餓える兵士の犯罪増加 空き巣や農場襲撃事件まで 当局も問題視
2021年10月05日
北朝鮮は全国的に主食のトウモロコシの収穫が終わった。北部地域の両江道(リャンガンド)、咸鏡北道(ハムギョンプクド)に住む取材協力者によれば、作況は平年よりかなり悪いという。春の種蒔きの時期に肥料やビニールなどの営農資材が不足したためだ。 【写真特集】 秘密カメラが捉えた! ガリガリに痩せた飢える北朝鮮の兵士たち (10枚) 9月から、各地の協同農場は脱穀や乾燥などの作業で大忙し。そして緊張が走っている。穀物盗が横行し畑や倉庫を24時間警備しなければならないのだ。農場員の他、赤衛隊という民兵部隊も銃を携行して監視に当たり、さらに安全局(警察)からも畑の警備要員が派遣されているという。 「一番の警戒対象は腹を空かせた兵士たちだ。食事があまりに貧弱な上、コロナのせいで民間人との接触が厳しく禁じられているので、農場施設や畑にやって来て盗んでいく。まるで強盗だ。当局でも大きな問題になっている」 咸鏡北道に住む協力者このように伝える。
◆兵士による農場襲撃まで発生

北朝鮮地図 製作アジアプレス
両江道の協力者からは、具体的な事件について報告があった。場所は中国国境に近い三池淵(サムジヨン)郡の胞胎里(ポテリ)。9月10日頃に協同農場の畑を兵士が襲撃する事件が発生した。現地の農場員は次のように事件の概要を説明した。 「兵士3人がジャガイモ畑に堂々と入って来て、警備の農場員に『人民軍を支援しろ』と言ってジャガイモを掘り起こして盗んでいった。襲撃は3時間の間に2回もあった。農場員は暴行を受けて足を折られたので大事になった。 胞胎里の労働党委員会では、近くの国境警備隊を訪れ抗議。しかし、襲撃した兵士たちはコロナのためマスクを付けていて特定できなかった。国境警備隊は、強盗行為をしたのは自分たちの所属兵士ではなく、『暴風軍団』だと主張、一方の『暴風軍団』では、除隊軍人だろうと言う。問題が大きくなって上部の軍団に報告され、暴行した軍人を何があっても探し出せと指示が出たが、現在までなんの咎めもないままだ」 ※暴風軍団: 全国各地から選抜された優秀な軍人が2~3年前から中国との国境地域に大挙派遣されて住民統制に当たっている。 空腹の兵士たちは、何がなんでも食べ物を手に入れようと必死だ。取材協力者によれば、 巡回を口実にして夜間もうろついて食べ物を物色し、家に入って盗みを働き、家畜も盗んでいく。牛までいなくなることもあるという。当然、農場では収穫物を守るのに必死だ。農場の警備員と暴風軍団、国境警備隊の兵士間でしょっちゅう喧嘩が起きているという。
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