日本との「交渉」促す 文政権下の解決、依然困難 元徴用工問題

カテゴリー/ フリースペース |投稿者/ ビレンワークアップ
2021年06月08日

韓国のソウル中央地裁は7日、元徴用工らの請求を認めて日本企業に賠償を命じた2018年の最高裁判決を否定する形で原告の訴えを却下した。 【写真】「日本企業は賠償せよ」と気勢を上げる韓国の市民団体メンバー(2019年)  地裁は却下の理由の一つとして「(今後の)外交交渉を円滑にするため」と説明。司法手続きではなく、日本側との話し合いを通じた決着に期待を示したが、任期満了まで1年を切った文在寅政権下での解決は難しいとの見方が依然根強い。  最高裁の確定判決に基づき、日本企業の韓国内資産は差し押さえられ、いつ売却命令が出てもおかしくない状況にある。これについて文大統領は今年1月、「現金化」は「日韓関係にとって望ましいとは思わない」と言及。元慰安婦が日本政府を訴えた訴訟でも、ソウル中央地裁は4月、外交を考慮した判断を示して訴えを却下した。  こうした動きが今回の判断を後押しした可能性がある。最高裁判決は、「日本政府の不法な植民地支配、侵略戦争と直結した反人道的な不法行為」に関しては請求権問題の最終解決をうたった日韓請求権協定の適用対象外だと断じたが、7日の判決は「国内法的な事情だけで協定の『不履行』を正当化できない」として、被害者の論理より国際法を重視する姿勢を強調した。  陳昌洙・世宗研究所日本センター長は「韓国政府が役割を果たすべきだという判決だ」と指摘しており、裁判所は日本企業の資産売却についてもより慎重に対応するとみられる。  だが、原告側の支援団体代表は記者団に「判決に憤りを禁じ得ない。日本に踊らされている(韓国)政府は情けない」と不満をぶちまけた。徴用工問題をめぐっては、韓国政府が賠償を肩代わりする案などが取り沙汰されるが、被害者側を納得させるのは容易ではない。今回の判決が最終的に確定するかも不透明だ。  韓国外務省関係者は判決後、「司法判決と被害者の権利を尊重し、韓日関係などを考慮しながら、両国政府と全ての当事者が受け入れ可能な合理的な解決方法を論議し、日本側と協議を続けていく」と述べた。  しかし陳氏は「今の雰囲気では日本との外交交渉はなかなかできない。解決策を示せば支持を失う。次の政権の課題になるだろう」と予測。当面は「国内で被害者救済への支援策を拡大する方向に向かわざるを得ないのではないか」と見通す。

 
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