ネット中傷被害、消せぬ苦しみ 不倫のデマ流された50代女性、職場まで暴露され…
2021年11月08日
山口県内の50代女性は2年前、インターネットの匿名掲示板に実名をさらされ、身に覚えのない醜聞を流された。「○○って人、不倫してるよ」と。加害者には罰金刑が科せられたが、問題の投稿は今なお削除できず、女性は「この苦しみが一生付きまとうんでしょうか」と悩む。被害者にも加害者にもなり得るネット空間。皆さんはどう向き合っていますか。 【グラフ】インターネット上の誹謗中傷などの被害相談件数(広島県内)
「この人、見たことある」無数のコメント
「大変なことになってるよ」。同僚から知らされたのは2019年11月だった。匿名ユーザーが情報を交わす掲示板に自分のことが書かれているらしい。聞いたこともないそのサイトを探し当て、女性は目を疑った。不倫のデマを流され、職場まで暴露されている。「この人、見たことある」「地獄行きだな」…。既に無数のコメントが連なっていた。 サイトには「削除依頼に対応する」とある。早速、定型フォームで削除を求めたが、何回トライしても「72時間をめどに検討する」と素っ気ない回答があるだけ。一向に削除されなかった。 「私、誰かに恨まれることをしたのかな」。心当たりはなかったが、職場に出るのが怖くなった。やましいことは何もないのに人目が気になる。名札を着けるのも電話で名乗るのも嫌になった。夫も冷静ではいられなかったようだ。「電話に出なかったのは誰かと一緒だったから?」と疑われた。仕方ないと思ってみても、やはり傷ついた。 同じ掲示板には、不倫相手に仕立てられた友人男性の個人情報もさらされていた。連絡してみると「あいつかも」。仲たがいした知人がいるという。泣き寝入りはすまいと、すぐに警察へ相談したが、最初に対応した職員は「及び腰」の印象。「犯人特定は至難の業」と説明された。 確かに難しいだろうと思いつつも、諦められなかった。警察も手を尽くしてくれた。「書き込んだ男が分かった」と連絡を受けたのは、半年後の20年6月。男はやはり、友人の知り合いだった。警察の聴取に犯行を認め、名誉毀損(きそん)の疑いで送検された。検察も起訴し、その秋、40万円の罰金刑が決まった。 男は友人男性にだけ恨みがあったらしい。女性はとばっちりに遭った格好だ。「軽率な行為がどんなに人を苦しめるか。罪に問われることなのだと自覚してほしい」と憤る。
