400年ごろ南海トラフ地震か 静岡大と高校生、痕跡を発見 対策検討に重要な資料
2019年08月24日
400年ごろに和歌山県南方沖から静岡県南方沖を震源域とする大地震が発生した可能性を示す痕跡を、静岡県立磐田南高校の生徒が参加した静岡大学の研究グループが発見した。同グループの北村晃寿・同大教授(地球科学)は「南海トラフ地震が従来の想定よりも長い周期で発生している可能性がある。大地震と津波の対策を検討するうえで重要な資料になる」としている。
研究グループによると、静岡市清水区の海長寺で採取した土壌から出た葉の化石や堆積(たいせき)物などを分析したところ、400年ごろに周辺地域が隆起したことを示していた。和歌山県南方の南海トラフ東部でも400年代に大地震があったことを示す先行研究があることから、南海トラフ東部から駿河トラフを震源域とした大地震が発生した可能性が高いと判断したという。
南海トラフ地震は約90〜270年周期で発生するとみられてきたが、今回の痕跡が示す400年ごろと、これまでに確認されている正平地震(1361年)の間には、1000年近い開きがある。北村教授は、この間に別の地震がなかったかを調べる必要があるとしつつ、「周期が従来の想定よりも長い可能性がある。どの地震に優先的に対策をとるかを考える材料になる」と話した。
研究には、磐田南高校の地学部の生徒3人が参加。鈴木大介さん(3年)は、採取した土壌のX線写真を撮るなどした。「将来の夢は研究者。論理的に仮説を立て、緻密な分析をする今回の研究は、勉強になった」と話した。【池田由莉矢】
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経済界、不買エスカレート懸念=「事態を憂慮」-日韓軍事情報協定破棄
2019年08月23日
韓国による日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄の決定は、経済界でも驚きを持って受け止められた。経済団体の幹部は「外交、安全保障について語るべき立場にない」と前置きしながらも、「(安保分野への対立発展は)深刻な事態で憂慮している」と指摘。企業からは不買運動のエスカレートを懸念する声が上がった。
徴用工問題や日本の対韓輸出管理措置による両国関係の悪化は、韓国での日本製品の不買運動や、訪日観光客の減少などで経済面への影響が顕在化しつつある。韓国市場で日本車の販売減の兆候が出始めた自動車メーカーからは、安保分野への問題波及について「今後の消費者への影響が焦点だが、まだ見えない」「不買運動への波及を引き続き注視していく」と事態の行方を不安視する指摘が相次いだ。
機械大手も「自社製品への影響とは次元が違う話。日韓政府間で解決してほしいとしか言いようがない」と困惑する。
日韓の経済界は両国の財界人が集う日韓経済人会議を9月下旬に開催。11月には経団連と韓国の財界団体、全国経済人連合会(全経連)との定期協議も開き、経済交流を続ける予定だ。しかし、安保分野への波及は日韓の対立が歯止めの利かない新たな局面に突入しかねないとの警戒感を一段と高めている。
セブン大阪時短店が日曜定休通告 本部は慰留、導入すれば異例
2019年08月23日
自主的に24時間営業を短縮したセブン―イレブン東大阪南上小阪店(大阪府東大阪市)のオーナー、松本実敏さん(57)が9月から日曜日を定休日にするとセブン―イレブン・ジャパン本部に通告したことが22日、分かった。人手不足を理由としている。本部側は慰留した。セブン加盟店は年中無休が前提で、定休日を導入すれば異例となる。
松本さんによると通告は22日。本部側は契約違反だと指摘し、人員を派遣すると提案した。松本さんは、派遣にかかる金銭的負担を理由に断った。
共同通信の取材に「バイトも集まらず、定休日を設けないと店が回らない。自分が先行事例となりたい」と話した。
クールジャパン機構、この1年で何が変わった?
