LCCピーチ、たこ焼き廃止へ 食品ロス削減、各路線の機内食
2021年02月24日
関西空港などを拠点とする格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーション(大阪府田尻町)が国内外の路線で機内食として出していた大阪名物たこ焼きの提供を廃止する方向で検討していることが23日、分かった。賞味期限が短い食品のロス削減が狙いだが、大阪を代表する「粉もん料理」の廃止を惜しむ声も出てきそうだ。 【写真】ファーストクラスの機内食器を販売、英航空
ピーチは昨春から新型コロナウイルス感染拡大防止のため、機内食の提供を停止しているが、感染拡大の収束後も賞味期限が短いメニューは提供しない方針という。たこ焼きなどはこれまで機内の調理器で温めてから提供していた。
実は名古屋な「ミルメーク」 牛乳嫌いを救ってきたロングセラー でも地元の給食では飲まれていなかった?
2021年02月24日
まぜることで牛乳の味が変わる粉末「ミルメーク」。発売から半世紀以上が経つロングセラーですが、地域によって知名度に差があります。学校給食に採用されているか否かによって大きく左右されるからです。名古屋市の会社が作っているのに、なぜか名古屋の学校給食では公式採用されていないという不思議な商品でもあります。(若松真平)
「牛乳を飲めない子が飲んだ」

大島食品工業の社屋=大島食品工業提供
製造元の大島食品工業(名古屋市守山区)によると、ミルメークが誕生したのは1967年。 脱脂粉乳から瓶牛乳への切り替えが進んだ時期で、「カルシウムやビタミンなどの栄養が不足するのではないか」と心配した栄養士からの声がきっかけとなり、開発が始まりました。 開発者は3代目社長の大島和男さん。カルシウムなどをそのまま牛乳にまぜてみましたが、おいしくなるはずがなく、試行錯誤することになりました。 ある時、コーヒー牛乳を飲む子どもの姿を見て、インスタントコーヒーとカルシウムを入れて飲んだらおいしくなることを発見。 砂糖や鉄分なども追加し、合成着色料を使わず作ったのがミルメークです。名前は「ミルクでつくる(make)」から名付けました。 「牛乳を飲めない子が飲んだ」「牛乳が余る冬場でも飲める」と評判になり、学校給食での導入が進み、現在に至ります。
本社がある名古屋で採用しなかった理由

大島食品工業の原谷昭久さん=大島食品工業提供
コーヒー味から始まって現在は、ココア、いちご、バナナ、メロン、抹茶きなこ、キャラメル、紅茶の計8種類があります。 牛乳の容器が瓶から紙パックへと変わりつつあった時期には、より溶けやすいように、粉末ではなくチューブに入った液体タイプも売り出しました。 給食用ミルメークの2018年度の出荷実績は約1240万食。47都道府県すべてを網羅していて、都道府県別で見ると地元・愛知県が毎年1位で、全体の2割ほどを占めています。 ところが、本社がある名古屋市で「給食で飲んだことがある」という話を聞きません。 名古屋市教育委員会によると、市立小学校の献立は市教委が一律に決定しており、過去の導入実績についても「把握している限りでは記録にありません」とのこと。 採用していない理由は「牛乳の味をそのまま味わってほしい」という方針だったからだそうです。 ところが2019年12月に大きな変化が。市立小学校全261校の給食で、2週間かけて順次1回ずつ試験的に提供されたのです。 2017年度に市立小学校で廃棄された牛乳は推定約84万本、金額にして約4300万円分。これを少しでも減らすための方策でした。 営業部部長の原谷昭久さん(53)は「名古屋生まれの商品だけに少し寂しい思いをしていましたが、試験的に導入していただけると聞いて社員一同、本当に喜びました」と振り返ります。
イラン、IAEA査察の制限開始 米に制裁解除求め
2021年02月24日
