ゾンビ企業って言うな! ~「推定30万社」の見直しと企業支援の次の一手~
2022年02月19日
「ゾンビ企業はどれほどあるのか――」 政府や自治体、金融機関の強力な資金繰り支援で2021年の企業倒産は6030社(前年比22.4%減)と57年ぶりの低水準を記録した。 コロナ禍の2020年は激変した外部環境を前に「あきらめ廃業」が相次ぎ、休廃業・解散は過去最多の4万9698社を記録した。だが、コロナ関連支援で「事業継続」の判断を先送りした経営者は多く、2021年は4万4377社(前年比10.7%減)に減少した。 東京商工リサーチ(TSR)には、政党や官庁、金融機関、マスコミなどから「どれだけの企業が支援で救われたか」と支援策の効果についての問い合わせが増えている。歯に衣着せぬ質問者は、冒頭のように手厳しい聞き方だ。 こうした「ゾンビ企業」を推測する議論はいくつもある。今回、TSR市場調査部分析チームと情報本部は、保有する企業データや定期的に実施しているアンケート調査などを基に検証した。
常套句の「30万社」
企業のゾンビ化はコロナ禍の資金繰り支援だけが招いたわけではない。未曽有の世界同時不況と騒がれたリーマン・ショック。日本も不況に飲み込まれ、2009年12月に中小企業金融円滑化法(以下、金融円滑化法)が施行された。金融機関に中小企業からの条件変更の要請に原則応じるよう求めるものだが、それにとどまらず金融機関は期限利益の喪失に基づく事前の債権回収、担保権行使も事実上、封じられた。 条件変更の実施状況の報告を義務化した同法は、2013年3月の終了までに申込437万件に対し、414万件が実行された。これは、貸付債権ベースで社数ではない。そこでTSRではいち早く様々なデータと取材を基に、金融円滑化法を活用した企業数は約30万社と発表した。当時、国会でもこの数字を基に質疑が展開された。金融円滑化法終了の前年、活用した企業も念頭に出口戦略として「政策パッケージ」が用意された。ただ、金融機関によるコンサル機能の発揮や中小企業再生支援協議会(支援協)との連携強化は、そもそも信用保証などで金融機関のリスクがヘッジされている貸付(与信)先や支援協へ自ら足を運ばない企業へのリーチ力が弱く、野ざらしとなるケースも続発した。それから約10年。こうした企業への抜本的対応が出来ぬまま、コロナ禍に見舞われた。
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