ロシアの実効支配進むヘルソン州 TV番組規制、通貨も変更か
2022年05月02日
ロシアが占領したウクライナ南部ヘルソン州で1日から自国通貨ルーブルへの切り替えを始めたと伝えられるなど、実効支配を進めている。今月上旬から中旬にかけて強制的に住民投票を実施し、かいらいの「ヘルソン人民共和国」を発足させるとの観測も日増しに強まっている。 【製鉄所から退避してきたとみられる女性や子どもたち】 ヘルソン州は黒海に面し、州都ヘルソン市は南部の要衝の一つ。露軍は3月2日にヘルソン市を制圧し、4月26日に州全域を支配下に置いたと宣言。現職の州知事を追放し、親露派であるサリド元ヘルソン市長が新たな「知事」に就任したと一方的に発表した。 「ヘルソン人民共和国」の発足に向けた住民投票について、現地の英字メディア「キーウ・インディペンデント」は、ロシアの対独戦勝記念日である9日までに実施されるとの見方を報道。ラトビアに拠点を置くロシア独立系メディア「メドゥーザ」も今月14、15両日に実施されるとの観測を報じている。 市民生活でもロシアの実効支配確立に向けた動きが加速している。タス通信によると、ヘルソン州民軍政権の副代表を名乗る人物は4月28日、今月1日から年金生活者や州職員を対象にルーブルで給付を始め、4~5カ月の間にウクライナ通貨フリブナから完全に移行する計画を明かした。 ウクラインスカ・プラウダ紙などによると、ヘルソン市では3月中旬からロシアの24局のテレビ番組と3局のラジオ番組が放送され始め、その時点でウクライナの番組は1局しか視聴できなくなったという。 同紙はロシアが占領下に置かれた教育関係者に対し、支配を正当化するために協力を求めたが、ある教員は「全員が断った」との証言を紹介している。また一部教員がロシア領に移送されて、今の統治を正当化するための「再教育キャンプ」に入れられたとの情報も伝えている
「ペロシ米下院議長、キーウでゼレンスキー大統領と会談…「断固としてウクライナ支持」」
