ギャル→キャバ嬢→なぜ「個タク運転手」に? 女性最年少か 「なんでタクシーw」と言われても
2022年10月17日
リーマンショックによる勤務先の閉店が契機

35歳で個人タクシー事業者になった村瀬沙織さん(雪岡直樹撮影)。
2022年9月20日、東京都内で35歳の女性個人タクシードライバーが誕生しました。なぜ、彼女は個人タクシーの道を選んだのでしょうか。 【今とは別人!?】ギャル時代の村瀬さん &愛娘が描いたママのイラストステッカー 一般社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会が公開しているタクシー事業の現状によると、タクシーの運転者数は約37万人、そのうち女性数は7700人あまり。また運転者の平均年齢は56.8歳、平均勤続年数は9.3年。ゆえにタクシードライバーというと、中高年男性が中途の仕事として選ぶというイメージが定着しています。 そうしたなか、女性最年少個人タクシー運転手となったのは村瀬沙織さん。八王子市や日野市、町田市、多摩市、稲城市がおもな活動範囲である南多摩エリアで営業する村瀬タクシーのオーナーです。 経歴を聞くと、なんと元ギャル。若かりし頃の写真を見ると、いわゆる「ガングロギャル」でした。タクシードライバーを始めたのは2008(平成20)年夏の世界金融危機、俗にいう「リーマンショック」で務めていたキャバクラが閉店し、失業したことがきっかけだったそう。 新たな仕事を探すなか、個人タクシー事業者であった父親から「タクシードライバーはイイぞ」「若いうちに始めれば、その分早くに個人タクシーを開業することも可能」といわれ、「若さ」と「女性」は武器になると考えて、軽い気持ちでタクシー業界に飛び込んだといいます。
「タクシーなんか」じゃない。「タクシーだから」なんだ!

センパイ個人タクシー事業者である父親とともに写る村瀬沙織さん。両者とも村瀬タクシーの名で営業している(雪岡直樹撮影)。
こうして、弱冠22歳で法人タクシーの運転手として仕事を始めた村瀬さんですが、やはり入る前に抱いていたタクシー会社のイメージは「THE 昭和の男社会!」というものだったとか。男性が9割以上を占める業界のため、ちょっと気後れする部分もあったようですが、入ってみたら逆に自分の父親世代ばかりで、むしろ周りが気を使って色々教えてくれたといいます。 「飯は食ったか?」「夜遊びばっかすんなよ」「客に絡まれたらすぐ呼べよ」などと、まさに父親のような声がけをしてくれ、それによって仕事上の不安はすぐ吹き飛んだと話してくれました。 ただ、友達など同世代は好意的に捉えてくれなかったようで、「なんでタクシーw」という反応だったとか。利用客からも「若いのにタクシーなんてもったいない」とよく言われたそうで、いまでも記憶に残っているそうです。 タクシー運転手という職業が底辺に見られている、年金もらっている老人や働き口のない人が仕方なく選ぶ職業――「タクシーなんか」「タクシーなんて」と言われるたび、逆に、負けん気が強くなったのだそう。周りにはこう熱弁していたといいます。 「私は自らの意思でこの仕事を選んで好きでこの仕事をやっている。この仕事はただ客を運ぶ仕事と思われがちだけど、他人の人生に寄り添うことができる楽しい仕事だ」 こうして、法人タクシー運転手として腕を磨いた村瀬さんですが、やはり親の背中を見ていたからか、当初から個人タクシー事業者になることを目指したそうです。
