救急搬送困難事例、年末年始は5割増 新型コロナで病床埋まる

カテゴリー/ フリースペース |投稿者/ ビレンワークアップ
2021年01月11日

新型コロナウイルスの感染が再び拡大する中、119番で救急搬送を要請した患者の受け入れを医療機関に3回以上断られるなどした「搬送困難事例」が、年末年始は1カ月前と比べて5割以上も増えていた。総務省消防庁への取材で明らかになった。新型コロナの患者で病床が埋まり、救急患者を受け入れる医療機関が減っていることが原因とみられる。 【緊急事態宣言】前回と今回の違いは?  搬送困難事例は、医療機関の受け入れを少なくとも3回以上断られ、現場に滞在する時間が30分以上かかったケースをいう。同庁が県庁所在地など救急搬送者の多い全国52の消防本部を対象に調べると、昨年12月28日~1月3日の1週間で計2179件と、1カ月前(11月30日~12月6日)の1410件より55%増えた。2179件のうち、東京消防庁の管内は約半分の1014件で、1カ月前の631件より61%の増加。大阪市消防局では271件で42%、横浜市消防局では173件で106%それぞれ増えていた。  横浜市消防局によると、同市の173件のうち、発熱症状があったのは約6割で、中には14の病院から搬送の受け入れを断られた人がいた。川崎市消防局では、市内で搬送先が見当たらず、同市から救急車で約1時間かかる相模原市の病院に受け入れを要請したケースもあった。  年末年始の救急搬送困難事例が前年同時期と比べても45%増えていたことから、総務省消防庁では、新型コロナ患者の対応に追われ、病院が通常医療に手が回らなくなったことが主な理由と分析。「第3波」による感染者の急増に伴い、医療提供体制が逼迫(ひっぱく)したことの証左と言える。新型コロナと診断された場合、本来は保健所が受け入れ先の病院を調整するが、同庁などによると、自宅待機と判断された人が夜間に体調が悪化し、救急搬送されるケースもあったという。  在宅医療に取り組んでいる長尾クリニック(兵庫県尼崎市)の長尾和宏院長によると、1月初旬に抗原検査で新型コロナ陽性と診断され、自宅待機になった兵庫県内の60代男性は、夜に39度の熱と呼吸器症状が出た。男性の妻が保健所に電話すると、「救急車を呼んで入院できる病院を探してください」と言われたという。長尾氏は「感染者の急増で保健所が対応しきれず、救急にも影響が及んでいる。ベッドの空きがなくなってきたことで、胆のう炎など通常の入院調整も以前より時間がかかるようになった」と話した

 
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