福祉のプロに聞いた「本当にお金がない」ときに生活を助けてくれる公的制度を解説する
2019年08月05日
月3日(土)12時0分 ねとらぼ

テキスト/漫画:斎藤充博
友人のEさんはときどき僕に「斎藤さん(筆者)は日々の生活に困っていないですか?」と聞いてきます。なぜそんなことを聞いてくるのか。詳しく話を聞いてみると、理由がわかりました。(以下、【マンガを全ページ読む】参照)
●生活が苦しい人を「公的制度」で助ける仕事
福祉関係の仕事をしているEさん。福祉といってもいろいろあるのですが、その中でも「公的制度を使って生活が困難な人を助ける仕事」をしています。
Eさんは仕事でこれまでに「生活が苦しいのに無理をしていて、どうにもならなくなってしまった人」をたくさん見てきたそうです。そこで僕の生活は大丈夫なのかを、ときどき聞いてくれます。大きなお世話のような気もするけど、ありがたい……。
以下、マンガの中に出てきた制度をあらためて説明します。
●生活福祉資金貸付制度
低所得者世帯、障害者世帯、高齢者世帯に対して社会福祉協議会が貸付を行い支援する制度。引越にかかる費用などを貸してくれる「福祉資金」、学費を貸してくれる「教育支援費」、など用途によって条件はさまざま。
マンガの中で例に挙げた「緊急小口資金」は生計の維持が困難になったときの貸付。無利子、無担保、保証人不要、10万円まで。
●就労支援窓口
生活困窮者自立支援制度という制度の一部に、仕事に就くことを手伝ってくれる「就労支援」がある。就労支援窓口は自治体が公的に運営していることもあれば、NPOなどの団体が運営していることもある。
マンガの中に「日払いのバイトを確保していることがある」と書いたけど、あるかどうかは地域とその日次第。
●生活保護
憲法で保障される「生存権」(「健康的で文化的な……」ってやつ)にもとづいて、国が生活に困窮している人を助ける制度。生活費を給付してもらえたり、医療費が無料になったり、住む場所を確保してくれたりする。
ただし、手続きの中で「生活保護以外の手段を全部使っても、どうしようもならない」ことをきっちり示す必要がある。福祉の最終手段と言われている。
●フードバンク
市場に流通できない食料を引き取り、食べ物を必要としている人に届ける活動の総称。全国にさまざまな団体がある。役所と連携できているかどうかはその地域次第。
●すぐに貸せる5000円
これは正式な制度ではなく、それぞれの自治体の運用の一部。5000円という金額は一例であり、自治体によって異なる。もちろんそのような運用自体がないところもある。
●法テラス
国が設立した法律相談所。お金がない人には無料で法律相談をしてくれる(民事法律扶助業務)。
●税金の猶予制度
税金が払えないときに、税務署は意外と相談に乗ってくれる。少しずつ分割して払わせてくれたり(納税の猶予)、差し押さえられた物件の売却を待ってくれたりする(換価の猶予)。
●まとめ:本当に生活に困ったら
Eさんの話を聞いていると、自治体は実にさまざまな支援を行っていることがわかります。しかし、そこはやはり「お役所」です。困窮している人が使う制度なのに、とても時間がかかったり、そもそも制度自体がわかりにくかったりして、使いにくい側面もあるように思えました。
もちろん困っている人に制度は行き渡らないといけないのですが、制度を悪用しようとする人もどうしても出てくるものです。運用はそうかんたんではないそうです。
しかしそれでも、「一度は自治体に助けを求めて欲しい」とEさんは言います。特によくないのは役所に苦手意識を持たれて、安易に高利貸しなどからお金を借りて解決しようとしてしまうこと。
こんな行動は解決にならず、悪循環になってしまいます(マンガの中で自治体がお金を貸してくれる制度の話が出てきますが、こちらは生活を再建する計画の一環として行われています)。
Eさんは「みんなが考えているよりも自治体は冷たくないですよ」と言っていました。僕なんかはわりと役所に不信感があるので「本当に?」と思ってしまうのですが、自分でどうしようもなくなったときに頼りにできるのは、自治体くらいしかありません。
「生活に困ったら役所へ相談」このことは覚えておこうと思います。
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