吉野氏「若い研究者たちに大きな励み」…拍手2分以上鳴りやまず

カテゴリー/ フリースペース |投稿者/ ビレンワークアップ
2019年10月10日

10月9日(水)22時21分 読売新聞

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ノーベル化学賞の受賞が決まり、多くの報道陣や関係者が集まる中、花束を手に笑顔を見せる旭化成の吉野彰・名誉フェロー(9日午後7時23分、東京都千代田区で)=池谷美帆撮影

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 スマートフォンや電気自動車などに欠かせないリチウムイオン電池を開発した旭化成名誉フェローの吉野彰さん(71)が9日、ノーベル化学賞に輝いた。「社会の役に立つ技術とは何か」を問い続け、粘り強く研究と向き合ってきた吉野さん。記者会見では、「若い研究者たちには大きな励みになると思う」と笑顔で喜びを語った。

 午後7時20分過ぎ、東京都千代田区にある旭化成本社の記者会見場。黒いスーツに緑のネクタイを締めた吉野さんが姿を見せ花束を受け取ると、「おめでとう」と歓声が上がり、拍手が2分以上鳴りやまなかった。

 会見冒頭、「大変興奮しています」と切り出した吉野さん。受賞の連絡は自身の部屋の固定電話で受けたという。「『コングラチュレーション』ときたので、『ああ、来たか』と思った」と明かし、会場の笑いを誘った。

会見中は終始笑顔で、「『もし順番が来たら絶対に取りますよ』とは以前から申していましたが、まさか、まさかでございます」とおどけてみせた。

 パソコンやスマホに不可欠なリチウムイオン電池を開発。だが、携帯電話を持つことに「拒否感」があって、5年ほど前にスマホを購入するまで、携帯電話は持っていなかったという。

 質問が研究に及ぶと、吉野さんは表情を引き締めた。リチウムイオン電池の研究・開発後、全く売れない時期が約3年あったといい、企業内研究者ならではの苦労に、「精神的にも肉体的にもつらかった」という。

 企業での研究開発環境について、吉野さんは、「商品開発のスピードが昔よりはるかに速くなっている。どうやってスピード感をもってやっていくか、ひと工夫した方がいいと思う」と険しい表情で強調した。

 成功の秘訣(ひけつ)を聞かれると、「柔軟性と執着心」を挙げ、「研究成果が必要とされる未来がくるか。ゴールがあると確信を持てれば、少々の苦労はあっても必ずやり遂げられる」と胸を張った。

 会見中には安倍首相から電話で「本当に日本人として誇りに思います」と祝意を伝えられ、「感動しております。少しずつ実感がわいてきました」と応じた。

 子供たちへのメッセージを求められた吉野さんは、ラグビー・ワールドカップで日本が強豪のアイルランドに勝ったことなどを引き合いにこう語った。

 「明るい話題で日本が大騒ぎすることが、子供にとって自分の将来を決める一つのきっかけになってもらえれば」

 
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