マリウポリの攻防続く 21日にも再び停戦交渉、鍵握る六つのテーマ
2022年03月21日
ロシア軍のウクライナ侵攻で、南東部の要衝マリウポリを巡る激しい攻防戦が20日も続いた。同市など露軍に包囲された都市からの民間人の避難は難航している。両国の停戦交渉について仲介役のトルコ政府から前向きな見方も示されたが、双方の隔たりが短期間で解消されるかは不透明だ。政府代表団同士のオンライン協議は21日にも再び開かれるという。 【ウクライナ侵攻 戦地はいま】 トルコのチャブシオール外相は20日、停戦交渉を巡って「重要な問題で合意に近づいている」との見方を示した。中東の複数のメディアが伝えた。チャブシオール氏は「戦争が続き、人々が殺害されている中で合意することは簡単ではないが、(合意に向けた)勢いはある」と言及した。 中東の衛星放送局アルジャジーラによると、トルコのカルン大統領府報道官は19日、停戦交渉には六つのテーマがあり、このうちウクライナの中立化、非武装化など四つについては双方の歩み寄りが見られると語った。 ウクライナメディアによると、21日に政府代表団同士のオンライン協議が再び開かれるとみられる。 こうした中、人口約40万人の港湾工業都市マリウポリでの戦闘は市街地や海上にまで広がっている。ウクライナ側によると、同市は20日、露軍艦船4隻から砲撃を受けた。一方、ロシアが実効支配し、露軍・黒海艦隊基地がある南部クリミア半島の地元当局者は同日、艦隊副司令官がマリウポリを巡る戦闘で死亡したと明かした。ウクライナ側の反撃によるとみられる。 マリウポリでの民間人の被害が相次いで報じられているのに対し、露国防省・軍の「国家防衛管理センター」のミジンツェフ・センター長は20日、「ウクライナの民族主義者たちのテロ行為によって人道上の惨事が起きた」と強弁し、ウクライナ軍兵士らに投降を呼びかけた。 ウクライナのベレシュチュク副首相によると、激戦地の複数都市から20日に計7295人が4ルートの「人道回廊」を通じて避難した。うちマリウポリからは3985人が逃れた。ウクライナ政府は21日に避難用のバス約50台を同市へ派遣する計画という。 国連人権高等弁務官事務所は20日、ウクライナ国内では19日までに少なくとも民間人902人が死亡、1459人が負傷したと発表した。砲撃やミサイル攻撃、空爆によるものが大部分を占めるという。マリウポリなど激戦地での犠牲者数は不明なため、実際には、はるかに多くの被害が出ている模様だ。 一方、チェルノブイリ原発では20日、ロシア軍の支配下で原発の管理業務などに当たってきた職員らのうち64人が解放され、自ら志願した交代要員46人が入った。原発の広報部門が発表した。同原発の敷地一帯は露軍が侵攻開始当初の2月24日から占拠している。 ウクライナ政府側は各国に軍事支援を求めるため、積極的なトップ外交に努めている。 ゼレンスキー大統領は20日、イスラエル議会でオンライン形式の演説を行った。ロイター通信などが伝えた。イスラエルは親米国だが、ロシアとも緊密な関係を保つ。ゼレンスキー氏は演説で、ウクライナ支援に慎重なイスラエルに、ミサイル防衛システムの提供や対露制裁に乗り出すよう訴えた。 ロシア、ウクライナにはそれぞれ数十万人のユダヤ系住民がおり、ゼレンスキー氏自身もユダヤ系として知られる。ゼレンスキー氏は議会でロシアによる侵略をナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大虐殺)になぞらえて非難し、「イスラエルのミサイル防衛システムは最高のものだ。それはウクライナのユダヤ人の命を救うことができる」などと呼びかけた。
「ウクライナ避難民1千万人に 戦禍拡大、全人口の4人に1人 国連」
「維新、国民との連携白紙に 与党接近に不信増幅」