2019年08月23日
官民ファンドの1つである、クールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)が厳しい批判にさらされている。
2013年に設立された同機構は、中国での大規模商業施設事業や日本のアニメやドラマの海外放送事業など、これまでに合計38件の投資を行い、うち3件をすでに売却した。2019年3月末現在で179億円の累積損失を抱え、財務省の財政制度等審議会が今年6月にまとめたリポートでは、「投資実績の低調等により、累積損失が生じている状況にある」と指摘された。
だが、昨年6月に就任したソニー・ミュージックエンタテインメント出身の北川直樹社長CEOと、投資ファンドのペルミラ・アドバイザーズ出身でCOO兼CIOを務める加藤有治氏によって、投資手法や投資先の選定、投資後の企業価値向上の方法が変化していることも事実だ。
クールジャパン政策を推し進めていくうえで、クールジャパン機構の果たす役割は何か。また、官民ファンドとしての運営上の課題は何か。2人に聞いた。
■「5つの投資方針」をはっきりさせた
――社長、COOにそれぞれ就任されて1年が経過しました。「旧体制」と何がいちばん違うのでしょうか。
北川:日本の魅力を世界に届けるための「5つの投資方針」をはっきりと決めて、スタートさせた。ただ、1つ言えるのは、(前会長の)飯島(一暢)さんや(前社長の)太田(伸之)さんらは、何もないところから相当苦労して5年間、案件をやってきた。その大変さの中にヒントはいっぱいある。僕らなりに、事業の精選のされ方など、反省も含めて現在に生かしている。
――新体制下でこれまで9件の投資を決定しました。その中に2人が理想とする投資案件はあったのでしょうか。
北川:カテゴリーは似ているかもしれないが、9件すべてタイプが違う。インバウンドがこれだけ取り上げられるようになったように、来年、再来年とやっていくうちに「クールジャパン」のあり方やポジションも変わっていくだろう。そういう状況の変化にどう対応していくかが重要だ。
――9件の中身をみると、吉本興業とNTTと組んで出資した国産プラットフォーム事業「ラフアンドピースマザー」と慶応義塾大発ベンチャーの「スパイバー」を除き、ビジネス基盤の固まった、キャッシュフローの出ている企業への、手堅い投資が目立つ印象です。
加藤:政策性という観点からいうと、従来とまったく同じものを追求しているが、(新体制では)より事業基盤が確立したものに投資している。しかも、海外で基盤が確立しているものという点を重視している。
9件の内訳は、グリーンフィールドが1件、グロースが6件、マジョリティー出資案件が2件。投資手法の多様化も図るし、分野もバランスをとっていく。グリーンフィールドはこういう政策をやりたいということに対して、テーラーメイドで作れるという利点はあるが、立ち上げのリスクがある。ただ、よいバランスの投資ができているのかな、と思う。
――今年4月に示された投資計画によると、今後10年間で毎年181億円ずつ、合計1800億円超の投資を計画しています。相当な投資件数と金額になると思いますが、今の機構の人材で十分なのでしょうか。また、投資対象は十分存在しますか。
北川:これから直面するのはそこだと思う。この11月で7期目となるが、このチームとなって投資件数は結構増えた。このペースでいくと、以前は想定していなかったことを想定し始めないといけない。
エグジットはこれから増えてくる。大きく人を増やすものでもなく、2人増えるだけでも助かる、という世界。加藤COOを中心に、チームを新たに編成し直すなど対応をしている。
加藤:ご指摘の通り、もしこのペースで投資を続けるなら、人員は増やさざるをえないかもしれない。一方、ファンドのサイズを上げることで投資効率を上げる方法もある。
ただ、政策性の観点からいうと、大きければいいというものでない。サイズ、政策性、収益性のバランスをうまくとりながら、効率よくチームを編成し、手厚くやるべきところは手厚く、案件サイズも工夫していく。
投資先も、簡単に見つかるということではないが、われわれのスタッフが正しい戦略に基づいて正しい努力をすれば、十分なパイプラインは積み上がる。投資対象に挙げている4分野の裾野は広く、投資対象はたくさんあるが、いい投資対象がたくさんあるかというと、そうでもない。
■エグジットには2年以上、長い期間がかかる
