携帯の強制解約で「負のループ」、連絡先なく職や家も探せない…孤立する「通信困窮者」
2023年02月24日
経済的な苦しさから携帯電話を失ったために、自立の道を阻まれ、孤立する「通信困窮者」がいる。社会生活を送る上で「持っている」ことが半ば前提の携帯電話がないだけで、職や住居を探すのにも支障を来し、困窮から抜け出せない“負のループ”に陥ってしまう。そんな通信困窮者に携帯電話を貸して、再起を促す取り組みが始まっている。(後田ひろえ) 【図表】「手頃な価格」中古スマホ、所有率は年々増加
収入が途絶え、家賃を払えず野宿生活に。携帯電話は強制解約された。「通信困窮者」の困難が始まった。
困窮者を支援する情報を、ネットで探すこともできない。自立支援施設への入所を希望したが、空きが出ても連絡を受けられなかった。
八方ふさがりの中、区役所で、困窮者に携帯電話を貸す民間の事業を教わった。さっそくスマートフォンを借りて、ようやく自分の“連絡先”を取り戻した。今は生活保護を受けながら、再就職先を探している。
コロナ禍で増大

リスタートから借りたスマートフォンで求人情報を調べる男性(1月、北九州市で)=中山浩次撮影
男性がスマホを借りた一般社団法人「リスタート」(東京)は、携帯電話のレンタルを行う企業を母体に、通信困窮者の支援を目的に19年に設立された。月約3000~6000円でスマホを使え、自治体などから紹介された延べ約1万2000人に貸し出す。担当者は「1か月あたりの利用者は、コロナ前の2~3倍に増えている」と話す。
厚生労働省は、通信困窮者らに携帯電話を貸し出す事業者を、全国の自治体や社会福祉協議会などに案内している。熊本県八代市は22年5月から、困窮者に代わって市が3か月間、リスタートに利用料を払っている。その間に仕事を見つけ、再起を目指してもらう狙いで、2人が就労を果たした。
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