過去の記事:2020年9月

最高裁判事 米社会二分化で高まる最高裁の重要性

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2020年09月28日

トランプ米大統領が最高裁判事に保守派のエイミー・バレット連邦控訴裁(高裁)判事を指名した人事がこれまで以上に注目されたのは、米社会の二極分化が進む中、米国の長期的な方向性を定める最高裁の重要性が国民の間で一層強く認識されるようになったためだ。  バレット氏は2017年に連邦控訴裁判事に就任して以降、トランプ政権の移民政策を支持し、米憲法に明記された国民の銃所有の権利を拡大させる司法判断を下してきた。  最高裁では大統領選後の11月10日、オバマ前政権下で成立した、事実上の国民皆保険を目指す医療保険制度改革法(オバマケア)の是非を問う裁判の審理が行われる。トランプ政権と共和党は同法の撤廃を目指しており、バレット氏がそれまでに承認されれば同法は撤廃に大きく近づく。  保守派のカトリック信者であるバレット氏は人工妊娠中絶にも反対の立場だ。このため中絶容認派の市民団体は、バレット氏が通称「ロー対ウェード判決」と呼ばれる、人工妊娠中絶を合憲とした1973年の最高裁判決を無効化させる判断を下す恐れがあるとして警戒を強めている。  日本では最高裁判事の定年は70歳だが、米国は身分を保障することで外部からの政治的干渉を受けにくくするため、事実上の終身制となっている。  48歳のバレット氏が、先に死去したギンズバーグ氏と同様に87歳まで務めた場合、バレット氏は約40年間も米社会の在り方に影響を与えることになる。  トランプ政権が最高裁の保守化に傾注するのは、最高裁を米国の「左傾化」を食い止める「最後の砦(とりで)」に位置付けているからだ。  米国の人口動態は白人が減少する一方、黒人や中南米系などの人種的少数派の割合が増え、少数派がそれぞれの権利拡大を最優先させようとする「アイデンティティー政治」が一部で先鋭化している。  一方、東西冷戦終結以降に生まれた世代は社会主義への警戒感が薄く、特に若者層に左派リベラル思想の持ち主が多いとされる。  保守勢力は、一連の現象が先の黒人暴行死事件を受けた過激勢力による暴動や警官襲撃、銅像破壊など米国の歴史を否定する動きの根底にあるとみる。それだけに、トランプ氏による保守派判事の指名は、同氏の最大の実績として保守派に記憶されることになりそうだ。

 

 

密造酒を飲んで日本人死亡か…インドネシア 日本大使館が注意喚起

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2020年09月28日

密造酒で中毒症状 死者も

FNNプライムオンライン

インドネシアで複数の在留日本人が、密造酒が原因と見られる中毒症状を発症し、死者が出ていることが分かり、現地大使館が注意を呼びかけている。 【画像】密造酒はこのようなプラスティックボトルに入っていた 在インドネシア日本大使館は9月26日、首都ジャカルタ圏内で最近、密造酒(非正規の自家製アルコール飲料)を飲んだ複数の在住日本人が深刻な中毒症状を起こし、死者が出たと発表した。大使館がホームページ上に公開した当該密造酒はプラスチックのボトルに入っていた。 インドネシアでは長年にわたって密造酒が大きな社会問題となっている。2018年には密造酒を飲んだ60人以上が死亡するなど、死亡事故が毎年のように相次いでいるのだ。過去に押収された密造酒からはメタノール成分や高カフェインの栄養ドリンク、虫よけ剤など検出された。

安価な密造酒に手を出す人々も

なぜ密造酒が国内で広く出回っているのか。インドネシアは国民の大多数がイスラム教徒で、戒律ではアルコールの摂取が禁じられているが、酒の販売は国の法律では認められている。一方でアルコール類の税率は高く設定されていて、低所得者層の人々は安価な密造酒に手を出すことが多い。厳しい規制が、結果的に密造酒が出回る原因ともなっている。 在インドネシア日本大使館は、この“殺人密造酒”が他の在留日本人にも出回っている可能性があると指摘し、「インドネシアにおいては、密造酒や闇酒が広く出回っている状況がありますので、いかなる場合であっても、非正規のアルコール飲料の購入及び摂取は絶対にお止めください」と注意を呼びかけている。

