深刻な労働力不足とビジネスの急激なグローバル化によって、国内・海外在住問わず優秀な外国人であれば自社で雇用してみたいという企業が増えています。 そんな中、これまで外国人を雇用した経験がない企業の中には外国人労働者の募集方法に始まって、就労ビザの取得手続きや、その後の賃金の支払い方を初めとする人事労務管理に大きな不安をお持ちの皆様が多いのではないでしょうか。当事務所でも、
2019年07月14日
- 海外進出のために、優秀な外国人を雇用したいが募集方法から就労ビザの取得方法、入社後の雇用管理まで何からどう手をつけていいのか全くわからない。
- 外国人を雇用するには日本人従業員と違う、とても複雑で特別な手続きや税務や労務管理が必要なのではないか。
というご相談を多くお受けします。
当事務所ではこのようなご相談をいただいた場合、先ずは下記のようにご説明しています。
外国人を雇用する手続き自体については特別難しいことはありません。
労務にしろ、税務にしろ日本人の従業員の方と多少対応が異なる部分もありますが細かい手続きについては慣れてしまえば大丈夫です。
ただし外国人を雇用すること自体は簡単でも、大変なのは採用したその後です。
外国人が能力を最大限に発揮して会社の戦力となってもらう、また、労使間のトラブルを発生させることなく長期間継続勤務してもらうよう、会社が、外国人との労使関係を常にケアし続けていくことが一番大切なことなのです。
採用後のアフター・フォローを、ときに日本人に対するよりも、より細やかに行うことが外国人雇用成功のポイントではないでしょうか。
例えば、自分たち日本人がまったく法律や商慣習、労働慣行もわからない外国で労働し生活をすることを考えてみれば、日本で外国人が労働条件・就労ビザの問題などわからないことだらけの中、不安を抱えながら働き生活するという事がどれだけ大変なのか簡単に想像できることですよね。
そういった外国人労働者が抱える沢山の不安を、雇用主である企業の皆様が一つ一つ取り除いてあげながら、その人の持つ能力を最大限、会社のために発揮してもらう…そのための努力を惜しまない会社こそが外国人雇用で成功する企業になりえるのだと、これまで様々な企業をサポートさせていただいた経験を通して、私はそう確信しています。
今後も、少子高齢化・人口減少により日本の労働人口はますます減り続けます。
今後は年間50万人もの外国人労働者を雇用し続けなければ現在の日本の経済は立ち行かないといわれています。
実際、既に外国人を雇用しなければ事業が立ち行かなくなっている会社は多いはずです。
そのような企業のサポートをさせていただくため、当事務所では就労ビザ申請の代行手続や人事労務管理のサポートサービスを提供させていただいております。
このページでは、初めて「外国人を雇用しよう」と思い立った企業様のために、外国人の募集から入社後の雇用管理について、どのようなことを行えばよいのか、簡単に流れをまとめていますので参考にしてください。
また、後述の解説内容を1ページにまとめたフロー・チャートを掲載しています。こちらでも外国人採用の流れを確認してください。
1ページでわかる、外国人採用の流れ (PDF)
海外にいる外国人を呼び寄せる
日本にいる留学生・転職者を採用する
外国人を募集しようと思ったら…
外国人を募集する場合は以下の方法があります。
外国人の募集方法・雇用契約の締結フロー・就労ビザの取得方法については、初めての就労ビザの取得方法のページにも詳しく記載してありますのでこちらもご覧下さい。
① 新聞・雑誌・インターネットを通じて労働者を直接募集する。
通常の日系新聞の他にも、下記のような外国語の新聞や雑誌のポータルサイトから募集を行うことができます。
Japan Times Jobs ※ ホワイトカラー中心
② 自社従業員、取引先、大学からの紹介
外国人留学生を多く抱える専門学校・大学・大学院は、彼らの日本での就職を強くサポートしています。そのような教育機関の就職課にコンタクトし、求人を出したり、日本での就職を希望している優秀な学生の情報を得ることも効率的な外国人雇用の成功につながります。
③ 公的機関(ハローワークなど)からの紹介
ハローワークの外国人版で、外国人を専門に人材紹介を行っています。こうした機関では、外国人を雇用したい国内企業と日本で就職を希望する外国人のマッチングを目的としたジョブ・フェア(就職説明会)も頻繁に行っています。
東京外国人雇用サービスセンター(東京都港区)
新宿外国人雇用支援・指導センター(東京都新宿区)
名古屋日系人雇用サービスセンター(名古屋市中区)
大阪外国人雇用サービスセンター(大阪市北区)
福岡学生職業センター(福岡市中央区)
