政府、ロシアの「弱点攻め」警戒 サハリン2で相次ぐ揺さぶり
2022年07月07日
石油・天然ガス開発事業「サハリン2」をめぐり、ロシア政府は対ロ制裁を継続する日本への揺さぶりを強めている。 【図解】サハリン2運営会社への出資比率 プーチン大統領がサハリン2を事実上接収する大統領令に署名して7日で1週間。日本政府は電力不足という日本の弱点を狙った動きと見て警戒し、情報収集を急いでいる。 「日本はロシアから石油もガスも得られなくなる。『サハリン2』への参加もなくなる」。ロシアのメドベージェフ前首相は5日、日本をこう挑発した。 先進7カ国(G7)は、ロシア産石油への価格上限設定を検討することで合意。岸田文雄首相は参院選の応援演説で「ロシア産石油はいまの半分程度の価格を上限とし、それ以上では買わない仕組みをつくる」と訴えており、メドベージェフ氏の発言はこれに反応したものだ。日本外務省幹部は「(ロシアは)相当手ごわい。すぐにカウンターパンチをかましてくる」と警戒感をあらわにする。 ロシアメディアは、ロシア側が「非友好国」向けの液化天然ガス(LNG)輸出でロシア通貨ルーブルでの支払いを求める動きを報じた。実際、ロシアはルーブル払いを拒んだオランダやドイツに対しガス供給を絞っており、日本への揺さぶりとの見方が強い。 サハリン2の大統領令をめぐり、日本は外交ルートで照会を続けるものの、詳細ははっきりしないままだ。日本企業がサハリン2での権益を失えば、液化天然ガス(LNG)輸入の約9%を占めるロシア産の大半が途絶え、ただでさえ逼迫(ひっぱく)する電力需給に重大な影響を与えかねない。 日本政府はあくまで厳しい対ロ制裁と権益維持の両立を図る方針。ただ、政府内からは「言葉で強いことを言っても、日本の電力不足は深刻。完全に足元を見られている」(関係者)といった声も漏れており、今後も難しい対応を迫られるのは必至だ。
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