 

 

北朝鮮、韓国に「領海侵犯」警告 黄海での男性遺体の捜索に

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2020年09月28日

北朝鮮による黄海での韓国人男性射殺事件で、北朝鮮の朝鮮中央通信は27日、韓国側が艦艇などを動員し北朝鮮側の海域に侵入して遺体の捜索とみられる活動をしているとし「新たな緊張を誘発する無断侵犯行為を即時、中断するよう求める」と警告した。  北朝鮮の国営メディアが射殺事件に関して報じるのは初めて。朝鮮中央通信は「射殺」とは明示せず「忌まわしい事件」と表記している。金正恩朝鮮労働党委員長が韓国側に謝罪したことには触れていない。  黄海の南北境界を巡っては韓国が北方限界線(NLL)を主張し、北朝鮮はNLLを認めず、別の境界線を宣言して対立してきた。

 

 

初の大学共通テスト、出願始まる コロナ休校で第2日程も

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2020年09月28日

大学入試センター試験の後継として、初めて実施される大学入学共通テストの出願受け付けが28日、東京都目黒区の大学入試センターで始まった。新型コロナウイルスの感染拡大による高校の長期休校に配慮し、当初予定の来年1月16、17日を「第1日程」とした上で、同30、31日に「第2日程」を設けた。大学入試改革元年は異例の形となる。  出願は郵送で受け付け、締め切りは10月8日(当日消印有効)。センターによると、大学や短大など計860校以上が共通テストを利用する見通しだ。  共通テスト創設は「知識・技能」だけでなく、「思考力・判断力・表現力」を一層評価するために決まった。

 

 

東京女子医大、学費1200万円値上げ コロナで経営難

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2020年09月28日

私立大学の医学部で学費を値上げする動きが出ている。東京女子医科大は2021年度の入学生について6年間で計1200万円上げる。コロナ禍による大学病院の経営悪化の影響などが指摘されている。 【写真】大学病院の経営悪化? 医学部の学費を値上げする東京女子医科大学  東京女子医大がホームページで公開している入学案内によると、6年間の学費は4621万4千円。広報担当者によると年間200万円の施設設備費の項目が新たに加わったという。値上げの詳しい理由はホームページでは示しておらず、取材にも回答していない。  河合塾が私立大医学部の20年度の募集要項などをまとめたところ、主な選抜方式で総額が最も高いのは川崎医科大(岡山県)の4736万5千円。今回の値上げで東京女子医大は21年度から、金沢医科大(石川県)を上回り2番目に高いところになりそうだ。

 

 

尖閣周辺で台湾漁船が巡視船と接触、海保が違法操業確認

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2020年09月28日

尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の海域で27日午後3時ごろ、海上保安庁の巡視船「くりま」が違法操業中の台湾漁船「新凌波236」を確認、退去勧告をしたところ、漁船が接近し、巡視船と接触した。漁船と巡視船は軽く損傷したが、双方の乗組員にけがはなかった。海上保安庁が詳しい経緯を調べている。

 

 

新型コロナ、世界の死者100万人超える

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2020年09月28日

新型コロナウイルスによる世界の死者が27日、100万人を超えた。各国政府などの公式統計をグリニッジ標準時27日午後10時半(日本時間28日午前7時半)現在でまとめたAFPの集計で明らかになった。 【図解】新型コロナウイルス、27日午後8時時点の感染者・死者数  世界で公式に感染が確認された人は3301万8877人で、うち100万9人が死亡した。地域別で最も被害が大きいのは中南米で、感染が確認された人は919万683人、死者は34万1032人。

 

 

