ジュニアNISA「駆け込み需要」か…出金制限を緩和、来年末に制度廃止
2022年06月20日
未成年の子や孫の名義で開設する「ジュニアNISA(ニーサ、少額投資非課税制度)」の口座数が急増している。2023年末の制度廃止に伴い、口座からお金を引き出す際の制限がなくなることを目当てにした「駆け込み需要」が起きているとみられる。
ジュニアNISAは、子ども名義で開設した専用口座で、年間80万円まで株式や投資信託などに投資できる制度。進学など子どものための資産形成を目的に、投資で得た配当金や売却益が非課税になる。
制度は16年に始まったが、19年末時点の口座数は約35万。一般NISAの1000万超に比べて大きく低迷したことから、20年度の税制改正大綱で廃止が決まった。
ところがその後、口座開設が急増している。21年末の口座数は約72万で、前年比で約1・6倍となった。
背景にあるのは、制度廃止に伴う、お金の引き出し制限の緩和だ。現在は原則として、子どもが高校3年生の12月末まで引き出せず、それ以前に引き出すと課税されてしまう。進学状況や家庭環境により、まとまった教育費が必要な時期は変わることが多いため、使い勝手の悪さが口座数低迷の要因と指摘されていた。
しかし、23年末の制度廃止後は、いつでも非課税で引き出せるようになる。これからジュニアNISAを始めても、廃止までの2年間で160万円が上限となるが、大手証券の担当者は「運用期間は一定程度確保できる。利用はまだ増える」とみる。
ソニー生命保険が今年1月に実施した子どもを持つ親へのアンケートでは、「教育資金に対する不安を感じる」との回答は7割に上った。「老後の備えよりも子どもの教育費を優先したい」との回答も6割に上った。コロナ禍で生活の先行き不安が高まるなかでも、子どもの教育費は手厚くしたいという親は多い。
ソニーフィナンシャルグループの渡辺浩志シニアエコノミストは、「(子どもが社会人になるまで)1300万円超の教育費を想定する家庭が多い。計画的な教育資金の準備が必要だ」と話す。
証券各社は、ジュニアNISAの駆け込み需要をきっかけに、教育費を投資で増やす動きにつなげたい考えだ。
