ゴーン被告記者会見・日本の当局はなぜ効果的な反論ができないのか
2020年01月14日
レバノンに逃亡した後、初めて行った記者会見で、日産元会長のゴーン被告は、実にエネルギッシュに自分の正当性を語った。
その話の中には、驚くような新事実はなかった。逃亡の方法など、多くの人が知りたかった情報は一切提供されない。「日本での政治的迫害」を言うものの、その具体的な内容や関係者の名前も出てこなかった。
それでも、「検察主導、有罪ありきで、やたらと時間がかかる日本の司法の不当性」を国際社会に発信することには成功した、とは言える。特に、保釈後も妻と会わせてもらえず辛かった、妻と会いたかった、との訴えは、日本人が考える以上に、一般の欧米人に響いたのではないか。そこを強調したのは、彼が雇うPR会社の助言でもあったろう。
客観的なメディアが選ばれた、と言うが……
参加メディアは、彼の側が選び、日本の新聞・テレビはほとんどがはじかれた。参加できたのは、テレビ東京、朝日新聞、小学館のみ。一応、テレビ、新聞、出版から一社ずつとなっているが、その選考基準は分からない。

彼は会見の中で、選ばれたのは「検察のプロパガンダ」を伝えるのではない「客観的になろうとするメディア」だと言った。ただ、選ばれた日本メディアの1つ朝日新聞は、逮捕情報を事前に得て、号外まで出し、記者が空港に張り込むなど、検察に最も近いメディアのような気もする。ところがゴーン氏は、なんと会見の後に朝日新聞の単独インタビューに応じており、彼の評価基準は今なお不明だ。

会見の場で、ゴーン氏は「日本愛」も語った。だが、会見でのメディアの選び方を見ていても、彼はもはや日本で評価や支持を得ることには見切りをつけているのではないか、と思えてならない。国際社会の中での地位を回復し、居場所を確保するために、精力的に情報発信しているのだろう。
検察「異例」の情報発信の効果は…?
そして、これに対して、日本側は効果的な対応ができていない。
そもそも、ゴーン氏の検察・司法批判は、「そもそも悪いのはあっちだ」と言って、逃亡を正当化するレトリックの一貫でもあり、日本の当局としては本来は無視したいところ。ただ、ゴーン氏の発信力や海外メディアの報道ぶり、海外世論の反応などを見ると、そういうわけにはいかず、慌てて対応している状況だ。
検察などは、異例のコメント発表や記者会見などで情報発信をした。それは、国内向けに(1)ゴーン被告は罪を犯しており処罰を免れるために逃亡した (2)この事態は保釈を許した裁判所と弁護人に責任がある(検察にはない)(3)日本の保釈制度には欠陥がある――という印象を広めることには、それなりに成功しただろう。だが、国際社会にうまく反論が届いたようには見えない。
それは、検察がこれまで、公の場できちんと説明して物事を伝える広報活動に消極的で、国外での情報流通についても軽視してきた結果であるとも言える。

「公判ですべてを明らかに」というが
本件に限らず、検察は「公判ですべてを明らかにしていくのが我々の立場。それまでは(情報を)出さないのが原則」(斎藤隆博・東京地検次席検事)として、記者会見など公の場では、ほとんど事件の内容や捜査の状況について明らかにしない。
ただし、これは建前で、記者クラブ所属の記者に対しては内々にレクチャーを行っているし、社会に注目される特捜部の独自捜査事件などでは、個々の記者へのリークという形で、被疑者=有罪との印象を与える捜査情報が報じられることは珍しくない。
海外からの注目を集める日産ゴーン事件でも、検察当局の対応はずっと内向きで、従来のやり方を踏襲していた。当初は、ゴーン氏らの勾留が決まっても、それに関する海外メディアの問い合わせに応じなかったほどである。そのため海外メディアは、日本メディアの報道を引用する形で伝えざるをえなかった。