④ 民間人材紹介会社からの紹介
バイリンガルや外国人を中心に人材紹介を行っているコンサルティング会社は数多くあります。 それぞれの人材紹介会社ごとに、強みとする分野(職種・業界・外国人の出身国別など)があるので会社の希望内容にマッチする紹介会社を選択することが大切です。
⑤ SNS(ソーシャルネットワークサービス)での求人
ソーシャルネットワークサービス(SNS)の普及に伴い、こういったツールで求人を行う企業も一般的になりました。
特に、語学が堪能な日本人や海外から日本での就職を希望する外国人などは、これらSNSでの求人を注意深くチェックしているようです。
語学力もある優秀な人材や専門知識を持つ外国人を雇用することを考えているのであればSNSを利用するのも一つの方法です。
※ ビジネス系SNS 求人・求職者が検索できます。
採用したい外国人が決まったら… ⇒ 在留資格などの確認をしましょう。
採用する外国人と具体的に働いてもらう業務内容が決まったら、まずその外国人が日本国内にいる場合は現在持っている在留資格の確認をしましょう。
在留資格とは、外国人が日本に在留するために必要な「滞在資格」と考えるとわかりやすいかと思います。2018年7月現在、全部で28種類あり、日本に滞在している外国人は必ずこのいずれか一つの在留資格を持って日本に在留しています。(観光・商用目的等で滞在している短期滞在者や仮放免・仮滞在者は除く。)
在日外国人の在留資格については、就労ビザの基礎知識、在留資格の確認方法は、就労ビザの取得方法のページをご覧下さい。
既に国内にいる在日外国人を採用する場合、彼らが既に持っている在留資格(個別の在留資格ごとに、就職できる職種が決まっています。)と、御社で就かせる予定の仕事内容・職種に違いがある場合は採用予定者の在留資格を、採用後の職務内容に該当する在留資格に変更する手続きを行わなければいけません。
一方、海外にいる外国人を日本に呼び寄せて雇用する場合に先ず行うことは、採用後に担当させる職務内容と本人のこれまでの職歴や学歴を正確に確認することです。
外国人が、働くことを目的として日本政府に付与されている、在留資格は、「18種類」あります。
(世間一般ではビザ・査証と呼ばれることが多いのですが、正確には在留資格=ビザ・査証ではありません。ただし、ここでは容易に理解していただくため、便宜上、在留資格=就労ビザとして解説します。 就労ビザについては就労ビザの基礎知識のページをご覧下さい。)
外国人は基本的に、この18種類のいずれかの在留資格を取得しなければ日本で合法的に働くことができません。
入管法(出入国管理及び難民認定法)において、「18種類」の就労ビザにはそれぞれ取得するための要件(職歴に関連する大学卒業相当の学歴や同職種内での10年以上の職歴など)が細かく決められています。
希望の就労ビザを取得するためには、要件全てを満たしていることが必要です。満たしてない場合、許可がおりることはありません。
したがって、雇用契約を結ぶ前に、採用する外国人の学歴や職歴が要件を満たしていて就労ビザを取得できる可能性があるか確認しておく必要があります。
各種在留資格についての詳細は、就労ビザの基礎知識をご覧下さい。
といっても、この入管法という規程も法律ですから、細かい部分は私たちのような専門家ですら条文を読んでも、詳細を理解するのが難しい内容もあります。
ましてや通常入管法など読み慣れない企業様にとっては尚更わかりにくい内容も多いのではないかと思います。
そのような場合には、直接電話あるいは対面で管轄の入国管理局の担当官にたずねる、または私たちのような入国管理業務を専門としている行政書士や弁護士などに判断・アドバイスを求めると効率的です。
採用する外国人の在留資格の確認・呼び寄せる外国人の条件確認がクリアしたら…
⇒ 雇用契約書を取り交わして入社後の雇用条件をよく確認しておきましょう。
外国人本人と直接、入社後の賃金を始めとした労働条件についてよく話し合い、この時点で書面による雇用契約を結んでおきましょう。
初めて外国人を雇用する企業、特に中小企業の場合、ついつい、日本人の従業員に対するのと同様に考えてしまいがちで、書面による雇用契約書は後回しにするか、または締結しないという事案があるようですが、これは絶対に避けたほうがいいでしょう。
日本と海外では法律や労働慣行に大きな違いがありますので、お互いに悪気はなくても認識の違いから、後々労使トラブルが起こることはよくあるのです。
特に海外は日本以上に書面による契約書を重視する国が多いので、契約書は採用後、予期しないトラブルが起こったときに労使双方にとって有効な証明書のようなものです。
