日本勢、EV競争で巻き返し コストに課題、新たなライバル出現で「クルマづくり」大転換期に【
2022年02月21日
2050年の温室効果ガス排出実質ゼロに向け、電気自動車(EV)をはじめとした電動車の開発競争が世界的に加速している。欧米メーカーに比べて遅れが指摘されてきた日本の自動車メーカーも、ここに来てEVへの注力姿勢を鮮明にした。ソニーなどIT企業の新規参入も耳目を集めており、「クルマづくり」をめぐる戦いはかつてない大転換期を迎える様相だ。一方で、電動車を主軸に据えたビジネスモデルは、採算性がいまだ不透明。次世代技術に対応しながら利益を上げる体質を築けるのか、課題も尽きない。(時事通信経済部 平野壮生) 【写真】ホンダが中国に建設するEV専用工場 ◇「EV反対派」イメージ払拭へ 「35年までに(国内の)新車販売で電動車100%を実現する」と菅義偉前首相が施政方針演説で表明したのが、21年1月。その後の約1年で、国内の大手メーカーは立て続けにEV戦略の加速・前倒しを発表してきた。 ホンダは昨年4月、三部敏宏社長が就任早々に大規模な電動化戦略を表明。エンジン搭載車を段階的に減らし、40年には全世界で販売する新車を全てEVや燃料電池車(FCV)といった走行時に二酸化炭素を排出しない「ゼロエミッション車」にする。自動車レースのF1世界選手権シリーズからの撤退やエンジン部品製造工場の閉鎖も発表し、エンジン車からの決別と電動化シフトを明確に打ち出した。 日産自動車も30年度までにEVを大幅に拡充する計画。車種数ベースで電動車の割合を50%まで高める。日産はここ数年、カルロス・ゴーン前会長をめぐる経営の混乱や業績不振で存在感が低下している。それでも、かつてライバルに先駆けてEV「リーフ」を手掛けたメーカーとして、電動化競争にプライドをかける。 そして、最大手のトヨタ自動車もついに動きだした。燃費性能を武器にハイブリッド車(HV)で大きな成功を収めてきたトヨタは、海外勢を中心にEVシフトが進められる中にあって動きが鈍かった。豊田章男社長が「今までのトヨタのEVには興味がなかった」と公言するほど。昨年11月には環境保護団体グリーンピースが公表した主要自動車メーカーの「脱炭素化」ランキングで最下位となり、「EV反対派」の代表格と位置付けられてきた。 そんな評価を払拭(ふっしょく)するべく、トヨタは昨年12月、全世界で販売するEVを30年に350万台と、これまでの目標からほぼ倍増させる計画をぶち上げた。年間1000万台規模を販売するトヨタにとってEV比率は3~4割程度となるが、豊田氏は発表の場で「パーセンテージではなく、絶対台数でご評価いただきたい」と熱弁。350万台は世界の主要メーカーの年間総販売台数に匹敵するとして、電動化にかじを大きく切ったことを強調した。
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