円安を追い風に留学生の倍増を狙う国内の大学
2022年10月25日
円安に歯止めがかかりませんが、これを追い風にしようとしているのが国内の大学です。海外から留学生を呼び込むその現場を取材しました。 1990年8月以来の円安水準が続く為替市場。32年ぶりの150円台をつけたあと、鈴木財務大臣は「水準についてはコメントしない。投機による過度な、そして急激な変化は容認できないのでボラティリティ(変動幅)に注目し、動きがあるときには断固たる対応をとる。従来の考えに変更はない」としました。 一方で神田財務官は「今まで以上に過度な変動が許される状況ではなくなっている中で、われわれは必要な行動がとれる態勢が常にできている。実際に介入しているか、していないかについてはコメントしない」と市場をけん制しました。 4月初旬には120円台前半だった円相場。円安の進行に歯止めがかからない中、日本経済への影響は広がっています。20日に財務省が発表した今年4-9月の貿易統計によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は11兆円の赤字。半期としての赤字幅は過去最大です。エネルギー価格の高騰に加え、円安が影響して輸入額が膨らみました。 止まらぬ円安について経済界からは懸念の声も上がっています。 「今回の円安時においては輸入が減るどころか前期に比べて増えているということで、円安が本来もっている効果が発揮されていない。真逆のことが起きている。今の日本経済というのは残念ながら円安は好ましくない」(日本商工会議所の三村会頭)
円安で海外から見ると安くなった日本の学費

日常生活でも円安のメリットを感じているという留学生のメーガン・ソープさん
これに対し、円安を追い風にしようとしているのが国内の大学です。東京・千代田区にキャンパスを構える上智大学。その一室で行われていたのは、アメリカに住む高校生に対し日本への留学を呼びかける説明会です。各大学が魅力をアピールします。 特に強調していたのは円安によるメリットです。上智大学の担当者は「今は円安なので日本に来る絶好のタイミング。高いレベルの教育がアメリカの大学より安い学費で受けられる」と参加者に訴えました。 1ドル=150円で計算すると、アメリカの私立大学の学費は平均で年間およそ600万円。一方、日本の私立大学なら平均およそ135万円と4分の1以下です。円安が進んだことで相対的に日本の学費が安くなっているのです。 日本が去年受け入れた留学生はおよそ24万人。新型コロナなどの影響で、政府が目標としていた30万人には届いていません。こうした中、上智大学は円安をきっかけに日本に来る留学生が増えるのではないかと期待しています。 アメリカから来た留学生に話を聞きました。 「アメリカに比べると学費が安い。上智大学なら両親もローンなく支払える」(上智大学国際教養学部4年のメーガン・ソープさん) さらに日常生活でも円安で変化が出ているといいます。 「円安は私にとってもいいこと。3年前は1万円が約90ドルだったが、今は約70ドルでいいから」(メーガン・ソープさん) 上智大学では在校生のおよそ1割にあたる1300人が留学生。その多くがアジア圏です。円安メリットの大きい北米やヨーロッパ圏にも大学の魅力をアピールし、留学生を倍増させたい考えです。 「留学に関するコスト、授業料だけでなく生活費なども含め日本に来やすくなっている。日本は安全だし、留学したいと思う背景になってくる」(上智大学高大連携副学長の西澤茂氏) 英語のプログラムを充実させ、英語だけでも単位を取得できるようにするなど、留学生が学びやすい環境作りを行う方針です。 「さまざまな国の人々やさまざまな文化や考えを持つ人が大学の中で一堂に会して、世界中の問題について議論したり、意見交換したりするキャンパスにしたい
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