――エグジット(投資案件の売却)に至った案件は今のところ3件で、共同投資先への売却や投資先による買い戻しが中心です。今後エグジットが本格化すると思われますが、IPOなど具体的なイメージがあるのでしょうか。
加藤:一般論でいうと、ファンドなので(IPOなどのエグジットを)当然積極的に検討する。検討を進めるにあたって、まず政策的な目的を一定程度達成できているか。それが第一義なので、満足する結果を生んでいるのなら、次のオーナーへ引き渡していく。
とはいえ、現実には投資して2年間やって、すぐエグジットするかというと、2年では満足いく政策目的を達成できないケースがほとんどだと思う。技術的にはそれよりも長い期間でエグジットしていくことになる。
――例えば、今年6月から7月にかけて、日本酒関連の投資が2件ありました。これらのビジネスがどういう状態になると、おっしゃるような「政策目的」が達成されたことになるのでしょうか。
加藤:案件ごとに政策KPI(重要業績評価指標)が決まっており、目標の70%を達成すると、一定程度達成できているということになる。そのハードルを越えてきたところでIPOなり、戦略的な買い手にバトンタッチしていくことになる。
――KPIの詳細は未公表のようですが、そのKPIの達成度は、最初の目標をいくらに設定するか次第で達成度が左右されるのではないですか。最初の目標の設定は適切なのでしょうか。
北川:正直に申し上げて(目標は)結構高い。僕らは高めの目標を先方(投資先)にプレゼンし、先方がこれくらいでどうですか、というケースが多い。新しいマーケットをお互いに開拓しようとしているので、多い少ないという議論はあると思う。先方の事情もあり、マーケットをまったく無視してやるわけにはいかない。
――例えば、日本酒の高い政策目標はどこから出てくるものですか。
北川:彼らが扱っているのはワインやシャンパンで、向こう(中国やアメリカ)のマーケットで日本酒の需要があるかが1つの目安になる。
加藤:付け加えると、量だけではなく質も大事。われわれの発想として、なるべくたくさん輸出してビジネスにしたいという話をするが、現場でやっている人たちの意見でいくと、いきなり何でもいいからたくさん売れ、というのは得なのか、となる。
今回の日本酒の案件では、日本のお酒というもののストーリーをきちんと語ってブランドを作ろうと。日本ブランドはいいものだ。クオリティーの背景にストーリーがあって、これなら高い金を払って買ってもいいよね、というのにふさわしいものを売ろうと。質、量両面を考えながらKPIを設定している。
■政策性と収益性の両立は簡単ではない
――日本酒の輸出を伸ばしたり、日本酒のブランドをつくっていくという目的を達成する手段としては、補助金を出すなり、マーケティングするなどの方法もあると思います。機構のように企業に出資するやり方は、目的達成の手段として適切なのでしょうか。
北川:機構は今(2013年の設立から)6年目で、これは1つのトライアルだと思う。当然、補助金というやり方もある。効果的だと思うし、今いろんなやり方の中で、どれがいちばんいいのか。われわれがまさに証明していくことだと思っている。
正直言って、政策性と収益性、この2つをやっていくのはそんなに簡単なことではない。それは重々認識している。財政投融資の観点からは、政策性も収益性もちゃんとやってくれと。さらに、計画を立てて、投資を現実にやっていくことがすごく重要だ。
加藤:われわれとしては、バリュークリエーションチームを作り、企業投資の世界で確立されたバリュークリエーション手法をしっかり導入している。投資先の30数社全部に担当を貼り付けるわけにいかないが、例えば、マジョリティー(株式の過半数)をとっている先や(ビジネスをゼロから立ち上げる)グリーンフィールド案件、案件サイズの大きい先など、ハンズオンが必要な先にチームをきちんとつけている。
われわれは産業投資のお金を使って株主になっている。投資自体で価値は生まれないので、産業投資のお金にしっかり働いてもらうために、継続的に投資先の会社と協力し合い、株主としての役割をしっかり果たしていく。
――政策性と収益性の「二兎」を追うのは結構しんどいと思います。いっそのこと、目標をどちらか1つに絞ってはどうでしょうか。
北川:当事者として(二兎を追うことに)僕は違和感がない。会社というのはいつも2つを追っている。人を減らして売り上げを倍にしろとか。僕もそうやってきたので、目標が1つだけだなんてとんでもない。
――機構に課せられた収益性といっても、民間ファンドのように20%とか30%とかのリターンを求められているわけではない。投資元本が返ってくればいい、という建て付けです。