イランは23日、国際原子力機関(IAEA)による国内施設査察の一部制限を開始したと表明した。米国がドナルド・トランプ(Donald Trump)前政権下で科した制裁の解除を拒んでいることを受けた措置。 【写真】イランの最高指導者アリ・ハメネイ師 2015年のイランとの核合意に参加した英仏独は査察制限について「非常に遺憾」と表明。「この決定の危険な性質を団結して強調する」とし、査察制限はイランの施設と保障措置情報へのIAEAのアクセスを「大幅に制限する」ものだと指摘した。 IAEAの監視・検証態勢の変更は、2018年のトランプ政権の核合意離脱に対する報復措置のうちの一つとして、イランの保守派議会が昨年決定していた。 イランのモハンマドジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相は国営イラン通信(IRNA)に対し、IAEAの査察制限に関する新法が「今朝、施行された」と述べた。IAEAが合意順守の状況を検証するためイランの核施設に設置した監視装置の記録提出は今後、ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領が制裁を解除するまで保留される。 IAEAのラファエル・グロッシ(Rafael Grossi)事務局長は、IAEAが21日にイランの首都テヘランで同国と交わした暫定合意により、2015年核合意の修復に向けた「政治的協議」が行われる間にIAEAが「何も見えない状態で進む」ことを回避できると説明している。だが米国は、土壇場で合意に至ったグロッシ氏の外交手腕を称賛する一方で、イラン政府に対し、協議進行中も核合意で定められた「検証などの核不拡散義務を完全に果たす」よう求めている。 イランの最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師は22日、イランは必要ならばウラン濃縮度を60%に引き上げることも可能だと表明。これは核合意で定められた上限の3.67%を大幅に上回るが、原子力爆弾の製造に必要な90%には届かない
中国、性被害証言は「うそ」 ウイグル女性の写真を手に非難
2021年02月24日
中国外務省の汪文斌副報道局長は23日の定例記者会見で、新疆ウイグル自治区の収容施設での性的暴行を証言した少数民族ウイグル族の女性の写真を手に「うそつき」と非難した。証言を報じた英BBC放送についても「多くのデマをまき散らしてきた」と批判。欧米などは人権抑圧の調査を求めるが、中国は猛反発している。 日本にまで及ぶ監視への恐怖 ウイグル人留学生
汪氏は、女性は以前にも複数の取材を受けたが施設での性的虐待や自身の被害を話したことがなかったと述べ、「米国で(反中)勢力の訓練を受けた後に説明を変えた」「中国を中傷し攻撃するための役者にすぎない」などと主張した。
ウイグルとチベット、中国の人権進歩の「輝かしい例」と外相
2021年02月24日
中国の王毅(Wang Yi)外相は22日、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)とチベット自治区(Tibet Autonomous Region)の少数民族について、自国政府によるその処遇は人権問題における進歩の「輝かしい例」だと訴えた。しかしウイグル人の抑圧をめぐっては、諸外国が対応を検討している。 【写真】中国国歌斉唱に豚のみの食事、イスラム教徒が語るウイグル強制収容所 人権団体は、新疆ウイグル自治区ではウイグル人らイスラム系少数民族を中心に少なくとも100万人が施設に収容されており、そこでは強制労働や女性の不妊手術の強要が行われているとみている。 中国政府は、以前は強制収容施設の存在を否定していたが、後になってこの施設はイスラム過激主義への傾倒阻止を目的とした職業訓練センターだと主張。 王外相は北京で開かれた米中関係に関する討論会で、「新疆やチベットのような少数民族が居住する場所は、中国の人権問題における進歩を示す輝かしい例として傑出している」と語った。 一方米国務省は、新疆ウイグル自治区での中国政府の行動はジェノサイド(大量虐殺)に当たるとしている。 王外相はさらに、中国は人権擁護に「常に尽力」していると述べ、新疆ウイグル・チベット両自治区で1人当たりの実質国内総生産(GDP)が増加し平均余命が延びていることは、人権が守られている証拠だと強調した。
