脱東芝の「レグザ」、国内トップシェア争いまでの復活劇
2022年01月18日
2006年に国内大手家電メーカー・東芝の薄型テレビブランドとして誕生した「REGZA(レグザ)」。11年の地上アナログ放送の停波によるテレビの買い替え期には、高画質や多機能を求めるマニア層から高い支持を集めた大人気ブランドだ。 7年ぶりとなったCES 2022での展示。映像プロセッサ・レグザエンジン「ZR α」は独立したディープニューラルネットワークを活用したAIエンジンを内蔵し、「立体感復元超解像」や「AIフェイストーン再現技術」「AIネット動画高画質アルゴリズム」などの高画質化を実現している しかし、15年に発覚した同社の不正会計疑惑のあおりを受け、テレビ事業を手掛ける東芝映像ソリューションは、18年に中国のハイセンスグループに売却された。 大手国内メーカーの事業が分割され、海外メーカーに買収されていくその姿は、台湾・鴻海科技集団によるシャープの買収と並んで、家電メーカーの落日の象徴として語られることもあった。 しかし、レグザブランドはハイセンス傘下となった後、販売網の混乱などで一時的にシェアが落ちたもの、結果的に大きく飛躍。トップシェアに届くところまで業績を回復しているのだ。 そして21年3月、社名を東芝映像ソリューションからTVS REGZAへ変更。名実ともにレグザの会社となった。 そして22年には、米ラスベガスで開催されたエレクトリックショー「CES 2022」で、7年ぶりとなる高画質映像処理エンジン「レグザエンジンZR α」も発表している。なお本エンジンの製品への搭載時期は22年中を予定している。 激動を乗り越えてきた薄型テレビブランド「レグザ」は、今どうなっているのか。レグザのこれまでとこれからについて、TVS REGZA 営業本部の笹川知之氏と本村裕史氏に話を聞いた。
薄型テレビブランドの立て直しで誕生した「レグザ」
薄型テレビブランド「レグザ」が誕生したのは06年、地上アナログ放送が停波する5年前のことだ。 それまで東芝は「FACE(フェイス)」ブランドのブラウン管テレビや薄型テレビ「ビューティフルフェイス」を手掛けていたが、パナソニックやソニー、シャープの後塵を拝し、国内シェアは1桁台にまで落ち込んでいたという。 ブラウン管から薄型テレビへ、そしてアナログ放送からデジタル放送への移行は、東芝のテレビ事業を立て直すチャンスでもあった。そこで上層部は、テレビの新ブランドを立ち上げる決定をした。 「トップダウンで『テレビの新ブランドを立ち上げろ』という指示がありました。私も新ブランドの立ち上げメンバーだったので、どういうブランドとして認知してもらうと良いかを考えました。 その時に考えたのが、10人に1人がすごいって言ってくれたらシェアは10%に上がるということです。5人に1人が言ってくればシェアは20%になります。元が1桁ですからそれでもすごい伸びだと考えました」(本村さん) では、どういうコンセプトなら10人に1人が「すごい」というテレビブランドになれるのか。その答えが映像技術の追求だった。それまでは予算の関係でできなかったこともレグザでは追求した。エンジニアには「本物を作ろう」と伝えた。 顧客イメージとして設定したのは、より良い画質を求める映像や放送の技術者、オーディオ&ビジュアル関連のメディア関係者だ。それらの映像のプロたちからの評価は、インフルエンサーとしての影響力もあると考えたという。 こうして06年9月に発売した「Z」シリーズは、本村さんがまさに狙っていた評論家やメディア関係者から高い支持を集めることに成功。“高画質のレグザ”というブランドの認知が広がっていった。 そして、レグザブランドをさらなる高みに導いたのが、09年に発表した、超高性能のCellプロセッサを搭載した「CELLレグザ」だ。 当時、まだほとんどなかった11チャンネルの地上デジタルチューナーと3テラバイトのハードディスクを内蔵し、1画面に多チャンネルを表示。さらに全チャンネルの同時録画もできた。また、いち早くフルLEDバックライトを搭載し、圧倒的な高画質と多機能を実現した。実売価格100万円という価格も話題を集めた。 「私は当時、販売会社にいましたが、テレビがレグザブランドに切り替わってからの勢いは、それ以前と比べ物になりませんでした。さらに100万円のCELLレグザを店頭に出すとお客様も感動してくれて、金額じゃないと言って買ってくれる方も多かったです。ブランディングは大成功でした」(笹川さん) そして00年代後半、東芝のレグザブランドの勢いは想定を超え、20%を超えるシェアを獲得。30%に迫る人気ブランドとなった。
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