「明日どうなるか分からない」NYレストラン経営者も涙目、米国襲うコロナ経済ショックの衝撃
2020年03月18日
外出禁止、レストラン、バーの営業禁止、学校閉鎖──。経済大国アメリカが一斉にその繁栄にブレーキをかけ、停止すると思った日である。新型コロナウイルスの拡大で、日本が経験していない領域だ。
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3月16日(米東部時間)、新型コロナウイルス拡大の懸念でニューヨーク市場のダウ平均は、約3000ドル暴落と過去最大の下げ幅を記録し、取引が一時停止となった。
アメリカ経済のけん引役、グーグルなどハイテク企業が集積するカリフォルニア州のシリコンバレーでは同日、全米で一番厳しい外出禁止が発令された。トランプ米大統領は、「全てが落ち着くのは7月か8月」という見通しさえ示した。
全米最大の都市ニューヨーク市の消費圏であるニューヨーク、ニュージャージー、コネチカット州の3州では、学校閉鎖、高齢者施設の部外者との接触禁止に続き、3月16日夜からレストラン、バー、カフェの営業が、テイクアウトとデリバリー以外は禁止となった。人々がランダムに接触し、新型コロナウイルスに感染するのを防止するためだ。
「明日どうなるかわからない。一両日中に廃業するかどうか決めないと。テイクアウトだけでは経費を払えないし、私たち経営者の給与ももはやゼロ。私は2児のシングルマザーだし、共同オーナーはお腹が大きくて明日産まれてもおかしくない状況で……」
と話すクリスタル・ウイリアムズさんは、涙目だった。ニューヨーク市クィーンズ区の「ジュリアズ」のオーナー兼シェフで、特にワイン好きな女性に支えられて5年間、「夢のレストラン」を仕切ってきた。
しかし、3月11日のトランプ大統領の国家緊急事態宣言以来、「閉店になるのかも」と思われたのか客数が減り続け、近所のレストランバーは14日土曜日に客足が伸びなかったのをきっかけに次々に閉鎖。2日後の16日にもジュリアズは営業していたが、筆者が行った時も客は1組だけだった。
バーカウンターでは、彼女が解雇して最後の小切手を渡したばかりのヒスパニック系シェフが、「くそ、くそっ。コロナウイルスのやつめ」と言いながら、パソコンを開き、新しい職を探してオンライン就活インタビューの順番を待っていた。「つながった!」と振り返った時の目に涙が光った。
ウイリアムズさんらレストラン業が、経営存続の危機にあるだけでなく、3月16日午後8時にニューヨーク州と隣接するニュージャージー、コネチカット3州では映画館、カジノ、ジムなどが全て閉鎖された。この瞬間に、ジュリアズのヒスパニック系シェフのように「無職」となった人々が無数にいるのは間違いない。今の時点でデータはないが、従業員だけでなく、清掃やサプライの職員などサービス業に関わる数えきれない人々が、レイオフ(解雇)になっている可能性がある。
解雇されたり、解雇される不安を抱えた人たちが、一斉に消費を控えるのは確実だ。家に閉じこもり、3月末に家賃も払えないとなるとどうなるのか。筆者の近所の友人は、レストランの従業員が多く、4月分の家賃について家主と交渉に入ると話す。
フレンチレストランのウェイトレス兼バーテンダーのセリーナは、こう言う。
「少しは蓄えがあるけど、もし2週間でお店がオープンしなかったら、アメリカに住むことを考え直さないといけない。アフリカの新型コロナウイルスがないところに行って仕事でもする」
「100兆円超の景気刺激策を検討 アメリカ」
