再エネ保険7月に創設 政府、企業の海外進出促す

カテゴリー/ フリースペース |投稿者/ ビレンワークアップ
2019年06月23日

/20(木) 21:42配信

毎日新聞

 政府は風力や太陽光など再生可能エネルギーのインフラ輸出を後押しするため、海外の再エネ関連事業に特化した貿易保険を7月に創設する。事業に融資する金融機関の貸し倒れリスクを肩代わりすることで、日本企業の海外進出を促す。

 新たな貿易保険の名称は「環境イノベーション保険」。風力や太陽光、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギー▽スマートグリッド(次世代電力網)などの省エネルギー▽水素や燃料電池などの新技術――の3分野で、日本企業が出資や機器の輸出を行う海外事業を対象とする。

 これらの事業に融資する民間金融機関が、事業が頓挫するなどして回収ができなくなった場合、政府が全額出資する日本貿易保険(NEXI)が損失の97・5%を補償する。日本企業が海外企業に発電機などの関連機器を輸出する際、金融機関が輸出先の海外企業に貸し出す購入資金についても97・5%を補償する。

 これらの再エネ関連の事業者は電力会社などのエネルギー関連企業や商社が想定され、事業規模は数十億~数百億円が見込まれる。このうち8割程度を融資でまかなうケースが多いという。ただ、再エネは発電の安定性などを巡りリスクが高く、「特に海外案件の融資判断は慎重にならざるをえない」とする金融機関が多いため、日本企業の海外進出の壁になっていた。

 世界の再エネ市場は拡大が見込まれる一方、日本企業の再エネ分野の海外展開は出遅れが目立つ。経済産業省によると、日本のエネルギー企業の海外での発電割合は火力が90%を占め、風力と地熱、太陽光は計1%程度にとどまる。

 これまでも海外事業への融資に対し、90%を補償する仕組みがあったが、政府は新制度でほぼ全額を補償することで金融機関の融資を促し、日本企業による再エネ部門の海外事業展開を加速させる狙いだ。【松本尚也】

 ◇日本貿易保険

 日本企業が海外に輸出したり、融資したりする際、代金回収不能などのリスクを軽減する貿易保険を扱っている。略称はNEXI。1950年に始まった政府の貿易保険業務を引き継ぐ形で、2001年に政府全額出資の独立行政法人として発足した。戦争やテロ、自然災害、為替取引の禁止などの「非常危険」をカバーするものと、輸出先の破産や債務不履行などの「信用危険」を補償する保険などがある。製造業や商社、銀行などが主に利用。損害保険会社が扱う貿易保険のリスク軽減のための再保険も手がけている。海外の事故発生率や損害額の予測は難しく、毎年の支払額は変動が大きい。18年度の保険金支払額は約335億円と前年度より7割超増えた。

 
 
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