<東日本大震災>震災被災者の医療費免除、21年末に終了へ 来年4月以降は低所得者限定 岩手

カテゴリー/ フリースペース |投稿者/ ビレンワークアップ
2020年11月17日

12月末で期限が切れる東日本大震災の被災者を対象にした医療費負担免除について、岩手県の達増拓也知事は16日の定例記者会見で、2021年3月までは現行制度のまま延長し、同4~12月は対象者を住民税非課税の低所得者世帯に限定すると発表した。県は、制度を21年12月末に終了する方向で検討する。【安藤いく子】  県によると、震災から10年の節目となる21年3月には仮設住宅の入居者はほとんどいなくなる。達増知事は「復興の新たなフェーズに入っている人たちが多くいる」と理由を説明した。  免除制度は、住宅が全半壊するなどした、国民健康保険や後期高齢者医療制度の加入者らを対象としてきた。11年から国が全額支援する形で始まり、12年10月からは県や市町村も負担して制度を継続してきた。国が8割、県と市町村がそれぞれ1割を負担し、利用者の窓口負担は無料だ。  沿岸市町村から財政逼迫(ひっぱく)などを理由に制度の年内終了を求める声が上がっていた。低所得者世帯に限定することで、対象者は現行の半数近くに絞り込まれる。県によると、沿岸市町村は県の方針に同意する見込みだ。  ◇被災地、喜びや理解の声  来年1年間の免除延長が決まったことについて、被災地の人たちからはさまざまな声が聞かれた。  陸前高田市の市民有志は、市に継続を求める1113人の署名を提出していた。陸前高田市米崎町の金野ミエ子さん(73)は署名活動に参加した一人だ。4年前に自宅を高台に再建し、市外の病院まで通院が必要な持病がある。「これまで定期的に通院できたのは、医療費が無料だったから。心苦しい気持ちもあるが、よく決断してくれた」と喜ぶ。  大槌町では今春、仮設住宅が解消した。平野公三町長は「被災者の生活再建に区切りがついた」と、対象世帯や期間が限定されたことに理解を示す。同町の男性(72)は「年金暮らしで医療費負担がゼロであるのに越したことはないが、県や町の財政事情や将来世代の負担を考えると、制度をやめる時期」と負担を覚悟していた。

 
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