検察は記者クラブ以外にどのような広報をしているか
私たちフリーランスや雑誌の記者など、司法記者クラブ以外のジャーナリストも、事前に登録しておけば、検察の広報資料を受け取ったり、地検の次席検事などが行う記者会見には出席できる。海外メディアも同様だ。
わざわざ紙を取りに行く
検察庁から広報資料が出される場合、広報から登録記者に連絡のメールがある。ただし、そのメールで伝えられるのはタイトルだけで、内容が印刷された紙を受け取りに、決められた時間内に検察庁まで出向かなければならない。
すぐ隣に常駐している記者クラブメディアは、何の負担も感じないだろう。しかし、わずか数行しかない場合もある広報文のために、時間をかけて検察庁に出向かなければならない仕組みは、少ない人数で日本の政治、経済、さらには社会問題すべてをカバーしている海外メディアの記者からは、かなり不評だ。もちろん、個人で活動している私たちフリーランスにとっても不便は同様だ。広報文には機微にわたるような内容はなく、報道で広く知らせることが前提なのだから、メールで伝えてくれればいい話なのだが、検察庁はそういう便宜は図らない。

記者会見では答えない
記者会見は、海外メディアやフリーランスも質問が可能なのはよいのだが、問題は、そういう場で質問しても、検察側はほとんど実のある答えをしないことだ。
今回の事件でも、捜査期間中に行われた記者会見で、海外メディアが逮捕時の状況を聞いても、一切答えない。取り調べを1日最長何時間やっているかについても答えない。勾留期限直前に行われた会見で、勾留延長の申請について確認しても、回答拒否だった。
ところが、その会見終了後、1時間もしないうちに、日本のメディアが「勾留延長を請求する方針」と一斉に報じた。海外メディアが帰った後に、記者クラブに所属する日本のメディアだけに情報提供したのだろう。
こんな隠す必要もない情報についてまで、海外メディアを排除する閉鎖的な対応は、ずっと続いていた。
慣れない「異例の対応」で…
しかし、ゴーン氏が逃亡し、発信を始めて、検察はさすがに自分たちの発信不足を自覚したらしい。1月5日に次席コメントを発表。7日にはキャロル夫人の偽証容疑についての広報文を発表した。いずれも、検察庁において紙を手渡す、従来の方式で伝えられた。
それだけでは不十分と判断したのか、5日の次席コメントと、ゴーン会見翌日の9日の次席コメントは、東京地検のウェブサイトに掲載。さらに、両コメントの英語版もサイト上で公表した。
ところが、検察庁のサイトは日本語で書かれており、日本語を解しなければ、英語版の広報文にもたどり着けない状況だった。情報を相手に届きやすい形で発信する、という活動をやってこなかった検察らしさが発揮された対応、とも言える(その後、指摘を受けて改善した)。

しかもコメント内容は、検察の正当性や日本の司法の公正性を主張し、ゴーン被告を非難する抽象的なもので、これがどれだけの発信力を持つか、はなはだ疑問だ。
珍しく説明に努めた記者会見
それでも、ゴーン氏の記者会見翌日の9日に行われた、今年最初の定例会見では、斎藤次席検事が質問に対して、これまでにはないほど丁寧に答えようと努めている姿勢は見られた。そのため、いつもは30分程度の会見が、1時間20分に及んだ。

