしをそれぞれ1296円(税込み)で販売。解体ショーも月1、2回程度行うとSNSや口コミで評判が広がり、イベントへの出店依頼が舞い込むようになった。
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