侵攻4か月、増え続ける犠牲者…ウクライナ国民「4万人死傷」
2022年06月24日
ロシアがウクライナへの侵攻を始めてから、24日で4か月となる。両国の軍民の死傷者は数万人に達したとみられ、激しい消耗戦となっている。両軍は互いに一歩も譲らない構えで、戦争終結への道筋は、全く見通せない。 【写真】「お父さん、無事に戻ってきて」ウクライナの11歳が描いた絵

キーウ中心部の独立広場で風になびくウクライナ国旗。それぞれにロシアの軍事侵攻で犠牲になった人たちの名前が記されている。南東部マリウポリの戦いで息子を失ったという女性がじっと旗を見つめていた(23日)=三浦邦彦撮影
ウクライナの内務次官は6月6日、国民の死傷者が約4万人に上ると明かした。最近は兵士の1日あたりの死傷者が最大1000人に達するといい、苦戦の色が濃くなっている。
露軍は、完全制圧を目指すウクライナ東部ドンバス地方(ルハンスク、ドネツク両州)を中心に、10万人を超える兵力を投入した。英国防省は5月下旬時点で、露軍側に1万5000人の死者が出たとの推計を示したが、その後も犠牲は増え続けているとみられる。ウクライナ国営通信によると、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は6月12日、露軍が6月だけで4万人の兵力を失うことになると警告した。
大砲などの物量でウクライナ軍を上回る露軍は、ルハンスク州の要衝セベロドネツクに戦力を集中させ、ほぼ制圧した。露軍は東部の要衝を順次攻略する戦術に転換し、ウクライナとの「根気比べ」に出た形だ。
行き詰まる戦況を打開しようと、ウクライナは6月後半に反転攻勢をかける計画だった。だが、米欧が供与する重火器の配備が遅れ、兵士の訓練も十分に進んでいないため、実行に至っていない。
両軍ともに局面を変える決め手を欠いている現状を、米欧諸国は「第1次世界大戦のような消耗戦」(マーク・ミリー米軍統合参謀本部議長)に突入したとみており、戦争状態が最大で数年続くことを視野に入れ始めた。
米欧などの経済制裁を受け、ロシアでは年内に深刻な景気後退が始まると見込まれる。ウクライナは国際社会から約300億ドル(約4兆700億円)の援助を受けているが、それでも戦費が足りず、戦時国債の発行額は1000億フリブニャ(約4600億円)に達した。
食糧やエネルギー価格の高止まりが続く中、ウクライナを支える西側諸国に、「支援疲れ」が出始めたとの指摘もある。米欧や日本も、長期戦にどう向き合うのか、覚悟が問われている。
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