三菱グループに「落ちこぼれ企業」続出、最強エリート集団の大ピンチ

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2020年09月28日

三菱自動車の救済をめぐり 乱れた「御三家」の足並み  「三菱重工業だけではなく、いつか三菱UFJ銀行が逃げることだってあり得るのでは」――。  三菱自動車の中堅社員は、グループの重鎮である「御三家(三菱重工業、三菱商事、三菱UFJ銀行)」の三菱自支援の足並みがそろわないことへの懸念を明かす。  2004年にリコール隠しで揺れる三菱自の再建の音頭を取ったのは、三菱重工だった。だが、自社の懐事情が厳しくなるにつけ、ビジネス上の関係がほとんどない三菱自と距離を置くようになる。ついに18年、三菱重工は保有する三菱自株を三菱商事へ売却し、支援の輪からほぼ足抜けした。  一方の三菱UFJ銀は、21年3月期に3600億円もの巨額赤字に転落する三菱自に対して、過保護なまでのお膳立てをした。3000億円を金融機関8行からかき集める先導役を担ったのだ。  ただし、ここで注目すべきポイントがある。  総額3000億円のうち三菱UFJ銀が拠出したのは約900億円にすぎず、三井住友銀行、みずほ銀行、日本政策投資銀行の3行からも400億~500億円を引き出している。  三菱UFJ銀の融資額が突出しているわけではなく、メインバンクとして負う責任以上の金は出さない姿勢にも映る。だからこそ、冒頭の三菱自社員は支援の本気度に疑いを持っているのだ。  頼みの綱は、三菱商事ただ一社である。その三菱商事とて、三菱自の経営不振が主因となり、21年3月期に商社業界の利益首位の座を伊藤忠商事に明け渡す見通しだ。三菱商事は、逝去した益子修・三菱自前会長(三菱商事出身)の後任を派遣しない方針。自動車業界において存在価値が小さい三菱自への過度な支援には迷いも見える。  三菱自を巡る御三家の対応は、「鉄の結束」を誇るグループ瓦解の序章にすぎない。

 

 

「ホワイト企業」宣伝のワタミで月175時間の残業 残業代未払いで労基署から是正勧告

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2020年09月28日

またしても労基法違反、過労労災‥ ワタミは変わらなかったのか

 今年9月15日、元参議院議員の渡邉美樹氏が代表取締役会長及びCEOをつとめる「ワタミ株式会社」に対して、高崎労働基準監督署から残業代未払いに関する労働基準法37条違反の是正勧告が出された。

 労基署に申告したAさんは、「ワタミの宅食」で正社員として勤務し、長時間労働によって精神疾患に罹患して現在休職中だ。Aさんの長時間残業は、精神疾患に罹患する直前の1ヶ月前である6~7月には、過労死ラインの2倍となる月175時間に及んでいたという。Aさんはすでに高崎労基署に労災を申請済みだ。

 2008年の新入社員の過労自死事件を機に、「ブラック企業」批判が相次いだワタミは、「ホワイト企業大賞」(実際には応募した企業のほとんどが何らかの賞を受賞している。詳細は下記の記事を参照)の特別賞受賞をアピールするなど、対外的に労働条件の改善を宣伝することに邁進している。しかし、渡邉美樹氏が昨年10月にCEOに返り咲いて1年足らずで、長時間労働で労働者を使い捨てにする「ブラック企業」ぶりを改めて露呈することとなった。

 参考:ワタミは「ホワイト企業」になったのか? ホワイト認定と「無反省」の実際を探る

 かつて「ブラック企業」の象徴的存在とされたワタミ。いまやその中心事業であるワタミの宅食で、一体何が起きていたのか。なぜ、ワタミは結局変わることができなかったのか。本記事では、当事者のAさんのヒアリングをもとに、これらの実態を明らかにしていきたい。

1軒たった100円台の「報酬」で働く「ワタミの宅食」の配達員

 はじめに、「ワタミの宅食」について説明しよう。ワタミの宅食事業は、主に高齢者を対象として、ワタミの工場で製造した日替わりのお弁当や惣菜を、一週間ごとにまとめて予約を受けて、毎日配達員が直接自宅まで届けるというサービスを行っている。

 このワタミの宅食事業を支えるのが、個人事業主の配達員だ。ワタミは宅食事業において「食と職を提供する」というスローガンを掲げ、高齢者や子育て中の親に、空いた時間で自由に働けるとうたいながら、この個人事業主の仕事を「社会貢献」の一環として打ち出している。

