東芝、強まる株主からの圧力…企業価値を高める従来の方針は転換
2022年04月08日
東芝が株式の非上場化に向けた本格的な検討に入る。強まる株主からの圧力で、上場を維持しながら企業価値を高める従来の方針は転換を迫られた形だ。ただ、外部のファンドなどによる東芝の買収には課題も多く、実現は容易ではない。 【図】東芝の株主構成
配慮

(写真:読売新聞)
東芝が新たな事業計画の策定に向けて設置する特別委員会は、6人のメンバー全員が社外取締役で構成される。委員長はジェリー・ブラック氏(元イオン専務執行役)が務め、経営トップを選任する指名委員会委員長のレイモンド・ゼイジ氏ら5人が委員となる。ゼイジ氏は3月、東芝が反対していた非公開化の検討に支持を表明した。
東芝経営陣は、非公開化を求める筆頭株主のエフィッシモ・キャピタル・マネージメントなど「物言う株主」の意向に配慮しながら事業計画を練り上げるとみられる。分割計画の策定は、ゼイジ氏ら社外取締役で構成する「戦略委員会」が主導したが、特別委設置に伴い7日付で解散した。
東芝は、非中核事業と位置付け、売却を検討するとしていた昇降機の東芝エレベータと、照明事業の東芝ライテックの売却に向けた手続きも中断する。分割計画と併せて検討していたが、分割計画の中断に伴って白紙に戻す。
特別委の検討結果を踏まえ、3月1日に就任した島田太郎社長ら経営陣が6月の定時株主総会前に、新たな事業計画を発表する。
エフィッシモをはじめ「物言う株主」側は、外部のファンドなどが東芝株を買い取り、上場廃止にすることを検討すべきだと繰り返し求めてきた。買収時には株式を時価より高く買い取るのが一般的で、既存株主の利益になる。東芝側にも経営改革を迅速に進められるといったメリットがあると主張する。
買収に高い壁
東芝は、米原子力発電事業による巨額損失で債務超過に陥り、2017年に東証1部から2部(当時)に降格したものの、21年1月に1部に復帰した経緯がある。非上場化に慎重だったのはこのためだ。
また、東芝を丸ごと買収するのはハードルが高い。東芝の株式時価総額はおよそ2兆円。買収資金を外部ファンドが単独で用立てるのは容易でなく、「国内外を含む複数のファンドや金融機関などが連合を組むことが欠かせない」(金融筋)との見方が強い。
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