加藤:難易度は高いと思う。民間は、利益に向かって全力疾走でいい。しかし、クールジャパン機構は目標が2つある。全力疾走でなく、バランスでやるというところが難しい。振り切っていいならバンと押せばいいが、てんびんにかけてやらないと。
チームとよく話しているのは、政策目的と収益がトレードオフでなくなる瞬間もたまにある、ということだ。例えば、中国の日本酒案件は、KPI設定がすごく簡単にいった。
経営陣は次の成長の柱は日本酒だと言った。しかも日本酒は彼らのインフラにそのまま乗っかる。ストーリーも歴史もあって、ワインと同じようなカテゴリーで成長の柱にできる。こういうケースを見つけると、仕事のやりがいをすごく感じる。
■吉本案件に変更はない
――既存の投資先の進捗状況を聞かせてください。最大110億円を投じる中国・寧波のジャパンモールの開業時期は、延期されて今年秋になる予定です。
北川:ブランド戦略がきちんとできて、成功させたいという阪急さんの思いがあるので、そのへんが見えるまで(開業時期が)なかなか決まってこなかったという事情があると思う。僕らは(相応の出資金)額を出しているが、中国のパートナーやテナントの問題はどうしてもH2Oリテイリングにある程度頼らざるをえない。
――沖縄の吉本興業との共同投資案件に世間の批判が集まっています。
北川:(社外取締役でつくり、投資案件を審議する)海外需要開拓委員会の議論も通過してきている案件だ。政策性と収益性をみて、反社かどうかも当然チェックしてスタートしている。
(吉本案件は)何度も聞かれるが、かなり厳しいチェックを(ほかの案件と)同じようにやっている。「(吉本案件を)どうするんですか」と聞かれても、別に何か決定自体が誤っていたわけではないし、「(投資方針の変更などは)ないですよ」と申し上げている。
――投資ファンドのビジネスモデル上、費用が先行する「Jカーブ」を描くのは理解できます。問題は、クールジャパン機構の存続期間である2033年までに本当にカーブが持ち上がっていくのか。相当未来の話なので、よくわからない。
北川:累損を単純に見ている人もいるので、そうではないんだと。懸念をもたれているポイントは違いますよ、というのをぜひご理解いただきたい。
加藤:いま(投資先の)ポートフォリオが30社を超えてきており、バリュークリエーションや投資先との連携の努力をきっちりやっていく。そして、これまで通りにパイプラインをしっかり積み上げ、政策的にも、経済的にもいいエントリーをする。
もう1つ、やはりミッションを忘れないということが重要だ。われわれのミッションは海外事業開拓支援。そのミッションのために適切な投資とは何なのか。それをつねに問い続けていく。
待望のサンマ でも1匹350円
2019年08月23日
UHB 北海道文化放送
8月10日の解禁以降、水揚げが全くなく不漁だった、太平洋のサンマ棒受け網漁で22日朝、北海道の根室市に今季初めてサンマが水揚げされました。
根室市の花咲港には22日朝、北太平洋の公海で漁をした5隻の中型サンマ漁船が戻り、約14トンのサンマを水揚げしました。
今季の太平洋のサンマ漁は、解禁以降、水揚げが全くない、かつてない不漁が続いていて、22日が初水揚げとなりました。
競りでは1キロ当たりの価格が2000円を超え、2018年の2倍以上の高値となりました。
買い物客「(値段が)高い、高い!手が出せない!」
根室市内の鮮魚店では1匹350円と例年の2倍近い価格で販売されていて、今後の豊漁が期待されます。
UHB 北海道文化放送
沖縄で蔓延する「ブラックバイト」 国際通りのかき氷やで酷い事例も
2019年08月23日
(写真:アフロ)
学生であることを尊重しないアルバイト=「ブラックバイト」。大内裕和中京大学教授が提唱したこの言葉については、筆者も普及に一役買い、今や多くの人が知るところだろう。
特に、このブラックバイトの広がりが懸念されているのが沖縄県だ。同県では、飲食・観光業が盛んだが、それを支えているのが大学生のアルバイトだからである。
また、沖縄県では本土よりも「ブラックバイト」に対する認知が進んでおらず、しかも、「規制が揺い」という実態も、問題に拍車をかけている。
例えば、本土では商店街でのキャッチを禁止する動きが進んでいるが、沖縄の観光地では実質的に無規制のままだ。
キャッチセールスでは、学生アルバイトが「個人事業主」扱いにされ、完全歩合制となっているなど、労働法違反広がっている。