 しかし、配達員は労働基準法の適用される労働者として扱われず、最低賃金が適用されていないため、「報酬」は非常に低い。利用者の家を1軒回るごとに支給されるのは122円。これに地域ごとの「地域手数料」などが上乗せされるが、それでも1軒あたり200円にも満たない。3~4時間ほどかけて20~30軒を回っても、せいぜい3000~5000円ちょっとの稼ぎにしかならない。

 商品の宅配は配達員だけでは運営できない。この配達員たちをまとめる役割の労働者が必要である。それが営業所の「所長」であり、その業務がまさにAさんを長時間労働に追いやったのである。

2つの事業所を任され、たった一人で20人以上の配達員を管理し、自らも配達へ

 Aさんは、「ワタミの宅食」の営業所で、3年間に渡り所長を務めてきた。なぜAさんは、月175時間もの長時間残業に追い詰められ、精神疾患を抱えるまでになってしまったのだろうか。その業務の実態を見ていこう。

 所長の業務は、配達員の管理、商品の管理、販促キャンペーン等の取り組みの準備・周知など多岐にわたる。営業所の清掃、コピー用紙やトイレットペーパーの補充まで担当する。

 一つの営業所ごとに所属している配達員は10~10数人。営業所には、所長のほかに正社員は一人もいない。しかも、Aさんは2つの事業所を掛け持ちで担当させられ、計20人以上の配達員の管理を同時に行っていた。

 まず、会社のパソコンが片方の事業所にしかないため、Aさんは朝7時台、早ければ6時台に片方の営業所に出勤する。前日夜に業者から届いた数百個ある弁当・惣菜の検品を行ったあと、会社からの連絡を確認し、配達員に周知するための書面を作成して両営業所に共有する。

 次に、朝8時半ごろに続々と出勤した配達員たちが、配達の準備を終えると、所長は朝礼を行う。配達員は配達時間ごとに出勤時間がグループで分かれているため、所長は、この朝礼を4回ほど繰り返すことになる。

 朝礼を終えると配達が始まるが、「道がわからない」など、配達員が質問待ちで所長の前に列を作る。車で配達に出てからも、配達員から電話がかかってくる。これらの対応を所長が一人で行う。

 営業所間の往復も頻繁だ。Aさんは二つの営業所での朝礼を隔日で交互にしていたため、二日に一回は7時台に片方の営業所に出勤した後、8時半までにもう一方の営業所に車で通う。Aさんは、週2日は営業所間を自動車で3往復(往復1時間)していた。

 さらに所長を苦しめるのが、「代配」だ。配達予定をキャンセルする配達員が出てしまうのである。よく起きるのが、子育て中の親の配達員の「子供が熱を出したので配達できない」という事態だ。連絡もないまま営業所に姿を見せない労働者も少なくない。

 この場合、所長が「代配」をせざるをえない。その配達員が抱えている1回30軒ほどの配達を自ら引き受け、100km以上も車を運転する。配達員の日常的な対応は、配達の合間に電話で受け付けるしかない。

 大量に客を抱えていた配達員が辞めてしまい、穴埋めのために所長が「代配」に入ることもある。Aさんは普段の営業所の所長業務に加えて、今年6~7月には、土日を含めて毎日「代配」を行い、多い日には40軒ほど回っていたという。利用者から「午前中まで」などと配達時間が指定されるため、所長自ら車を走らせなければ間に合わないのだ。

夜や休日まで、配達員のフォローに追われる

 配達員のフォローも膨大な業務だ。そもそも、ワタミには配達員に十分な研修を行う仕組みがなく、所長にも研修をじっくり行う余裕はない。自分が担当する配達のルートは自分で地図を調べ、順番を考え、覚えなくてはならない。それらが不得意な配達員のために、所長が一緒に地図を見て教えることもある。

 研修以前に、お金の計算や配達の道筋を決めることが得意でなく、それらを間違えてしまう配達員も少なくない。ワタミが「職」の提供をうたっているため、採用のハードルは著しく低い。Aさんは所長であるにもかかわらず、適任ではないと思った求職者の採用についても、基本的にストップをかけることはできないという。

