10~12月に「値上げラッシュ」懸念 ~値上げ実施済・予定の企業は7割 4社に1社が「再値上げ」
2022年08月23日
ウクライナ情勢にともなう供給制約への懸念などによる原材料価格の高止まりや円安の進行などを背景に、企業の仕入れコストは引き続き上昇傾向にあります。日本銀行が2022年8月10日に発表した同年7月の「国内企業物価指数」は17カ月連続で前年同月を上回り、6月に続き過去最高を更新しました。こうしたなか、企業で値上げの動きが相次いでいます。 そこで、帝国データバンクは、企業の今後1年の値上げ動向についてアンケートを行いました。同様の調査は2022年4月、2022年6月に続き3回目。
企業の3割が今後約1年以内に予定、特に10~12月で勢い増す

企業の値上げ動向(複数回答)
自社の主な商品・サービスの値上げ動向では、企業の48.7%が「2022年4~6月の間にすでに値上げした」と回答(複数回答、以下同)。また「2022年7月にすでに値上げした」は10.6%、「2022年8月に値上げした/する予定」は8.7%、「2022年9月に値上げ予定」は10.5%となりました。さらに、「2022年10~12月ごろに値上げ予定」は16.7%となるなど、企業は今後も値上げを考えていることが分かりました。 この結果、2022年8月以降に「値上げした/する予定」の企業は31.4%となりました。「2022年4~6月の間にすでに値上げした」および「2022年7月にすでに値上げした」企業と合わせてみると、「値上げ実施済・予定」企業は69.6%と約7割にのぼっています。他方、「今後1年以内で値上げする予定はない」は8.6%、「値上げしたいが、できない」は14.3%でした。 6月に実施した同様の調査と比較すると、とりわけ「2022年10月~12月ごろに値上げ予定」の企業は7.4ポイント増え(6月調査:9.3%→8月調査:16.7%)、この2カ月の間に秋から初冬に値上げを考える企業の割合が急増しました。
特に化学品メーカーや食品関連で値上げがさらに進む見込み

企業の値上げ動向 ~主な業種~
「値上げ実施済・予定」割合を業種別にみると、「機械・器具卸売」は87.7%となり、「建材・家具、窯業・土石製品卸売」や「鉄鋼・非鉄・鉱業」、「飲食料品卸売」などにおいても値上げがとりわけ進んでいます。 このうち2022年8月以降約1年以内に値上げを行う予定の企業は、「化学品製造」で47.9%と全体(31.4%)を16.5ポイント上回りました。また、「飲食料品卸売」(47.3%)や「飲食料品・飼料製造」(46.4%)などにおいても値上げが続くとみられます。なかでも値上げの勢いが増す2022年10~12月において、「飲食料品卸売」では34.5%の企業が値上げを行う予定としており、全体(16.7%)より大幅に高くなっています。 企業からは、「原材料や容器、運賃などの値上がりによって製造コストが大幅に上がったため、販売価格に転嫁した。ただし、販売先によっては競合他社の動向を見ながらなので転嫁できる幅が限られており、コストの値上がり分をそのまま転嫁できないケースも多い」(ゼラチン・接着剤製造)や「客先によって、円安でコストが上がった分をそのまま販売価格に転嫁できたが、一部商品については、値上げのスピードが円安のスピードに追いついていない」(乾物卸売)など、原材料費の高騰や円安の進行によるコスト増を受け、値上げに踏み切ったといった声が多くあがっていました。 一方で「値上げしたいが、できない」割合をみると、「運輸・倉庫」は34.2%と、全体(14.3%)を大きく上回っています。企業からは、「食品運送業であるが、荷主企業も資材コスト等の上昇で値上げ要請を受け入れてもらえない」(一般貨物自動車運送)や「他社と相見積を取られることが多く、値上げすることで契約が取れないことが多い」(ソフト受託開発)など、他社との競合から値上げを行いにくい状況や値上げの交渉が困難になっている様子がうかがえます。
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