人気ラーメン店が自慢の味をあえて「カップ麺」化して安く売る、意外な理由
2022年02月15日
スーパーやコンビニエンスストアに行くと、有名な人気ラーメン店が監修したカップ麺や冷凍食品を目にすることがよくある。お店の「自慢の味」が忠実に再現されていて、しかも安価で手軽に食べることができてしまう状態だ。これでは、わざわざお店まで行って「本物」を食べる必要がなくなってしまう。そのようなリスクを冒してまで、なぜラーメン店は商品化に踏み切るのか。その実態を探った。(講演・研修セミナー講師、マーケティング・コンサルタント 新山勝利) ● チルド麺から自動販売機まで 自慢の味を再現するラーメン店の戦略 有名な人気ラーメン店が監修(プロデュース、コラボ)したカップ麺が、コンビニなどで販売されている。今では、麺コーナーにもチルド(冷蔵)麺タイプが並べられている。 冷凍食品コーナーに足を運べば、さまざまな冷凍ラーメンが販売されていることがわかる。さらに、有名ラーメン店のスープだけが自動販売機で缶飲料のように売られているケースもある。 お店の自慢の味が、即席麺などで忠実に再現されていて、しかも安価で手軽に食べることができてしまう状態だ。 そのため、わざわざお店まで時間をかけて行き、時には長い行列に並んでまで「本物」を食べる必要がなくなってしまう。 そのようなリスクを冒してまで、なぜラーメン店は監修を行って商品化に踏み切るのだろうか。 ● 味が同じなら客が来なくなる? ラーメン店が自慢の味を「商品化」する理由 「味が同じなら、お客さんが来店しなくなる」 これは、カップ麺製作を持ちかけたメーカーが、まず初めにお店から言われることであろう。
それでもラーメン店が依頼を受けて監修するのは、プロモーションの結果、来店するお客が増えることが見込まれるからだ。 日本フランチャイズチェーン協会の調査によると、現在、コンビニエンスストアだけでも全国に5万店以上あり、毎月延べ10億人以上が来店している。 お店が1店しかなくても、全国津々浦々のコンビニやスーパー、または通販で、そのラーメン店の名前入りで販売してもらえるため、その宣伝効果は計り知れない。商品化によってネームバリューが高められるのだ。 そして、その味を気に入った人が、「本物」を食べに店に足を運んでくれることが期待できるというわけだ。 ● ラーメン店監修のPBが続出 有名店の名前が「お墨付き」に 1971年(昭和46年)、世界初のカップ麺となる「カップヌードル」が日清食品より発売された。そこから50年以上がたち、今では日本人の食生活に欠かせない国民食となったのがラーメンだ。 コンビニやスーパーでは、カップ麺のコーナーにいつでも多くの商品が並べられている。 現在では、カップヌードルをはじめとした定番のカップ麺同様に、人気ラーメン店が監修したカップ麺が常時陳列され、PB(プライベート・ブランド)化されているのもある。 実は、販売するほうにもメリットがある。心理学でいうところの「ハロー効果」を狙ったものだ。名高い有名店が監修しているので、「このカップ麺はおいしいに違いない」と、食べる前から評価してもらえるのだ。 いわば、人気ラーメン店の名前は、味を保証する「お墨付き」になるのだ。
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