計画浮上から67年、八ッ場ダム本体の工事完了

カテゴリー/ その他 |投稿者/ ビレンワークアップ
2019年06月12日

群馬県長野原町で国が建設を進めている八ッ場やんばダムで12日、本体工事のコンクリートの打ち込み完了式が行われた。計画浮上から67年が経過したダムは、来年3月に完成する予定。治水と1都4県の利水、発電の多目的ダムとして運用が始まる。建設地の470世帯は別の土地に移り、高さ116メートル、最上部の幅290メートルのダムは放流設備の整備など、総仕上げの作業を残すだけとなった。

 ダムでは今秋、水をためて安全性を確認する「試験湛水たんすい」が行われる。国土交通省の式典に出席した大沢正明・群馬県知事は「住民の苦しみを振り返ると万感の思いだ」と述べた。

 利根川下流域の治水対策で、ダムの建設計画が持ち上がったのは1952年。5地区の集落や川原かわら湯ゆ温泉街などが水没することになり、地元では激しい反対運動が起こって、長年にわたり、推進派との対立が続いた。建設合意後も、民主党政権による関連工事の中断などで地元は翻弄ほんろうされた。

 住民の流出・減少で、現在の人口は計画が浮上した当時の3分の1、約1100人まで減った。用意された代替地に移ったのは96世帯に過ぎない。シンボル的存在だった川原湯温泉も、1980年代に22軒あった旅館のうち、営業を再開したのは5軒のみ。移転した「やまた旅館」の豊田拓司さん(67)は「再開はしたが、これからが正念場だ」と険しい表情で話す。

 それでも地元では、完成を見据えた取り組みが始まっている。ダムを観光名所にしようと、長野原町は今年4月、ダム湖上に架かることになる八ッ場大橋で「貯水開始まで高さ日本一」のバンジージャンプの営業を開始。ダム湖ができれば、水陸両用の遊覧バス導入も予定している。下流の東吾妻町も、付け替えられたJR吾妻線の旧線路を活用、自転車型トロッコの運行を計画している。

 長野原町の萩原睦男町長は「苦渋の決断も強いられたが、これからは湖と八ッ場ダムをブランドとして発信し、完成後は、さらに前に進む」と話している。

 
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