昔の国産エレキギター高騰、愛好家が競い合い購入…「職人魂」が生んだ本家に迫る商品
2022年08月19日
数十年前に製造された国産エレキギターの人気が高まっている。米老舗メーカーのコピーモデルを中心に「ジャパン・ビンテージ」とも呼ばれ、愛好家らが競い合うように購入しているという。なぜ今、昔の国産エレキが売れているのか。楽器の街・お茶の水を訪ねた。(大原圭二) 【図版解説】木材へのこだわり、イチローや大谷翔平も
定価の2倍超

シモクラセカンドハンズの店内。1970~80年代の国産エレキギターの人気が高まっているという(東京都千代田区で)
「ジャパン・ビンテージ人気には驚かされる。まだ値段は上がると思う」。東京・お茶の水の中古ギター専門店「シモクラセカンドハンズ」(千代田区)店員の男性(41)は、興奮した様子で、そう話す。
人気が高まっているのは、1970~80年代にかけて日本企業が、米老舗ギターメーカー・フェンダー社、米ギブソン社のギターをコピーするなどした商品だ。
人気が高まるにつれて、値段も上がっており、同店が昨年入荷した東海楽器製造(浜松市)のコピーギターは、80年代前半の販売当時は定価5万円だったが、約11万円の値がつけられた。今年7月末に売れたという。
周辺の他のギター店も同様の状況で、海外客からの問い合わせも多いという。
細部へのこだわり
人気の秘密は良材と、日本の職人にあるようだ。
音楽出版社「シンコーミュージック・エンタテイメント」(千代田区)でギター関連書籍の編集を手がける平井毅さん(52)らによると、この時期に製造された商品は、現在は貴重となった良質な木材がふんだんに使用されているという。
また、当時の日本メーカーの職人たちが、細部の結合や金属パーツの精度などにこだわりぬいて作っていたこともあり、価格以上に品質の高い商品が多く生まれたという。日本人の「職人魂」が、本家に迫るギターを生み出したというわけだ。
しかし、米メーカーが「営業上の利益を侵害された」として国内メーカーに訴訟を起こしたことなどもあり、コピー商品製造は徐々に下火になっていった。
国内でも以前から「価格の割に品質が良い」との声があったが、コロナ禍で室内で楽しめるギターに注目が集まる中、海外バイヤーが、昔の国産エレキに目を付け始めたという。
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