明治安田生命「パパ産前休暇」、JR九州は祝い金最大50万円…少子化対策に企業本腰
2023年04月07日
政府の「次元の異なる少子化対策」に呼応して、企業の間で従業員の出産・子育てを支援する動きが広がっている。新たな休暇制度の創設や、職場全体での育児の応援など取り組みは多岐にわたる。ただ、配偶者の休暇取得率はなお低調で、職場の理解や協力は欠かせない。(遠藤雅) 【グラフ】少子化背景にランドセルは高額に
明治安田生命保険は2024年度から、男性職員を対象に、配偶者の出産予定日の8週間前から取得可能な「パパ産前休暇(仮称)」を導入する。配偶者の出産前に入院準備や、出生児の兄弟・姉妹の世話などに活用してもらう。期間は1週間程度を想定している。
これまでは出産前に休むには年次有給休暇(有休)を消化していたが、別枠で休暇を取得できる。共働き世帯が増えるなか、出産前から男性が積極的に家事や子育てを担うことで、配偶者の負担を軽減し、出産を前向きに受け止めてもらえるようにしたい考えだ。
花王は今年から、男女ともに対象とした「有給育児休暇」を新設した。10日間の育休を必ず取得するよう必須の休暇制度にしたのが特徴だ。育児期の短時間勤務制度も取り入れ、会社全体で育児しながら働ける機運作りに取り組んでいる。
育児のための休暇や時短勤務を行う当事者だけでなく、職場の同僚に目を向けたのが、三井住友海上火災保険だ。今年度から、育休を取得した社員の同僚に一時金を支給する「育休職場応援手当」(同僚1人あたり3000円~10万円)を始める。同僚にも恩恵を与え、職場全体が育休を快く受け入れる環境を目指す。
柔軟な働き方は、出生率の向上につなげる効果があるとの見方もある。伊藤忠商事が勤務時間を朝に移したところ、21年度の社内出生率が1・97にまで上昇したという。育児・子育て支援を目的に進めた働き方改革ではないが、早朝勤務や午後8時以降の就業の原則禁止などを取り入れたところ、共働きでも子育てがしやすくなる効果があったという。
出産や子育てに対しては、経済的な負担を懸念する声も根強く、政府は児童手当について所得制限を撤廃する方向で検討に入った。多子世帯を支援する狙いがある。企業でも、JR九州が24年4月から、従業員への出産祝い金を現状の一律1万円から大幅に増額する。第1子は30万円、第2子は40万円、第3子以降は50万円とする方向だ。
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