「ここで転んだら…」 ソウル雑踏事故直前の現場 腹部圧迫声も出ず
2022年10月31日
ソウル市内の繁華街・梨泰院(イテウォン)で29日夜に発生した雑踏事故。150人以上が犠牲となり、その中に日本人女性2人が含まれていたことが30日に判明した。「女性の悲鳴や大きな声が聞こえた」。事故発生の少し前に現場付近を歩いていたソウルに住む50代の日本人男性は、当時の状況をこう話す。 【動画】衝撃的な事故の瞬間 目撃者が提供 事故の現場は、飲食店などが集まる「世界の食文化通り」と梨泰院駅の出口がある通りを結ぶ道だ。同駅に向けて緩やかな下り坂で、道幅は約3メートル。そばに建つホテルと飲食店に囲まれた裏道だという。男性が現場を通ったのは、事故から約2時間前の午後8時ごろ。人は多いものの、まだ歩ける状態だった。 しかし、その約1時間後、男性が「世界の食文化通り」を現場となる坂道の方へ歩いていたところ、人の流れが止まり、坂道の方から女性の悲鳴や大きな音が聞こえてきたという。前方から「戻れ」という声があがり、戻ろうとしたが、通りを歩いてくる人々と向かい合う形になり、もみくちゃになった。「ここで転んだら死ぬんだろうな」。腹部や肋骨(ろっこつ)が圧迫されて痛みを感じ、話すことができない時間もあったという。 男性は、その後どうにか群衆を抜けることができ、午後9時半ごろに梨泰院を離れた。友人から「今日(梨泰院に)行くって言っていたけど大丈夫なの?」と電話があり、事故を知ったという。「楽しそうに遊んでいる若者や私がカメラを向けるとポーズを取ってくれた子たちが巻き込まれていたらと思うと、悲しいし、やるせない」 「もともと梨泰院は(日本の)六本木みたいな街で、欧米人が遊ぶ街という感じだったが、ハロウィーンや(梨泰院を舞台にした)ドラマもあり、若者に一気にはやりだしたイメージ」と男性は話す。新型コロナウイルスの影響から停止されていた日本国民のビザなし渡航が再開され、日本人観光客も増えていたという。男性は「ここまでの人数が集まり、仕方ないという面もあると思うが、少なくとも前日の夜も同じ状況だったはず。そこで警察や自治体が動いて何かしら対応しないといけなかったのでは」と振り返った
「ハロウィーンのにぎわい一転 予感した人も ソウル事故」
「梨泰院雑踏事故「息子はどこに…韓国語もあまりできないのに」気を揉む外国人たち」
