マツコさんはアウトで高倉健さんはOK? 国民の美意識に介入する中国、強まる芸能界たたき
2021年11月15日
「マツコ・デラックスさんはアウトでしょうね」。日本通の中国人の知人は、日本の芸能人が今の中国に進出しようとすれば、ほとんどが追い返されると予想した。中国共産党が人々の美意識に介入する姿勢を強めているためだ。党・政府系メディアは厚化粧の女性や女性っぽい男性芸能人を「病的」と攻撃。日本や韓国などの海外スターに憧れる風潮に苦言を呈し、党の意向に沿った「正しい美醜感覚の確立」を主張している。美的センスまで上から押しつける発想に、反発が広がる。(共同通信=大熊雄一郎) 【写真】中国人気女優、美容整形の失敗を投稿

木村拓哉さんの写真を掲載した2021年9月22日付の環球時報
▽ジャニーズは米国の手先? 9月下旬、中国指導部の本音を代弁することが多い党機関紙、人民日報系の環球時報にアイドルグループSMAPの元メンバー、木村拓哉さんの写真が掲載された。読み進めると、ネット上の都市伝説のような話を大まじめに伝えていた。 「日本の女性っぽい男性文化は、米国が後押し?」と題する記事は、第2次大戦後、米国が日本を徹底的に屈服させるため、日本人の思想や文化を「改造」する措置を取ったと強調。そのキーマンがジャニーズ事務所社長だった故ジャニー喜多川さんだと主張している。 ジャニーさんが米国生まれだと強調し、中央情報局(CIA)との関わりを示唆。SMAPなどのアイドルは米国の文化を浸透させる「洗脳」の手段だと独自の解説を展開し、米国が日本に植え付けた美意識は韓国など東アジア各国に広がっていったと記している。 記事は日韓のスターやアイドルを「美」の基準とする中国の芸能界や若者にくぎを刺す狙いがあるとみられる。一方で俳優の高倉健さんは「気骨のある男だ」と好意的に言及していた。

高倉健さん(中央)
中性的な男性がとにかく許せないようだ。 ▽「吐き気がする」 党の指導下にある光明日報は8月以降「新時代に求められる健康的な美意識」をテーマに連載を始め、名門大の学者や文芸界の重鎮らが代わる代わる「美」について評論を掲載した。 「女性っぽい男性現象のきっかけは娯楽番組と映画作品だ。日韓のスターのイケメンが中国の芸能人の模倣対象となった」 「かつてテレビに映る中華の男子はしゃきっとしてたくましいものだった。ところが日韓文化の影響を受け、眉や目をいじり、女性のようになよなよしたものとなってしまった」 「抗日戦争の主演男優までが女性のような化粧をしている」 「整形した顔は反感を抱かせる。笑顔と笑い声が合っておらず、吐き気がする」 「愚かで底の浅い低俗な偽文芸を唾棄すべきだ!」 評論者たちは文化が堕落したとして激しく攻撃。素顔が分からなくなるほどの厚化粧や、男性同士の恋愛を描くボーイズラブも批判し、美意識が乱れると社会主義の価値観に悪影響を及ぼすと主張した。
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