そして、このような違法労働を強いる企業の少なくない割合が、「本土から進出した企業」なのである。彼らは沖縄の地域経済の発展に貢献するのではなく、地元の学生を都合よく搾取している。
今回は、筆者も関わり、ユニオンを通じて解決に至った、本土から沖縄に進出した企業によるブラックバイトの事例を紹介したい。
そもそも「ブラックバイト」とは
そもそも「ブラックバイト」とは、「学生であることを尊重しないアルバイト」のことである。近年、学生に対するアルバイトの拘束力が強まる中で、ゼミ合宿の予定が学生同士でどうしても合わなかったり、講義やゼミをアルバイトで休む学生が増えている。
特に、コンビニエンスストアや居酒屋チェーン店などでは人手不足が慢性化しており、学生が深夜営業の「中心的戦力」とされており、試験や就職活動の日程と重なっても休むことができないという事態も起きている。
実際に、「ブラック企業対策プロジェクト」が2014年に、全国の大学生4702人を対象に実施した調査では、学生が働く業種は下記の通りだった。
- 「(居酒屋・ファストフード店・チェーンのコーヒー店を除く)その他のチェーンの飲食店」(29.3%)
- 「居酒屋」(18.7%)
- 「学習塾・家庭教師」(15.6%)
- 「その他小売(パン屋、弁当屋など)」(15.5%)
- 「コンビニ」(15.0%)
- 「スーパー」(10.8%)
このように、学生は主に「外食業」「小売業」「学習塾」で働いている。
また、同調査によれば、約3割(29.0%)の学生が週あたり20時間以上就労している。そして、アルバイトのために試験や課題の準備時間が取れなかったことがある学生は、全体では約4割(39.9%)に上る。
アルバイトのために授業を「たびたび欠席する」もしくは「ときどき欠席する」学生は1割弱(8.3%)、勤務時間帯が「24時を超えて5時まで勤務あり」の場合、2割(20.4%)に達する。
こうした結果からは、学生が長時間労働により学生生活を圧迫され、しかも、深夜営業に充当されることでその問題が拡大していることが見て取れる。
沖縄の労働問題に関するデータ
次に、沖縄の労働問題に関連するデータを見ていこう。
(1)第三次産業への偏重
沖縄が全国のなかで特殊なのは、観光業を中心とする第三次産業に産業構造(主としてサービス業)が偏重しているということだ。
産業3部門の就業者数は、日本全体で第一次産業3.8%、第二次産業23.6%、第三次産業67.2%であるのに対し、沖縄ではそれぞれ4.5%、13.8%、73.5%となっている(「平成27年国勢調査」)。
先ほど述べたように、学生アルバイトはこれらのサービス業に多く、その分野でブラックバイトが問題となってきたのである。
沖縄労働局が2016年に県内の大学生等2667人に対して行った調査によれば、沖縄の学生のアルバイトが多い業種は下記のとおりである。
- (コンビニ、スーパーを除く)その他の販売店 27.0%
- 学習塾 15.4%
- スーパーマーケット 15.0%
- 居酒屋 13.6%
まさに、「ブラックバイト」が多い業界に学生アルバイトが集中していることがわかる。
(2)サービス業で違法労働の割合が高い
沖縄で特に「ブラックバイト」が深刻であると思われるのは、サービス業が多いことに加え、同業界での「違法労働」が本土よりも多いからだ。
沖縄労働局の平成30年7月30日付プレスリリースによれば、労働基準監督署が定期監督を実施した事業場での労働基準関連法令の違反率が82.5%と全国(68.3%)と比較して際立って高い。
また、業種別違反率においては、接客業で最も高く90.4%。違反事項は労働時間が最多で21.0%、割増賃金が17.7%と続く。
これらの労働法違反の主な原因としては、本土以上の人手不足があると思われる。人手不足により少数の労働者へ負担がしわ寄せされ、時間外労働が増えているのだろう。
さらにそこに、本土以上に劣悪な環境を強いる業者の慣行や経営者の差別意識があわさって、さらなる被害を引き起こしているものと考えられる。そのような事情が推察できるのが、次のケースである。
本土の会社員が副業として開いたかき氷屋
冒頭で述べたように、沖縄県では本土では規制が強まっているキャッチセールスが無規制など、学生の扱われ方に対し、劣悪な事例が問題化している。
当事者のAさんは沖縄の大学に通う3年生。学費の足しにしたいと思い、アルバイトを探していた。そこでネット上の求人で見つけたのが、新規開店する那覇中心部「平和通り」のかき氷屋だった。