必ず外国人労働者とよく話し合い、双方合意の上で取り交わしてください。
なお、雇用契約書や労働条件通知書等を従業員に書面で配布することは労働基準法において、日本人に対するのと同様、外国人に対しても義務化されています。
従って雇用契約書等の配布を行わなかった場合、責任は企業にあります。
また、上述のように、労働条件について、後々の「言った、言わない」の労使トラブルを未然に防ぐためにも、雇用契約書において入社後の賃金を初めとした労働条件を労使双方で確認し、双方のサイン・押印がされた原本を保管しておく必要があるのです。
その際には、日本語の雇用契約書に添付して外国人が理解できる母国語や英語などの標準的な言語で翻訳文を作成し、原文・翻訳文の両方を本人に配布することも大切です。
当事務所では雇用時の雇用契約書と英文翻訳のサービスを行っています。
英文雇用契約書のサンプルなども記載している、英文雇用契約書の作り方と配布 のページをご覧ください。
当事務所では就労ビザの取得判断から雇用契約書作成・就業規則作成・その他の人事労務管理手続まで全ての外国人雇用管理業務をトータルでサポートしています。
雇用条件の確認・双方のサインが完了したら ⇒ 就労ビザ申請手続に入りましょう。
初めての就労ビザ取得手続きについては、就労ビザ取得方法のページをご覧下さい。
採用予定の外国人社員に関して、実際に就労ビザがおりる可能性があるか等、取得診断に関してのご相談は、下記リンク先をご覧いただき、お電話かメールでご相談下さい。
初回のお電話やメールによるお問合せ・ご相談の回答は無料、正確なビザ取得可能性に関する判断・その他の詳細なアドバイスを行う面談相談は1回・¥10,000 (税込・時間制限は特にありません。通常1~2時間程度/就労ビザ申請のほか、雇用契約書の締結方法などもご説明いたします。)をいただいております。
ただし、面談相談の後、就労ビザ申請手続業務を正式にご依頼いただいた場合、いただいた初回ご相談料は、業務報酬に充当する形で全額返金いたします。
就労ビザ取得に成功 ⇒ 御社で働いてもらうための受入れ準備に入りましょう。
上記ステップが完了し、就労ビザの取得に成功して御社への入社が決まったら、必要に応じて受入準備を整えましょう。例えば、
■ 外国人本人による自国日本大使館においての査証申請の指導
(*海外から外国人を招へいする場合)
■ 借り上げ社宅の準備
■ 日本語教育のためのスクールや教材選び
■ 外国人来日時のフライトの手配
■ その他受入時の教育訓練の準備
などが考えられます。
いよいよ外国人の入社・来日 ⇒ 御社での雇用管理の始まりです。
外国人従業員が来日して先ず何より一番初めにやらなければいけないことは、
■ 居住地決定後の住民登録の指導
外国人従業員の居住地が決まったら、住所を管轄する市区町村役場で、(外国人本人が)住民登録を行います。
(※ 基本的に入国後14日以内)
この登録をすると、入国時に受け取った在留カードに住所地を裏書してもらうことができます。
以降、外国人は、住所地を裏書してもらった在留カードを携帯することによって、身分証明として常時パスポートを携帯する必要がなくなります。
また、住民登録を行うことによって給与振込に必要な銀行口座の開設などもできるようになるので、日本で生活をしていく上で最も大切な手続きと言えるでしょう。
その他、入社後の外国人雇用管理について
その他、入社後の外国人雇用管理について必ず発生する事柄として下記のようなものが考えられます。
外国人従業員に理解してもらえる英文就業規則の作成
外国人従業員特有の給与計算への対応
(給与所得に対する課税について取扱の違いと本人への説明)
社会保障協定締結国出身の外国人に対する健康・厚生年金保険に関する諸手続
(ドイツ・イギリス・韓国・アメリカ・ベルギー・フランス・カナダ・オーストラリア等)
■ 在留期間を更新する際の入国管理局への在留期間更新申請手続き
■ 外国人の入社・退職・雇用主の名称変更や所在地変更など、様々な届出
詳細は、就労ビザ申請以外にもある! 入国管理局やハローワークに対する様々な届出 のページをご覧ください。
■ 「外国人労働者・雇用労務責任者」の選任 ※ 努力義務
(常時10人以上の外国人労働者を雇用する企業)
詳細は、“外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針” (厚生労働省リーフレット*11頁)をご覧ください。
以上、上記以外にも、個々のケースに応じて臨機応変に効果的な雇用管理と対応を行う必要があります。
「外国人労働者受入れはどうすればいいの?メリットや注意点を大公開【最新版】」
