「助けに来なくていい」夫を思いやる言葉を残し…命を落とす 台風19号で妻を失った男性が伝えたいこと

カテゴリー/ フリースペース |投稿者/ ビレンワークアップ
2019年12月17日

台風19号の大雨で乗っていた車が流されて亡くなった、宮城県大和町の石川ゆきみさんです。助けに駆けつけた夫を思いやる言葉を残し…命を落としました。夫の喜巳穂さんが、同じことを繰り返さないためにと、悲痛な胸の内を明かしてくれました。

石川喜巳穂さん(66)
「頭こっち、腹を向けて最終的にここで見つかった車が」

大和町鶴巣に住む石川喜巳穂さん(66)。
石川さんは台風19号の大雨で、妻・ゆきみさん(当時58)を亡くしました。

石川喜巳穂さん(66)
「妻は辛抱強いし、自分の考えはしっかりと持っている。自分がこうだと思ったことははっきりと言うタイプでした」

台風が上陸したあの日、妻のゆきみさんは大雨が降る中、富谷市での仕事を終え、車で大和町の自宅に帰る途中でした。
午後11時20分ごろ、石川さんにゆきみさんの携帯から1本の電話が…。

石川喜巳穂さん(66)
「最初の一声が『お父さん助けて』という電話から『なんだどうした』と話を聞きながら、そしたら『水が被って車のエンジンが止まった。今、浮き始めて流されている』と」

ゆきみさんのSOSに石川さんは、すぐに利府町の勤務先から助けを求める妻の元へと急いで車を走らせました。しかし…。

石川喜巳穂さん(66)
「ここは全部、あのときは冠水してた」

ゆきみさんのいる所まであと1キロという場所で、石川さんの車も濁流にはまり身動きが取れなくなりました。

石川喜巳穂さん(66)
「『もう危ないから来なくていい、助けに来なくていいから』と言われた」

そして、最初の電話から3時間が経った午前2時20分ごろ、もう一度、ゆきみさんに電話しました。

石川喜巳穂さん(66)
「そしたら『父さん、電池なくなるから切るよ』と携帯の電池がないから切るという答え方ですぐに切られたんですね。それが最後のやりとり」

そして翌日の夕方。自宅から車で10分ほどの小西川の中に転落した車の中から、ゆきみさんは、遺体で見つかりました。

石川喜巳穂さん(66)
「だってもう、亡くなってる思い出しかないんだもの。ここに来ても、涙が出てきて終わりですよ」

石川さんは、「危険を感じるような大雨の場合は、家から出ないという判断」も重要だと話します。

石川喜巳穂さん(66)
「夜、雨がすごかったらどうなるのか?イメージがわいていないのが一番の認識不足。台風がすごいときには『外に出ない』。皆さんにも話していきたい」

「同じ悲しみを繰り返してほしくない」。

石川さんは自分の体験を話すことで、犠牲者が減ることを強く願っています。

 
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