このかき氷屋が魅力的だったのは、沖縄の最低賃金が762円なのに対し、時給1100円と比較的高い時給を謳っていたからだ。普通、大学生が従事するサービス業のアルバイトは最低賃金ギリギリであることは少なくない。
こうしてAさんは求人に応募し、オープニングスタッフとして採用された。
このかき氷屋を経営するのは株式会社で、社長Bは本土の映像制作会社で働いているという。彼は「副業」として、沖縄でかき氷屋を営もうというわけだ。
この社長Bは普段現場に来ることはないため、Aさんと他の店員は社長Bと電話で連絡を取りながら、店の運営を行なっていた。このかき氷屋にはイートインスペースがなく、他店に劣り、かき氷の売れ行きはあまり良くなかった。時給が高かったこともあり、店員の中では給料が支払われないのではないかという不安が広がっていたという。
Aさんも同様に不安に感じ、1ヶ月でこの店に見切りをつけ、退職した。その際、社長に連絡を取り、退職の同意を得たが、特にトラブルになることもなかったという。
一切の賃金を支払わず、暴言を吐く
しかし、Aさんが退職した後、一切の賃金が支払われないという状態に陥った。
退職前の不安が的中してしまった格好だ。高い時給を設定し、賃金をそもそも払わないというやり口からは、本土から「副業」としてビジネスを展開し、失敗したら責任を取らずに撤退しようという「計画」が合ったのではないかとさえ疑われる。
ここで、Aさんは諦めなかった。
まず、店のシャッターの下に未払い賃金の請求書を挟んだ。しかし、これには特に反応がなかったため、シャッターそのものによく見えるように貼り付けてみた。そうしたところ、商店街の他の店の人が気づき、店員経由で社長Bに伝わった。
元店員の未払い賃金請求に気づいた社長は、Aさんに対して誹謗中傷のメッセージを立て続けに送ってきた。特にひどいのは、「クソ田舎もんが調子に乗るな」というものである。さらに、Aさんの電話には、早朝から非通知で62件もの着信が入っていた。
これらの行為は経営者としてあるまじきものだ。「クソ田舎もんが調子に乗るな」という暴言には、沖縄の人々に対する蔑視感が滲み出ている。また、非通知の着信を62件も入れてくるなどは、社長Bによるものか確認できないとはいえ、彼による行為であれば、もはや常軌を逸している。
こうした誹謗中傷や嫌がらせを受けながらも、Aさんは労基署にも相談に行った。しかし、労基署は調査を行うのみで、未払い賃金を支払わせることはできなかった。
結局、未払い賃金が支払われなかったことでAさんは学費の支払いに困り、別のアルバイトを行うことで補填するしかなかったのだった。
ユニオンに加入して未払い賃金を取り返す
そうした中で、私が沖縄の大学の授業でゲストとして招かれた際、ちょうど授業に出席していたAさんに相談され、Aさんをブラックバイトユニオンに紹介することができた。労働法を担当する教員も、「いつも暗い顔をしている」とかねてから心配していたという。
即座にAさんとユニオンの学生スタッフで行動を開始した。店に行って賃金支払いの申し入れを行おうとしたが、店は閉まっていた。近所の人に聞くと、経営難のためか、一週間に1日程度しか開店していなかった。
そのため、会社に賃金請求を直接送るしかないということで、会社の登記などを調べ、請求書を郵送で送付した。
その数日後、社長Bから未払い賃金を支払うとの回答があり、実際にAさんの口座に振り込まれたのだった。
ただ、社長BはAさんに対して、勝手に辞めたことによる損害、制服代のレンタル代、シャッターの器物損壊の損害などを名目にした、根拠のない損害賠償請求書を送ってきた。これもブラックバイトを辞める時に脅すための典型的な手口である。
尚、このような損害賠償は成立しないため、請求が来ても基本的に無視すれば良い。
いずれにせよ、今回のケースは学生たち自身の労働組合(ユニオン)の力によって、未払い賃金が勝ち取られた事例となった。
労働組合法上、会社は労働組合の交渉を拒否することはできず、誠実に対応する義務が発生する。それは学生アルバイトのユニオンであっても、まったく変わるところがない。
今回の経営者のように、当事者に不誠実な態度を見せていたとしても、労働組合の要求に対しては対応しなければならないのである。
おわりに:相談窓口の充実の必要
今回の事件では、本人が諦めなかったことでユニオンにつながることができ、未払い賃金を勝ち取った。
かき氷屋の経営者は、沖縄の人たちを自分の都合のいいように使って金儲けをしたかったのかもしれないが、そのような人権無視、地元社会無視の経営は許されてはならない。今回のような闘いは沖縄の産業をまっとうなものにしていく一歩だと言える。
