NTT株売却、月内に議論着手 思惑交錯、難航も 自民
2023年08月05日
自民党は、政府が保有するNTT株の売却について、月内に議論を始める方向で調整に入った。 【ひと目でわかる】防衛費の追加財源のイメージ 党関係者が3日、明らかにした。売却で得た収入を防衛費増額の財源に充てるのが狙い。完全民営化も含めて検討するが、NTTの企業としての在り方に関わることから、難航も予想される。 NTT株の売却は、増税以外の防衛財源確保策を検討する同党の特命委員会(委員長・萩生田光一政調会長)が提起。先にまとめた提言で「完全民営化の選択肢も含め、経済安全保障にも配慮しつつ、速やかに検討すべきだ」と明記した。これを受け、萩生田氏が7月25日の党会合で議論を始める考えを示した。 NTTの有価証券報告書によると、政府の株保有割合は3月末時点で34.25%(4.6兆円相当)。NTT法は、政府に「3分の1以上の保有」を義務付けており、大量に売却するには法改正が必要となる。 政府は、3分の1以上の株を保有することで、NTTの経営上の重要事項に対する拒否権を確保。固定電話サービス網の維持などを図ってきたが、萩生田氏は「通信手段が高度化、多様化し、国際競争も激しくなる中、これらの義務を維持し続けるか検討の必要がある」と訴える。 情報通信行政に詳しい党ベテランも「10年前にNTTの経営の自由度を高めていれば、(米グーグル、アップルなど)『GAFA』(と呼ばれる巨大IT企業)の仲間入りができていたかもしれない」と指摘。「むしろ遅きに失している」と見直しの動きに一定の理解を示す。 一方、経済安保の観点から懸念の声も上がっている。党中堅は「情報通信は安全保障そのものだ。防衛予算でNTT株を買い増した方がいいくらいだ」と指摘。特命委の提言を巡る議論の際も、一部の出席者がNTTに関する記述の削除を主張した。 自民党は、特命委の下に作業チームを設置。経済安保に精通する甘利明前幹事長をトップに据え、具体的な検討を進める考えだ。党ベテランは「議論が始まっても数年はかかる。それくらい大きな話だ」と述べた。
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