「休業支援金」まさかの対象外 バイト無くなり、安全網やぶれた学生「弱い立場で働く人たちが泣き寝入り」
2021年02月02日
緊急事態宣言をうけ、職場から当面休むように言い渡される人たちが出ています。会社には休業者に「休業手当」を支払う義務があるのですが、実際には支払われないケースが少なくありません。そこで国は、こうした働き手が直接国からお金を受け取れる「休業支援金」という制度を昨年つくりました。ところが、ある条件に引っかかると、支援金の申請ができないという「落とし穴」があります。結果的に休業手当も休業支援金ももらえず、制度のはざまに取り残されている働き手たちがいます。(朝日新聞記者・榊原謙) 【画像】「『日雇い』での勤務形態と実際が見合っていない」男性がアルバイト先と交渉する過程で作ったメモ
「日雇い」なら手当なし?
「弱い立場で働く人たちが泣き寝入りする構図のまま、緊急事態宣言入りしてしまった。国や政治家には不信感があります」 東京都内の大学に通う20代の男性はこう不満を話します。昨春の宣言時に、アルバイト先の会社から休業手当を受け取れず、国の休業支援金も対象外になってしまうという苦い経験があるといいます。 今年1月、政府は再び宣言を出しました。今回も政府が営業制限を求めた飲食店を中心に休業者が出ており、この男性は、自分のように何の補償もされないケースが多発することを心配しています。 男性は都内のイベント会社で、事務のアルバイトをしてきました。初めて宣言が出た昨年4月、会社側から業務を当面自粛すると言われました。勤務シフトが一切入らなくなり、給料も出なくなりました。 会社から再び連絡があったのは3カ月以上経った7月の下旬。「アルバイトに振れる仕事がなくなった」という通告でした。 そこで男性は会社側に、勤務できなかった4~7月分の「休業手当」の支払いを求めたのでした。 労働基準法は、会社都合で労働者を休ませた場合に、平均賃金の6割以上を休業手当として支払わなければならない、と事業者に義務づけています。男性の求めも、この規定に基づいたものでした。 ところが、これに対する会社の返答は――。 「日々雇用契約であり、休業手当の支払い義務はない」 一体どういうことなのでしょうか。 日々雇用とは、仕事に応じて1日ごとに雇用契約を結ぶもので、「日雇い」のイメージに近い働き方です。男性は継続的にこの会社で働いており、自分が「日々雇用」の労働者だという認識は全くありませんでした。しかし会社は、男性とは日々雇用契約を繰り返す関係だった、と主張したのです。 こうなると休業手当の請求は簡単ではなくなってきます。休業手当は、働くはずだった日が事業者の都合で休みになるのが条件ですが、仕事に応じてその都度契約を結ぶ日々雇用の場合、会社が働き手を休業させたという理屈が成り立ちづらいからです。 男性からすると、1年半以上にわたって、週2~3日のペースでコンスタントに勤務に入ることが多く、勤務希望日を記したシフト表も1週間ごとに提出しおり、「会社が主張する日々雇用契約と、実際の労働実態はあまりにも乖離していた」のが実感です。 雇用形態が明記される「労働条件通知書」も会社は男性に交付していませんでした。それでも会社側は、男性とは日々雇用契約だったという姿勢を崩さなかったといいます。 こうした事情から、休業手当の支払いを受けることが難しく、男性はやむなく政府が新設していた「休業支援金」の活用を検討しました。休業手当を支払ってもらえない働き手が政府に直接申請してお金を受け取れるもので、申請の受け付けも始まっていました。 ところが――。
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