地域の旅館やスーパーも地元での知名度基に資金借りやすく…「無形資産も担保」新法制定へ
2022年06月09日
政府は、土地や工場といった不動産だけでなく、独自の技術や取引データなど無形資産も含めた事業全体を担保として、企業が銀行から借り入れできるように、新法の制定を目指す方針を固めた。不動産を持たない中小企業や新興IT企業でも資金を調達しやすくすることで、コロナ禍後を見据えた事業拡大を後押しし、経済成長につなげたい考えだ。
今秋にも金融庁や法務省が中心となって有識者会議で新法の詳細について議論を始め、政府は来年の国会への法案提出を目指す。政府は7日に閣議決定した「新しい資本主義の実行計画」に「関連法案を早期に国会に提出する」と明記した。
現行の民法では、土地や建物、設備といった不動産を担保として位置付けているが、特許や顧客基盤、ブランドなどの無形資産は明記されていない。新法は民法の特別法とする見通しで、無形資産と有形資産を組み合わせた事業資産全体を「事業成長担保」と位置付ける。銀行や信用組合など金融機関が事業成長担保をもとに企業に融資する際のルールを明確化する。
技術やデータも担保にできれば、不動産を持たない企業はより多くの借り入れができるようになる。デジタル化の進展でデータが経済的な価値を持つようになった一方、技術やデータは切り分けて売却することが難しいため、政府はこうした無形資産も含めて事業全体を担保にできるようにする。
具体的には、金融とITが融合したフィンテック系や創薬系の新興企業が創業以降、赤字が続いていても、独自技術や研究成果を基に銀行から融資を受けやすくなることが想定される。コロナ禍で経営が悪化した地域密着型の旅館やスーパーが、地元での知名度や取引先との信頼関係などを基に事業転換資金を借りやすくなると期待される。
金融機関はバブル崩壊後、不良債権処理に苦しんだ経験から、中小企業や新興企業に融資する際には不動産担保などを条件とすることが多い。金融庁の2017年の調査では、中小企業の約4割が「不動産などがないと融資を受けられない」と回答しており、融資を受けやすい環境整備が課題となっていた。
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