香港、「非愛国者」排除進む 著名活動家ら100人超逮捕 国安法1年
2021年06月30日
香港の反体制活動を取り締まる国家安全維持法(国安法)施行から30日で1年となる。 【写真】出所後に報道陣に囲まれる香港の民主活動家、周庭氏 香港市民の6割が民主派寄りといわれてきたが、同法によって、中国共産党政権が「愛国者」と認めた人間以外を社会の表舞台から排除する仕組みが整い、着々と実行に移されている。 香港当局は過去1年間に、国安法違反容疑で100人超を逮捕した。黄之鋒氏や周庭氏、元立法会(議会)議員ら著名活動家が多く含まれ、民主派陣営は活動の主力を根こそぎ奪われた。 国安法に関する裁判で判決が出た例はまだないが、同法の最高刑は無期懲役。いったん逮捕されれば目立った抗議活動はおろか、メディアやインターネット交流サイト(SNS)での発言を禁じられたり、自ら口を閉ざしたりする活動家もいる。 国安法に続き、全国人民代表大会(全人代)常務委員会は3月、立法会をはじめとする統治機関から民主派らを排除するための選挙制度変更を決定。立候補に当たって「愛国者」かどうか事前審査する仕組みを導入し、民主派が多数派となる可能性をつぶした。 2019年の選挙で民主派が8割超の議席を獲得した区議会(地方議会、479議席)でも、中国や香港政府に対する忠誠宣誓の義務化と違反者の資格剥奪が決まった。既に多くの区議が辞職を表明しており、7月に宣誓が実施されれば、計200人が失職するともみられている。 国安法第9条は「学校、メディア、ネットなど国家の安全に関わる事項」への監督強化を規定している。同法にのっとり、香港当局は中国政府への批判的論調で知られる香港紙・蘋果日報(リンゴ日報)創業者の黎智英氏らを同法違反容疑で逮捕し、同紙の関連資産を凍結。香港を代表する主要紙だった蘋果日報は、24日付の発行を最後に廃刊に追い込まれた。 国安法を利用した「香港の中国化」は、今後も加速するとみられている。香港政府は25日、政府ナンバー2の政務官に警察出身の李家超保安局長を充てる異例の人事を発表。識者からは、12月の立法会選や来年3月の行政長官選へ向けて民主派統制をさらに進めるとともに、愛国心を育む「国民教育」を徹底させる狙いだとの指摘が出ている。
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