とりわけキャロル夫人の偽証容疑に関しては、かなり具体的に例を挙げ、事件内容の詳細を説明した。ただ、これも国内向けには意味があっただろうが、対外的にはどうだろうか。
7日に紙での発表を行った時点では、こうした説明はまったくなされていない。そのため、ゴーン氏は会見で「私を日本に戻せないことが分かると、今度は9か月前の証言のことで、妻に逮捕状を出した。これが彼らのやり口だ」と、むしろ日本の検察のひどさを示すエピソードとして使い、詳しい説明もしていない。
この記者会見が終わってから、検察が詳細な具体例を挙げても、後手に回った印象が拭えない。海外向けにはタイミングを逸した、と言わざるをえない。
取り調べの最長時間を答えないのはなぜ?
次席会見では、ゴーン会見に反論したつもりが、話がかみ合っておらず、何の反論にもなっていない、というやりとりもあった。
ゴーン氏は会見で、「弁護士の立ち会いもなく、1日8時間以上も取り調べを受けた」と繰り返し述べた。
次席会見でも、当然、取り調べ事件については説明があった。その内容は、次のようなものだった。
「身柄拘束期間は、全部で130日。そのうち取り調べを行ったのは、70日ちょっと。取り調べ時間は、平均して4時間弱。逮捕・勾留当初から弁護人と接見をしていた。拘置所の体勢上、接見が出来ない日曜日を除く、ほぼ毎日接見しており、その回数は当庁が把握しているだけで120回以上。弁護人との接見は、1回あたり2時間前後になる」
こうした情報は無意味だとは言わない。出されないより、出された方がよほどいい。けれども、ゴーン発言への反論にはなっていない。
記者から、最も長かった日の取り調べ時間について問われても、斎藤次席は「今、手元に資料がない」として答えなかった。会見が行われた部屋には、かなりの量の書類を風呂敷包みにして持ち込んだ部下もいたのだから、彼らに尋ねるなり、調べさせることもできただろうに……。
その後、記者から重ねて質問があったが、「8時間ずっと調べられていたわけではない」などと歯切れが悪く、具体的な答えはなかった。
相手が知りたいことを把握し、それに応じた情報提供をする、という広報の基本ができていないのか、それとも「8時間」は本当でそれを隠したかったのか、そのどちらかは分からないが、せっかく説明をしようとする気になったのに、非常に惜しいというか、残念な対応だ。
取り調べ時間については、逮捕・勾留当時の記者会見でも、質問がされていた。前任の久木元伸次席検事は、そうした質問に対して一切答えなかったことは、前述の通りだ。このような事件の内容に関わらないことまで、説明を拒むのが、そもそもおかしいのではないか。
最長の取り調べ時間が一日「8時間」というのが事実としても、長すぎて非人道的と言えるのか、それとも許容範囲であると考えられるかは、事案の内容や被疑者の状態、休憩の頻度や時間、弁護士への相談ができているかなどによっても判断は異なるだろう。
検察が行うべき広報とは
検察庁は、事実に基づいた情報をきちんと出し、丁寧に説明したうえで、その評価については、人々の判断や議論に任せればよい。それが、民主主義社会における検察が本来行うべき、情報発信であり、広報活動というものだろう。
公判での立証に最大の活動目標を置いているのは分かるが、情報は発信するタイミングも大事だ。人の人権を制約する強大な権限を行使し、税金を使って捜査を行う機関である以上、その権力行使のありようについては、一定の情報開示を、適切な時期に行う必要がある。そして、社会からの反応から現代の人権意識や価値観をくみ取り、法律の範囲内で柔軟に対応していく。そういう検察であって欲しい。
ちなみに、検察庁の会見では、ICレコーダーなどでの録音も、写真やビデオの撮影も禁止。この原稿で、地検の記者会見の写真を載せられないのは、そのためである。これもまた、改善した方がいいのではないか。

今回は、海外への情報発信という点ではタイミングを逸し、内容も十分とは言えないものの、地検が記者会見という公的な場で、きちんと説明をしようと努めたことは、私は大いに評価したいと思う。「恥の上塗り」などと酷評する弁護士もいるが、私はそれには与しない。
ただし、「評価したい」というのは今後、検察の広報のあり方を改善していくうえでの第一歩としてであって、これが例外的な対応になっては意味がない、ということは強調しておきたい。検察はこれを機会に、組織を挙げて、対外的な情報発信のあり方について、考え直すべきである。
法相の「無罪を証明すべき」発言
ところで、ゴーン氏逃亡に関して、対外的な情報発信に問題があったのは、検察だけではない。
彼が「レバノンにいる」と発表したのが昨年大晦日。その後、フランスやレバノンやトルコの当局が情報を発信したが、日本は沈黙を続けた。出入国管理という、日本の主権を踏みにじられた事件なのに、日本政府の反応は鈍すぎはしないか。
森雅子法相が肉声で見解を述べたのは、事態が発覚してから1週間も経った今月6日になってからだ。
これではまずいと思ったのか、ゴーン会見を受けて森法相は未明に臨時の記者会見を行った。ところがそこで、「潔白というのなら司法の場で無罪を証明すべきだ」と発言してしまった。
刑事裁判は、被告人は無罪という推定から始まり、検察側が有罪立証に成功しなければ無罪としなければならない。被告人には、無罪の証明をする必要はないのだ。森法相は後で訂正したが、自身のTwitter、Facebookでも同様の発言を掲載しており、単なる「言い間違い」ですむ話ではないだろう。彼女は弁護士資格も持っており、法律の素人がたまたま大臣ポストをあてがわれたわけでもなく、言い訳は聞きにくい。

