違法伐採木材の流通阻止、業者に「合法」確認義務化へ…業者名の公表・罰金も
2023年01月10日
違法伐採された木材の国内流通を防ぐため、農林水産省などは輸入業者や製材業者に対し、原産国の法令に従って伐採されているか、確認を義務付ける方針を固めた。是正勧告や業者名の公表、罰金を科せるようにする。周知期間を経て、2025年度からの義務化を目指す。 【表】 違法伐採に対する各国・地域の規制

農林水産省
農水省などは、23日に召集予定の通常国会に合法伐採木材法(クリーンウッド法)の改正案を提出する。輸入業者や国産材を仕入れる製材業者は、森林所有者や輸出業者が提出する書類などを通じ、伐採が現地の法律に違反していないかを調べる。合法性が確認できなければ、伐採現場の確認や聞き取り調査を行って情報を集める必要がある。現行では、確認しなくても罰則はなく、実効性が疑問視されていた。
違法伐採は、森林面積が減って地球温暖化を加速させたり、木材市場の適正化を妨げたりする恐れがある。コロナ禍から経済が回復する過程では、住宅需要の持ち直しとコンテナ物流の混乱によって、木材価格が急騰する「ウッドショック」が起きた。こうした事態になれば、安価な製品を求め、違法に伐採した木材の流通が広がる可能性もある。
強制労働のような人権侵害が疑われる例もあって、規制は世界的に強まっている。欧州連合(EU)は、木材事業者に違法伐採リスクの確認義務を課している。韓国は、合法性を証明する書類がない木材の輸入を禁止している。
昨年5月に開かれた先進7か国(G7)農相会合は、合法伐採された木材製品の消費促進を確認した。今年の気候変動枠組み条約締約国会議(COP)でも、森林保護を巡る資金支援が議論される予定だ。
日本でも対応は急務とされていた。農水省が20年度に実施した調査では、合法性が確認された木材の国内流通量は、総需要量の4割にとどまった。国際的な環境団体からは、ルーマニアの国立公園で違法伐採した疑いのある木材が、日本市場に流入していたと指摘を受けた例もある。日本は、議長国を務める4月のG7農相会合で、規制強化をアピールしたい考えだ。