 ワタミが配達員に十分な研修の時間すら用意しないため、所長が常に業務中、フォローに入ることになってしまうのである。

 クレーム対応も所長の仕事だ。配達員が配達する弁当を間違えたり、訪問時の身なりの不衛生さを指摘されたり、ひどい場合は配達員が客から代金を「着服」するなどの問題も起きるため、客からのクレームがコールセンター経由で所長に回ってくる。電話対応だけでは済まない。「夜謝りに来い」「土日なら話を聞いてやる」などと言われ、Aさんは、客の家に月数回は謝罪に訪れていた。

 あまりの業務の多さに、上司であるエリアマネージャーに相談すると、「配達員の教育がなっていない」と、むしろAさんの管理能力のせいにされてしまったという。

 このようにワタミの宅食は、たった一人の正社員に、低コストを追求した配達の責任を「丸投げ」することで成り立っているのである。

深夜も休日も「24時間365日働け」で、月給26万円

 配達員が退勤した後も、所長には業務が待っている。会社からのメールを確認し、本社が提案するキャンペーンを確認して、配達員が利用者に配るためのキャンペーンのチラシを自ら作成することもある。

 21時頃にエリアマネージャーから電話がかかってきて、そこから1~2時間、業務の話を聞かされることもたびたびあった。退勤時間が23時台を回ることは珍しくなく、休憩時間もないまま、1日6~7時間の居残り残業は日常的だった。

 帰宅してからも仕事は終わらない。配達員から突然、翌日の配達ができないという電話がかかってくることもあり、代配の対応を深夜に行うこともある。深夜に営業所に商品の納品業者が来て、冷蔵庫の温度上昇や水漏れなどが見つかったときは、深夜2時でも所長に電話がかかってくる。その際には所長は事業所に出勤して確認しなければならない。

 加えて、Aさんの営業所は、平日だけでなく、土曜・日曜にも配達する「7日間コース」のある営業所だった。土日は所長の休日のはずだが、土日の配達を担当する配達員からの電話応対や代配に、誰が対応するのかといえば、結局は所長以外にいない。このため、Aさんは週7日働いていた。

 あまりの過酷な業務に、Aさんが「土日の電話を切りたい」と上司に相談すると、「お客様第一主義だから」と冷たくあしらわれたという。

 こうして、かつて渡邉美樹氏が言ったように、「24時間365日、死ぬまで働け」をAさんは実践し、月175時間もの残業をしていた。Aさんはいま、「あのままだと私は死んでいた」と振り返っている。

 なお、何時間働いても、残業代は固定されており、追加で払われることはなかった。これだけの業務量にもかかわらず、Aさんの給料はわずか月26万円だった。

コロナで売上を伸ばすワタミの宅食、その犠牲になったAさん

 ワタミの外食部門はコロナ禍により大きな打撃を受けている。しかし、ワタミの宅食事業は、コロナで悪化したわけではない。むしろ、コロナ禍を挟んだ宅食事業の急成長のために、Aさんは使い潰されたと言った方が適切だろう。

 そもそもワタミの宅食事業は、コロナ禍より前から、「ミライザカ」「三代目鳥メロ」などを中心としたワタミの国内外食を、利益で超えていた。ワタミの事業には「国内外食」「宅食」「海外外食」「環境」「農業」がある。そのうち、国内外食と宅食で売上の9割を締めているが、すでに昨年10~12月の時点で、国内外食の利益は4億2800万円、宅食16億4200万円と差がついていた。

 Aさんの事例を見ていると、最低賃金以下の個人事業主と、長時間労働・残業代未払いの所長の存在が、宅食事業の高い利益率の源泉なのではないかと考えざるを得ない。

 しかも、ワタミの宅食事業は、コロナ禍の中でも、売上を伸ばしている。コロナ禍の今年4~6月においても、商品のお届け数は1539万7000食(前年同期比106.7%)、売上高は89億円(前年同期比105.7%)と、コロナ禍前の前年同期よりもむしろ売上が増加しているのだ。

