「アトツギ支援ネットワーク」年度内に創設へ…政府、中小企業の後継者不足対策
2022年06月06日
政府は、中小企業の事業を引き継いだ経営者を手助けする「アトツギ支援ネットワーク(仮称)」を年度内に創設する。中小企業は後継者不足が課題になっている。若い経営者の不安を取り除くために環境を整え、新たな担い手を呼び込む狙いがある。
中小企業庁が近く、金融支援のあり方を検討する有識者会議の中間取りまとめとして提言する。
支援策は、事業承継を機に、新規事業や業態転換に取り組もうとする若手経営者に焦点をあてる。たとえば、オンライン会議を活用し、後継者同士の意見交換や先輩経営者との対話の場をつくる。弁護士や税理士、金融の専門家への相談もできるようにする。
中小企業は、高齢になった経営者が後継者を見つけられず、廃業する例が多い。東京商工リサーチの調査によると、2021年度に「後継者難」が理由で倒産した負債1000万円以上の企業は404件あった。調査を始めた13年度以降で最多となっている。
かつては、親族や従業員に引き継ぐのが主流だった。経営は行き詰まっていないのに、廃業や休業に追い込まれる企業も多い。
中小企業は技術や雇用を支える重要な存在だ。政府は、全国に「事業承継・引継ぎ支援センター」を開設し、後継者探しに力を入れてきた。事業承継は、ゼロから起業するのとは違って、企業が培ってきた実績を生かすことができる。だが、実際に事業を引き継いだ後に相談できず、不安を感じている経営者は多い。
中小企業庁は、今回の支援策を岸田首相が掲げる「新しい資本主義」の一環として位置付ける。先端技術やアイデアを武器に成長を目指す「スタートアップ」と呼ばれる新興企業の経営者とも交流する場を用意し、成長の速度を上げる。
中小企業にとっては資金繰りの課題もある。新しい事業を始める時には、一定の資金が必要となる。大企業に比べて信用力が劣るため、金融機関から十分な融資が受けられない場合も多い。投資家を紹介する機会もつくり、資金調達の手段が増えることを期待する。
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