「開けても閉めても地獄」夜の街、苦しい胸の内
2020年05月08日
新型コロナウイルスの感染拡大防止で佐賀県が民間事業者に出していた休業要請が7日、一部を除いて解除され、多くの施設が営業を再開した。経営者らは安心感を見せつつ、客の集中などへの不安も口にした。
吉野ケ里町の道の駅「さざんか千坊館」にはこの日、新鮮野菜や加工品を求めて県内外から客が訪れた。駐車場には福岡県ナンバーもあり、持永信弘館長は「車は普段の2倍近く。お客とのいさかいは、なるべく避けたい」と述べた。
消毒液の利用やマスク着用を促すなど感染防止策を取っている。「(営業再開で)感染の第2波が起きないでほしい」と願った。
佐賀市三瀬村の直売所「マッちゃん」でもこの日、「福岡」や「久留米」ナンバーが目立った。
普段は福岡県からの客が8割ほどを占めるという。合瀬秀一社長は「生活必需品を扱っているので、パチンコ店のように県外の客を排除することはできない。利用客の判断に委ねるしかない」と話した。
鳥栖市のカラオケ店「BANK(バンク)」は飲食物を提供しないことや、部屋の利用を3人以下にするなどして再開。オーナーの三浦哲八さんは「以前のような売り上げが戻るか分からないが、今は店を開けてお客さんを待つしかない」と不安を述べた。
一方、営業再開を見送った施設もある。
佐賀市富士町の古湯・熊の川温泉は、観光客を受け入れる19施設の月末までの休業を決めた。営業により県境を越えた人の移動を招き、感染を広げる恐れがあると判断した。古湯・熊の川温泉観光コンベンション連盟の山口澄雄理事長は「これまで休んだ努力を無駄にしないためにも今が踏ん張り時」と決意を語った。
鳥栖市本鳥栖町の飲食店「ひろ」も休業を継続。店主の梁井(やない)タツエさんは「再開したいのはやまやまだが、年配常連客の感染予防が第一。もう少し様子を見て判断したい」と述べた。
県内の「夜の街」でも7日、約2週間ぶりに明かりがともった。県内でクラスター(感染者集団)が2件発生して神経をとがらせる県は、横に付いて接客するナイトクラブなどの店には20日までの休業を要請した一方、客との間にカウンターがある店は再開を認めた。線引きを巡って歓迎と不安の声が上がった。
「国や県の支援金は一時しのぎ。店を開けないと生活が成り立たない」。唐津市中心部でスナックを経営する女性(64)は、久しぶりの営業再開を喜んだ。
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