サンマ漁、10月以降少し上向く? 不漁と小型化が深刻な秋の主役

カテゴリー/ フリースペース |投稿者/ ビレンワークアップ
2022年10月05日

不漁が続くサンマの小型化が深刻だ。かつては丸々と太った大型が大量に取れたが、東京・豊洲市場(江東区)では、数年前までほとんど入荷がなかった細い魚体が目立つ。価格も高騰しており、庶民の味として親しまれた大ぶりで手頃なサンマの再来を願う声は多い。(時事通信水産部 岡畠俊典) 【写真】2021年に取れた約160グラムの冷凍サンマと、22年水揚げされた約110グラムの生サンマ  豊漁だった十数年前は、北海道などで水揚げされた大型のサンマが、漁序盤の8月から旧築地市場(中央区)へ大量に入荷していた。大きなイワシの約2倍に当たる1匹約200グラムのサンマが多かったほか、250グラムを超える特大もあった。  魚体の小型化が著しい今年は、豊洲市場への入荷は1匹100~110グラムが中心。かつての豊漁時に比べて重さはほぼ半分だ。「以前なら出荷されず、冷凍されて缶詰用などに使われていたサイズ」(豊洲の卸会社)という。200グラム以上は皆無で、「大型が幻になりつつある」と同市場の卸会社担当者は嘆く。 ◆仕入れ控えたスーパーも  水揚げは今年も少なく、サイズが大きいほど品薄で価格が跳ね上がっている。豊洲市場の9月下旬の卸値は、中心の約110グラムが1キロ当たり900円前後と小型の割に高値だが、希少で最も大きい約170グラムは同5000円前後。2011年の同時期に中心だった約170グラムの卸値に比べ、10倍以上に高騰している。  秋になると需要が高まるサンマだが、数週間前までは「小さ過ぎて消費者に敬遠されるのでは」(小売店関係者)との懸念もあり、スーパーなどが仕入れを控える動きもあったという。魚体がやや大きくなった9月後半に入り、都内では生サンマを店頭に1匹200円前後で並べるスーパーも増えてきた。 ◆北海道などで水揚げ少し上向く  サンマは例年、春から夏にオキアミなど餌となるプランクトンを食べながら太平洋を北上し、秋に南下する。小型化について、漁業情報サービスセンター(東京)の渡邉一功・水産情報部長は、海流の変化などで「餌が少ない沖合を北上しているとみられ、かつてのように大きくならないのでは」とみる。餌が豊富な日本近海にイワシが増え、サンマが近寄れないことや、産卵場が日本の沿岸から離れた沖合に移っていることなども考えられるという。  近年、サンマは資源量の減少に加え、漁場が遠い公海に形成され、南下する時期や成長も遅れる傾向にある。今年も低調な漁が続いているが、9月下旬に主産地の北海道などで水揚げが少し上向き、わずかながら回復する兆しも見えてきた。魚体はこれから急に大きく成長することはなさそうだが、「10月以降、今よりも若干太ったサンマが出回るようになるのではないか」(渡邉水産情報部長)と予測している。 ◆小さくてもおいしく味わって  秋の主役だったサンマは、記録的な不漁や小型化で存在感が次第に薄れつつあり、家庭で食べる機会も減ったが、シーズンを迎えると一定の根強い人気があることに変わりはない。豊洲市場関係者は「小ぶりだが、旬のサンマを塩焼きなどでおいしく味わってほしい」と消費をPRするとともに、将来的に再び大型がたくさん取れることを願っている。

 
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