運転手不足のなか…タクシー業界で広がる女性活用
2022年08月26日
コロナの影響による乗客の減少や慢性的な運転手不足という課題を抱えるタクシー業界で、いま女性のタクシー運転手を活用しようという動きが広がっています。女性目線を生かして「運転」と「観光」を組み合わせた新サービスを始めた会社など、各社の取り組みを取材しました。 岐阜県岐阜市。小柳美晴さん(25)は「もともと運転するのが好きだったので、運転する職業をやってみたいと思った」と、コロナ禍の2年前に地元のタクシー会社「日本タクシー」に入社しました。 この日、小柳さんは岐阜駅で客を乗せると、目的地も聞かずに走り出しました。10分後、やってきたのは岐阜公園。すると、客と一緒に歩き始めました。 「こちらに見えるのが岐阜城です。天守閣が展望台になっていて、岐阜の街を一望できます」(小柳さん) 実は小柳さん、タクシー運転手とツアーガイドを掛け持ちする二刀流です。ツアーコンダクターの資格を持っています。岐阜の観光名所や地元の人しか知らない美味しい店などをタクシーで案内するツアーで、料金は1時間7240円です。利用客からも「今コロナで団体は無理だけれど、タクシーなら自分たちだけだし、安心感もある」と好評です。 この観光ガイドツアーを始めたのは、岐阜市の「日本タクシー」です。観光バス事業も手がけるこの会社では、この夏もコロナの第7波で団体客のキャンセルが発生しています。そこで15人の女性運転手にツアーコンダクターの資格を取らせ、タクシーによる観光ガイドツアーを新たな収益源にしようというのです。 日本タクシーの山田健太郎社長は「タクシーはコロナ禍においても、少人数で動けるので観光に最適ですし、女性ならではの目線で、観光客に物腰柔らかく対応できる。観光にはもってこいだと思っている」と話します。
苦境のタクシー会社、救世主は…

葵交通では女性運転手が現在5人。女性の雇用に力を入れている
全国ハイヤー・タクシー連合会の調べによれば、全国のタクシー運転手はおよそ24万人。そのうち女性は9470人と、わずか3.9%にとどまっており、長年、女性の雇用が進んでいませんでした。 東京・杉並区の「葵交通」では、コロナ禍による乗客の減少で収入が減り、160人いた運転手がこの2年で20人以上も退職。深刻な人手不足に陥っていました。そこでいま、女性運転手の雇用に力を入れています。 教官から指導を受けているのは、葵交通の森島由喜さん(38)。前職は貨物トラックの運転手でしたが「トラックの運転は需要が増えてきたけれども、やっぱり給料の面ですかね。ちゃんと休みを取れて、給料を稼げる仕事はなかなかない」と先月転職してきたばかりです。 貨物トラック時代は、1日12時間以上の勤務が相次ぎ、月給は18万円でした。一方、このタクシー会社なら基本給だけで30万円を稼げるといいます。 コロナ前は1人しかいなかった女性運転手ですが、今では5人になりました。先輩ドライバーの中里恭子さんは、小学2年生の子どもを育てるシングルマザーです。 「ここの職場ですと、自分の希望の休みを取れたり、小学生の娘の行事に合わせて休みを取ることができる」(中里さん) 会社は仕事と子育てが両立できるよう、夜勤がない日勤だけのシフトを新たに導入。さらに、女性専用の控え室を作りました。メイクはゆっくり時間をかけ、疲れたら、女性専用のベッドで仮眠もとれるなど性が働きやすい環境を整えています。 葵交通では将来、女性運転手を2割まで増やす計画です。 「女性の乗務員は客の満足度がたいへん高い。女性の乗務員を活用して、難局を何とか乗り切っていきたい
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