英、ロックダウン段階的解除へ 3月上旬に学校再開
2021年02月24日
英国のジョンソン首相は22日、1月5日に導入した新型コロナウイルス感染拡大抑制に向けたロックダウン(都市封鎖)の段階的な緩和計画を発表した。経済活動を再び停止する事態にならないよう「慎重に」緩和を進める。 ジョンソン首相は議会で、ワクチン接種の迅速な開始と感染率の急低下で、ロックダウン措置を慎重に緩和できるようになったと表明。ただ当面は可能な限り在宅勤務を続けるよう呼び掛けたほか、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)を巡る規制の緩和は限定される。 4段階の緩和計画の第1段階として、3月8日に学校の対面授業を再開する。3月末には屋外での少人数の集会を許可、早くて4月12日に必須でない小売店などの営業再開を許可する。その後、5月17日以降にソーシャル・ディスタンシングを巡る規制を段階的に緩和。早くて6月21日までに全ての規制を解除する。 不要不急の海外渡航については、少なくとも5月17日まで禁止する。 ジョンソン首相は、新型コロナ根絶に向けた確実な手段はないとし、「このため、この行程表が慎重で、かつ不可逆的なものであることが重要だ。これが自由に向かう一方通行の道筋であると願い、信じている」と述べた。 英国では人口の約25%がこれまでに1回目のワクチンの接種を受けている。
メキシコ麻薬王「エル・チャポ」の妻、米空港で逮捕 違法薬物密輸共謀容疑
2021年02月24日
米当局は22日、同国で終身刑を科され収監されているメキシコの麻薬王、ホアキン・グスマン(Joaquin Guzman、通称エル・チャポ〈El Chapo〉)受刑者の妻をワシントン郊外のダレス国際空港(Dulles International Airport)で逮捕した。米司法省が発表した。 【写真】屈強そうなボディーガードを引き連れる麻薬王の妻、コロネル容疑者 グスマン受刑者の妻、エマ・コロネル・アイスプロ(Emma Coronel Aispuro)容疑者(31)は同空港に到着したところを拘束された。コカイン、メタンフェタミン、ヘロイン、マリフアナなどの違法薬物の米国への密輸を共謀した疑いがかけられている。 グスマン受刑者は悪名高いメキシコの麻薬組織「シナロア・カルテル(Sinaloa Cartel)」の元最高幹部の一人。2019年7月、米ニューヨークの連邦裁判所で終身刑を言い渡されている。 司法省によると、コロネル容疑者はシナロア・カルテルの活動に関与し、グズマン受刑者の2度の脱獄計画を支援したとされる。 米当局はこれまで、コロネル容疑者を逮捕する方針を明らかにしていなかった。
GoToトラベル“段階的再開”検討 緊急事態宣言解除決定へ
2021年02月24日
菅首相は24日、10の都府県に出している緊急事態宣言の解除の是非を判断するため、関係閣僚と協議する予定。 さらに政府は、GoToトラベルの段階的再開に向けた調整に入った。 鹿嶋豪心記者が国会記者会館から中継でお伝えする。 政府は、首都圏などで感染者の減少スピードが鈍っていることを警戒しつつも、現時点で3月7日の全面解除には影響しないとみていて、GoToトラベルの段階的な再開にも踏み出す方針。 政府は24日夕方、関係閣僚で協議を行ったうえで、26日の対策本部で、大阪など6府県の宣言を、月末をめどに解除することを決定する方針。 残る首都圏の1都3県の宣言についても、特段の事情がない限り、3月7日に解除することを決定する方向で調整している。 西村経済再生相「3月4月は行事が多い機会なので、感染が再拡大するおそれがあるので、そういうことも頭に置きながら判断したい」 また、政府は、宣言解除後の対応についても、本格的に検討を進めている。 宣言が全面的に解除されれば、GoToトラベルを段階的に再開させる見通しで、当面、少人数での「県内旅行」を対象にする案が検討されている。 GoToの再開時期の検討も含め、政府はあらためて、感染拡大防止と経済の両立という難しい課題に取り組むことになる。
自民「小池政局」に警戒 森氏引導で存在感 衆院選・都議選に布石?