そのためにも、一人ひとりの権利行使が重要である。ブラックバイトで未払い賃金などの労働問題に苦しむ学生は、諦めずにユニオンにぜひ相談してほしい。また、相談対応を担うボランティアや労働組合の結成など、地域の「自主的な取り組み」の広がりを応援したい。
今回の事件の経緯については、現地沖縄で報告集会が開催される。当事者による経緯の説明や、ユニオンスタッフによる解説などを行うという。関心のある方はぜひ参加してみて欲しい。
【報告集会の詳細】
ブラックバイト先から給料を取り返してみた! ~ブラックバイトユニオン報告会~
日時:2019年8月23日(金)18:20開始(18:10開場)
場所:てんぶす那覇会議室1・2(〒900-0013 沖縄県那覇市牧志3丁目2-10)
主催:ブラックバイトユニオン(総合サポートユニオン・ブラックバイト支部)
03-6699-9359
soudan@npoposse.jp
*筆者が代表を務めるNPO法人。訓練を受けたスタッフが法律や専門機関の「使い方」をサポートします。
安倍総理「約束を守ってもらいたいという方針に変わりはない」韓国政府のGSOMIA破棄受け
2019年08月23日
安倍総理はG7サミット出席のためフランスに出発する前に囲み取材に応じ、韓国政府が日本と韓国のGSOMIA(軍事情報包括保護協定)を破棄することを決めたことについて、「日韓請求権協定に違反するなど、韓国側が国と国との信頼関係を損なう対応を残念ながら続けている。日本はその中にあっても、現在の北東アジアの安全保障環境に照らせば、日米韓の協力に影響を与えてはならないという観点から対応してきた」との見方を示した。
その上で、「今後とも、米国としっかり連携しながら、地域の平和と安定を確保する、また日本の安全を守るために対応していきたいと思う日本として、韓国に対しては日韓請求権協定への違反の解消といった、国と国との信頼関係をまず回復し、そして、まずは約束を守ってもらいたいという基本的な方針に今後も変わりはないし、今後も彼等が国と国との約束を守るように求めていきたい」と述べた。(AbemaTV/『AbemaNews』より)
なぜ日本と韓国は仲たがいしているのか、韓国がGSOMIA破棄
2019年08月23日
日本と韓国が外交と貿易をめぐって仲たがいしている。韓国政府は22日、日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄すると発表した。
これに先立ち日本が、日貿易管理上の優遇措置を受けられる「ホワイト国」のリストから韓国を除外すると発表したほか、重要な工業製品3品目についても韓国向け輸出の優遇措置を解除している。
現代における両国は、日韓併合や第2次世界大戦を経て今もぎくしゃくした関係が続く。
韓国は、日本が朝鮮半島を併合していた時代に行った残虐行為について補償を求めている一方、日本はこの問題は解決済みとしている。
■どんな影響が?
韓国政府はGSOMIAの破棄について、日本が韓国を貿易優遇措置から除外したことで、両国の安全保障上の協力関係に「重大な」変化をもたらしたためと説明している。
これに対し日本の河野太郎外相は、「地域の安全保障環境を完全に見誤った対応」だと反論。韓国に対し「断固抗議する」と話した。
また、アメリカのマイク・ポンペオ国務長官は、「日本と韓国の情報共有は重要で、アメリカにとっても重要だ。両国が関係を正しい場所に戻してくれることを願う」と話した。アメリカはかねて、北朝鮮のミサイル開発対策としてGSOMIAの重要性を訴えている。
日本は2日、「ホワイト国」のリストから韓国を除外する閣議決定を行い、28日から施行する予定。これには韓国も同様の措置を課すとしている。
7月には、半導体やディスプレイ、メモリーチップ製造に使う工業製品の優遇措置を解除している。これらの製品は、サムスン電子といった韓国企業には必要不可欠だ。
一連の関係悪化を受け、株式市場では世界中の電子製品に影響が出るとして株価が値下がりした。
昨年11月、韓国大法院(最高裁判所に相当)は三菱重工業に、第2次世界大戦中に同社の軍需工場で労働を強制された韓国人の元徴用工らに対する賠償支払いを命じる判決を下した。
訴訟対象となった三菱重工は、大法院の決定には応じない方針だと報じられている。日本製鉄(旧新日鉄住金)と不二越の韓国内資産については、先月23日、大田地方裁判所が売却申請を受理した。