 ワタミの宅食がコロナ禍を機に配達数を増やしたのは、幼稚園・小学校・中学校・高校等の休校によって、子供が家にいる世帯向けの低額キャンペーンを行ったことが理由の一つだ。ワタミの宅食は高齢者だけではなく、コロナ禍をビジネスチャンスとして、子育て世帯をもターゲットに拡大していく方向に舵を切っている。

 このように、ワタミの収益の中心は、すでに外食ではなく、宅食にある。ワタミはいまや居酒屋の会社ではなく、宅食の会社なのである。しかも、コロナ禍によって売上を伸ばしている。その中で、今回の過労労災事件は起きた。ワタミは、またしてもその「自社の成長」のなかで、労働者に犠牲を強いてきたのである。

 今回、Aさんから筆者のFacebookに告発があり、ワタミの宅食の実態が明らかになった。その後、私たちはAさんの労基署への申告等を支援している。こうした企業の労働問題の実態について告発したい方は、筆者や筆者が代表を務めるNPO法人POSSE NPO法人POSSEにぜひ連絡してほしい。

 また、「ブラック企業」の被害にあわれた方は、下記の相談窓口からぜひ、早めの相談をいただきたい。

無料労働相談窓口

NPO法人POSSE 

03-6699-9359

soudan@npoposse.jp

*筆者が代表を務めるNPO法人。訓練を受けたスタッフが法律や専門機関の「使い方」をサポートします。

総合サポートユニオン 

03-6804-7650

info@sougou-u.jp

*個別の労働事件に対応している労働組合。労働組合法上の権利を用いることで紛争解決に当たっています。

仙台けやきユニオン 

022-796-3894(平日17時~21時 土日祝13時~17時 水曜日定休)

sendai@sougou-u.jp

*仙台圏の労働問題に取り組んでいる個人加盟労働組合です。

ブラック企業被害対策弁護団 

03-3288-0112

*「労働側」の専門的弁護士の団体です。

ブラック企業対策仙台弁護団 

022-263-3191

*仙台圏で活動する「労働側」の専門的弁護士の団体です。

 

 

件名は「賞与支払い」「請求書」…取引先装うメール「エモテット」猛威

カテゴリー/ フリースペース |投稿者/ ビレンワークアップ
2020年09月28日

電子メールに添付された文書ファイルを開くなどして感染し、情報を抜き取られるEmotet(エモテット)と呼ばれるコンピューターウイルスが国内で広がっている。北海道内でも自治体や企業、観光協会などで確認されており、担当者が感染に気づかずにウイルス付きメールを関係者に拡散させた例もあった。独立行政法人・情報処理推進機構(IPA、東京)などは注意を呼びかけている。  エモテットの手口は、取引のある会社や団体になりすまし、「賞与支払い」「請求書」などの件名でメールを送りつけ、添付ファイルを開くよう促す。ファイルを開いたりメール本文にあるURLをクリックしたりすると感染。パソコン(PC)内に保存された過去のメールなどが盗まれるほか、アドレス帳に登録された相手に同様のウイルスメールが一斉送信されて被害が広がる。  小樽観光協会(小樽市)や会員のホテルや飲食店、取引先企業などでは、昨年11月頃からエモテットが確認されるようになった。観光協会や市内の他の団体を差出人とし、「請求書」などの件名のメールが送られてきたという。  札幌市では、8月3日~9月15日に確認されたエモテットは29件、エモテットとみられるウイルスが84件あった。ほとんどのメールは、感知したネットワーク機器が削除。数件はすり抜けて職員のPCに届いたが、職員がファイルを開かなかったため難を逃れた。  エモテットは数年前から世界中で被害を与えている。IPAやサイバー対応支援を行う一般社団法人「JPCERT/CC」(東京)によると、国内では昨年10月頃から多く確認されるようになり、いったん収まったが7月中旬以降再び増加。9月は1日3000件を超える日もあるという。  メールには、新型コロナウイルス関連として緊急性を装ったり、圧縮ファイルを添付して本文にパスワードを記したりするケースも確認されている。費用面などで十分な対策を取れない中小・零細企業では感染が広がることが懸念される。  IPAの担当者は「怪しいメールは添付ファイルを開かず、迷った場合は送信元に直接確認してほしい」と呼びかけている。

 

 
 
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