タダでは立候補できない日本 高額の「供託金」なぜ必要?
2021年10月27日
日本では、タダでは立候補できない。立候補前に供託金を納める必要があるからだ。一定の得票数に達しなければ、没収されてしまう。経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で供託金制度を設けている国は少数派。しかも、日本は最高額で「憲法で保障された立候補の自由を制約している」との批判もある。【道下寛子/デジタル報道センター】 【選択的夫婦別姓を巡る議論】
衆院選の供託金は小選挙区300万円、比例代表は600万円。重複立候補の場合は比例代表分の300万円が減額されるが、計600万円が必要だ。小選挙区では有効投票総数の10分の1に達しなければ供託金は没収され、国の収入になる。
2017年の前回衆院選では、小選挙区で174人分の5億2200万円、比例は10団体の9億9000万円が没収された。ちなみに、地方選挙でも供託金制度があり、20年7月の東京都知事選に立候補した22人のうち、上位3人以外は供託金300万円が没収された。
総務省「乱立を防ぐため」
供託金制度は昨年12月に町村議選(15万円)にも導入され、全ての公職選挙に広がった。なぜ必要なのか。総務省は「当選を争う意思のない人が売名などの目的で無責任に立候補することを防ぐため」と説明する。
日本では、資産に関わらず立候補や選挙運動の機会を与えるため、国や地方自治体が選挙運動用ポスター製作費や選挙カーのレンタル代・燃料費といった運動費用の一部を一定の範囲で公費負担する「選挙公営」制度が導入されている。供託金制度によって、無責任な候補を抑制して公費負担を減らしたり、街中を選挙カーが走り回る事態を避けたりしたい――というのが国の考えだ。
供託金制度は1925年公布の「普通選挙法」に始まった。公職選挙法が制定された50年当時は3万円だったが、貨幣価値に合わせて上昇。衆院選の場合、92年に現在の300万円になった。
これまでに違憲訴訟も

OECD加盟国の国政議会選挙における供託金額
立派な政策や理念を持っていても、供託金がハードルになって立候補を断念する人がいるかもしれない。「供託金制度は憲法15条が保障する立候補の自由に反する」などとして、国を相手取った違憲訴訟がこれまで何度も起こされてきた。訴えたのは、地方議会選挙に立候補したものの没収されたり、参院選に立候補しようとしたが供託金を工面できず断念したりした人たちだ。
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