飼料高騰深刻 畜産農家「耐えるだけ…」 自給にもコスト、補填追いつかず
2021年10月25日
配合飼料の高騰が、畜産経営に影を落としている。JA全農の10~12月期の配合飼料供給価格(全国全畜種総平均)は1トン当たり1250円下がったが、前期までの4期連続の値上げ幅は計1万5000円を超える。牧草など自給飼料を確保・拡大しにくい都府県では特に、大きな負担が畜産農家にのしかかっている。
値上がりが経営を直撃 群馬・酪農

牛に配合飼料を与える岩崎さん(前橋市で)
「対策はない。耐え忍ぶのみだ」。前橋市で搾乳牛と育成牛合わせて約70頭を、家族3人と従業員1人で飼育する岩崎正徳さん(45)は、険しい表情を見せた。 岩崎さんは年間450トンの生乳を出荷し、約6000万円を売り上げる。配合飼料はJA全農ぐんまなどから月に計20トン購入しており「値上がり分は経営を直撃する」という。牧草15ヘクタールと青刈りトウモロコシ約7ヘクタールで飼料自給にも取り組むが、増やそうにも「人手が足りず、燃料代などのコストもかかる」と簡単ではない。 1年ほど前、高騰以前の配合飼料の価格は1トン当たり約5万円台後半だったが、この1年で同7万円台前半に値上がりした。高騰前で30%程度だった生産費に占める購入飼料費(粗飼料を含む)の割合は今年、40%程度に増す見込み。「生産費を抑えるには餌の質を下げるか、自分の休みを減らし人件費を抑えるしかない」と言う。 輸入原料の高騰で配合飼料価格が上昇した際の影響を緩和する、配合飼料価格安定制度での補填(ほてん)も、高騰の影響を受け止め切れていない。岩崎さんの場合、7~9月期の補填金は同約4300円。「長期的に価格が上がり続ける状況をカバーできない」とこぼす。 配合飼料価格の先行きは不透明だ。シカゴトウモロコシ価格は現在、5月の高騰時に比べれば下げたが、1年前に比べ3、4割高い。飼料関係者は「海上運賃や海外での穀物需要、為替などが影響してくるので情勢は見通せない」と言う。岩崎さんは「生産費の上昇を売値に反映してほしい」と要望する。
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