この問題をめぐり、韓国では日本製品のボイコット運動なども起きている。
■長く続く確執の歴史
日本と韓国は複雑な歴史を共有している。両国は少なくとも7世紀から戦いを繰り返し、日本はたびたび朝鮮半島に侵攻している。
現代における両国の主な確執は、1910年の韓国併合から始まった。
第2次世界大戦では、アジア各地の数万人とも20万人ともいわれる女性が、日本軍向けの売春婦として連行された。「慰安婦」と呼ばれるこの女性たちの多くは朝鮮人だった。
また日韓併合の後、多くの朝鮮人男性が日本軍に強制的に徴兵された。
日本が第2次世界大戦に敗北し、朝鮮半島の統治に終止符が打たれてから20年後の1965年、韓国の朴正煕(パク・チョンヒ)大統領(当時)は数億ドルもの補償金や融資と引き換えに日韓基本条約に合意し、日韓関係は正常化した。
日本は、この時に支払った8億ドル以上の「経済協力金」によって戦時の補償は終わっていると主張している。しかし、「慰安婦」は繊細な問題として残り、解決には程遠い。
2015年、日本は慰安婦問題について謝罪を行い、被害者を支援する基金に、韓国が求めていた額である10億円を拠出することで合意した。
日本の安倍晋三首相は当時、「今後、日韓は新しい時代を迎える」と述べ、「子や孫、その先の世代の子どもたちに謝罪し続ける宿命を負わせるわけにはいかない」と語った。
しかし、韓国の活動家は相談を受けていないとしてこの合意を拒否した。2017年に就任した文在寅(ムン・ジェイン)大統領も、合意の改定を示唆している。
歴史的な確執はなお続いており、両国とも折れる気配はない。
(英語記事 Why South Korea and Japan have fallen out)
8歳児が親の車運転、時速140キロで高速道路を走行 ドイツ
2019年08月23日
(CNN) ドイツ北西部のゾースト近郊で、8歳の男の子が母親の車を盗み、深夜の幹線道路を時速140キロで走行する騒ぎがあった。
男の子は21日未明、自宅から約8キロ離れた高速道路のサービスエリアに車を駐車しているところを発見された。
母親から、息子が車を持ち出したと警察に通報があったのは午前0時25分。車はフォルクスワーゲン・ゴルフのオートマ車だった。
警察と母親が捜索した結果、間もなくサービスエリアで母親が息子と車を発見した。
男の子は車を停めてハザードランプを点灯させ、三角表示板を設置していた。
警察の調べに対しては「ちょっと運転してみたかった」と打ち明け、高速道路を気分良く走れなかったので運転をやめたと話しているという。
男の子は車が大好きで、ゴーカートや遊園地のバンパーカーによく乗りに出かけ、私有地で車を運転したこともあった。
警察は、今回の夜間運転がどれほど危険だったかを男の子に説いて聞かせ、事件としての立件は見送った。
花粉症薬、保険適用外に=医療費600億円削減-健保連提言
2019年08月23日
企業の健康保険組合で構成する健康保険組合連合会(健保連)は22日、医療機関で処方される市販薬と同じ成分の花粉症治療薬について、医療保険の適用から除外し全額自己負担にすべきだとの提言を取りまとめた。
保険財政悪化への対応策と位置付け、最大で年600億円程度の医療費削減効果があると試算。その半面、1~3割の支払いで済んでいた患者の負担は重くなる。
2020年度診療報酬改定に向け、今秋から本格化する中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関、中医協)で提起する。
健保連は16年10月から18年9月までの加入者の医療機関受診状況を分析。市販薬と同一成分の花粉症薬について、保険適用からの除外を1種類に限った場合でも年37億円の医療費削減を見込んだ。提言で、まずは除外範囲を絞って行うべきだと求めた。
高齢者医療を支える拠出金の負担増とともに、薬価が数千万円に上る「超高額薬」の相次ぐ保険適用により、各組合の財政が悪化し、加入する会社員の保険料負担はさらに増加すると予想される。
健保連は、市販薬で代用可能な処方薬の医療費規模は2126億円と試算している。これまでも医療機関で処方される湿布や保湿剤を保険適用から外すよう求めており「制度維持のため、一定程度の除外は必要」と強調する。
また、提言では、診療所などにかかれば誰でも初診料上乗せの対象となる「機能強化加算」について、「かかりつけ医」の報酬を増やすとの当初の目的を踏まえ、生活習慣病をはじめとした継続的な受診が必要な患者に限定すべきだと主張。生活習慣病治療での安価な後発医薬品の利用拡大も求めた。
