
大企業や有名企業も、購入型でモノを「売る」ケースが増えている。
購入型を取り扱うCFサービス事業者大手の「マクアケ」(東京都)によると、ライオン、コニカミノルタ、セメダイン、シャープ、ソニー、パナソニックなどの参入例があるという。
マクアケの共同創業者で取締役の坊垣佳奈さん(35)は、「ユーザーと直接つながることができるという点で、リアルなマーケティングになっている」と指摘する。これまでは、特定の地域でテスト販売したり、抽出調査をしたりといった手法で消費者のニーズを探るしかなかった。どうしても地域特性や年齢特性などの偏りが出てしまい、「リアル」な評価やニーズを拾えていたかというと、疑問が残る部分もあった。
購入型でプロジェクトを立てるメリットは、一般消費者の実感により近い反応が探れるということだ。企業によっては明確な数字目標を置いて、CFによる調達金額を事業化するかどうかの判断材料にする場合もあるという。

一方、中小企業やベンチャーにとっては、「CFをする」というだけで宣伝効果が見込めるところも魅力だ。国内CFの調達額1位とされる1億2800万円を集めた折り畳み式電動バイク「glafit」は、和歌山県のベンチャー企業の挑戦だった。自転車とバイクを融合させたこの新商品、調達額が話題になったことなどで人気になり、小売り大手「オートバックス」での販売にもつながった。
マクアケによると、調達額が1000万円以上となるプロジェクト数は、14年度には5件程度だったのに対し、右肩上がりに増えて18年度は約160件だった。調達額の多いプロジェクトの数が増えたということは、CFを利用する人が増えた結果とも考えられるだろう。
CFの多くのサイトでは、個々のプロジェクトについて、単にリターンのメリットを語るだけでなく、そこに携わる人々の思い、技術力などについて、かなりの情報量でPRしている。その多くは一般的な店先でモノを買う際には、まず得られない情報だ。「支援者は『モノを買う』感覚だと思うが、同時に『この人が作っているから買うんだ』という部分も出てくる。購入型はそういう新しい市場になる潜在能力があると思っています」(坊垣さん)
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