2021年02月24日
自民党が、東京都の小池百合子知事の言動に神経をとがらせている。 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長に対し、事実上の引導を渡したのは小池氏。その派手な立ち回りが、過去に何度も翻弄(ほんろう)されてきた同党には、7月の都議選や秋までの衆院選をにらんだ「布石」と映るためだ。 【写真特集】小池百合子氏 「今ここで4者会談しても、あまりポジティブな発信にはならない。私が出席することはない」。森氏を会長辞任に向かわせるきっかけとなったのは、小池氏による10日の発言だ。実際、森氏は周囲に「小池氏が許せなかった」と漏らし、辞任理由の一つだったと認めている。 4者会談は国際オリンピック委員会(IOC)、組織委、政府、都のトップ級協議。森氏の女性蔑視発言を受け、10日時点で開催予定はいったん白紙に戻っていたが、小池氏は記者団を前に自らこの話題を持ち出し、不参加を宣言した。これに、自民党関係者は「小池氏自身のアピール狙いだ」といら立ちを隠さない。 自民党はこれまで、繰り返し「小池劇場」に煮え湯を飲まされてきた。2016年の都知事選では、党都連の運営を「ブラックボックス」と批判され、推薦候補が敗北。17年の都議選でも、小池氏率いる地域政党「都民ファーストの会」に惨敗した。続く衆院選では一時、政権維持が危ぶまれる状況に追い込まれた。 小池氏は最近、自民党の二階俊博幹事長と頻繁に会談。同党も昨年の都知事選で、小池氏の対抗馬擁立を見送るなど、双方の再接近もささやかれていた。 ただ、1月の東京都千代田区長選で、小池氏が応援した都民ファの推薦候補が、与党の推薦候補に勝利。自民党内では「小池氏は再び野心が出てきた」(都連関係者)との見方が広がりつつある。 関係者によると、都民ファは最近、国民民主党と水面下で接触。国民側も「都議選や衆院選で小池氏との連携はあり得る」(中堅)と前向きだ。菅義偉首相は安倍政権の官房長官時代から、小池氏と確執が続いていることもあり、自民党は「小池氏は何をしてくるか分からない」(閣僚経験者)と身構えている。
「逆上陸」したココイチ インド人客の割合が日本人客を超えた
2021年02月24日
日本のカレーチェーン「カレーハウスCoCo壱番屋」のインド1号店が、昨年8月にオープンしてから半年になる。インドの新型コロナウイルス感染者数は1千万人を超え、外食を控える風潮が続くなか、日本のカレーは受け入れられているのか。「聖地インド」での浸透ぶりは――。 【写真】インド1号店の店内の様子=グルガオン、奈良部健撮影 「いらっしゃいませ」。首都ニューデリー郊外の街グルガオンにある店で、記者はインド人従業員に日本語で迎え入れられた。コロナ対策として名前や連絡先を聞かれた後、席に案内された。ホウレン草とチーズのカレーを頼むと、「トッピングはどうですか」と勧められた。辛さも選べる仕組みは、日本と同じだ。 「コロナで外食を控える人はまだまだいます。ただ昨年12月になって、インド人客の割合が日本人を初めて超えました。55対45くらいです」。イチバンヤインディアの最高執行責任者(COO)中村広佐さん(46)はそう語る。昨年8月のオープン時には日本人客が9割以上を占めたが、インド人にも少しずつ受け入れられてきたという。 価格は550ルピー(約800円)程度と、現地では決して安くない。主なターゲットは、大都市に住む比較的所得の高いインド人。海外経験があり、新しいモノに抵抗のない若者だ。店が入るのは、外資や大手企業の入る商業施設。平日は周辺のオフィスから訪れる客が中心で、日本の大手企業も集まる。「一度日本人の同僚に連れられて来たインド人が、週末に家族を連れて来てくれたことがうれしかったですね」と中村さん。来店客へのアンケートでは、年齢層は30代の客が最も多く、40代と20代が続く。 アジアを中心に海外12カ国・地域で約180店舗を展開する壱番屋は近年、カレーの聖地インドへの「逆上陸」を経営目標に掲げてきた。日本のカレーは、小麦粉を混ぜて煮込むのが特徴だ。インドをルーツとするが、英国を経由して独自に変化しながら伝わったとされる。 インドでは宗教上の理由から豚肉や牛肉を食べない人が多いため、ビーフやポークのカレーは扱わない。メニューは主に野菜やチキン、マトンのカレーだ。菜食主義者(ベジタリアン)向けに、肉を使わないチーズフライを用意し、ルーにも動物性の油脂を使わない。 ■「組み合わせを選ぶのが楽しい」 平日の昼時に食べに来ていたインド人客に話を聞くと、日本びいきの人が多い印象を持った。休憩時に一人で来た銀行員のイティシャ・グプタさん(24)は「日本食はスパイスが少なくて胃腸にやさしく、ヘルシーなのがいい」。日本が好きで、いつか桜を見に日本を訪れたいと思っているという。カレーに添えられた福神漬けの名前を記者に尋ね、「おいしくて気に入った」と話した。 「前世は日本人かと思うほど、日本食が好きだ。牛肉以外なら何でも食べる」。そう語る会社社長のディパク・バライさん(60)は仕事で何度も日本を訪れ、ココイチのカレーも食べたことがあったという。この日食べたのは、期間限定品のチキンカレーうどんだった。「スパイスや塩をたくさん入れず、素材の味を大切にする日本の考え方が好きだね」。弁護士のヨゲシュさん(27)も訪日経験はないが店の常連で、最初は新しいものへの興味で来店した。この日はチキンカレーに魚とホウレン草をトッピングするなど、「組み合わせを選ぶのが楽しい」と言う。