記者会見には法務省の職員が立ち会っているはずで、このような発言を漫然と聞き流した彼らにも責任はあろう。記者たちから、なぜその場で何の突っ込みが出なかったのだろう、とも思う。
何はともあれ、訂正しても後の祭り。刑事司法の基本的ルールを逸脱した法相発言は、ゴーン被告への反論にならないどころか、「日本には推定無罪がない」とする司法批判を裏書きしてしまった格好だ。案の定、フランスのゴーン氏代理人弁護士から「間違えたのは、容易に理解できる。あなたの(国の)司法制度はこうした原則を無視しているためだ」などと皮肉られた。
「指摘」は「承知」、「情報提供」は行う、と
それでも、この日の森法相のコメントには、意味のある内容もあった。
〈もちろん、様々なご指摘があることは承知しており、これまでも、時代に即して制度の見直しを続けてきたものであり、今後もより良い司法制度に向けて不断に見直しをしていく努力は惜しまない〉
〈我が国の刑事司法制度が世界中の方々に正しく理解していただけるよう、今後も、情報提供を行い疑問に答えてまいる所存である〉
日本の刑事司法についての「指摘」は、日産ゴーン事件に対してのみ行われているのではない。むしろゴーン氏のケースは、その立場や資産ゆえに、捜査期間中も頻繁に大使らが面会に訪れたり、連日のように弁護士との接見が行われたり、検察の反対にも関わらず保釈が実現するなど、捜査や司法の問題点を検討するうえでは、例外的なケースと言えるだろう。
本件を巡る海外からの「指摘」という外の声を意識するだけではなく、日本の刑事司法の現場からの「指摘」に耳を傾け、同時に国内外にきちんと「情報提供」を行い、「より良い司法制度に向けて不断に見直し」をしてもらいたいと、心から願う。そして、そういう姿勢こそ、積極的に発信していくべきではないか。
【1・17の記憶】「想定外」は言い訳 6400人を超える犠牲「減らせたはずだった」―25年目の反省
2020年01月14日
6434人の命を奪った阪神・淡路大震災は1995年1月17日に発生した。
戦後初の都市直下型地震であり、36年ぶりに国内の犠牲者が千人を超える自然災害だった。人々が災害の恐ろしさを忘れたころにやって来て、その後の「災害多発時代」の幕開けを告げた。
あれから25年。私たちは災害と災害の間の時代「災間」を生きている。問われているのは、「災前」の備えだ。「災後」の歩みを「災前」の社会に根付かせられているか。
観測史上初となる震度7の揺れに見舞われた被災地だが、事前に想定されていた震度が「5の強」だったことを覚えている人はもう少ない。
「もう『想定外』という言い訳をしてはならない」。四半世紀にわたる復興の歩みから得られた教訓とは。
令和で増加? SNSで「うっかり失効」話題に 運転免許更新期限を過ぎるとどうなる?
2020年01月14日
運転免許は、取得後から定期的に更新手続きが必要です。しかし、更新期間を過ぎてしまい、失効してしまう人も少なからず存在します。
【画像】見たことある? 運転免許証を返納すると貰える「運転経歴証明書」
SNSでは、運転免許証の更新時期を過ぎてから更新した人が「うっかり失効」という判子を押された画像がアップされ、度々話題となっています。では、なぜ運転免許をうっかり失効してしまうのでしょうか。
普段の生活ではお財布などに仕舞っていることの多い運転免許証。そのため、有効期限が切迫していることに気付かず、そのまま失効してしまう人も多いようです。
さらに最近では、元号が「平成」から「令和」に変わったことで余計に失効しやすくなっているといいます。平成は、2019年4月30日で終わり、翌5月1日から令和に変わりましたが、それ以前に運転免許の取得や更新をした人は平成の表記で有効期限が明記されているためです。
たとえば、有効期限が平成34年となっている場合、令和では何年までなのかがわかりづらくなっています。
実際には、平成34年に相当する年は令和4年(2022年)ですが、運転免許証を見た瞬間は理解できていても、更新時期には忘れてしまうことが多いのです。
各都道府県警察などでは、運転免許の更新時期について次にように説明しています。
「運転免許の更新時期になる前には、各都道府県の公安委員会から更新連絡書が送付されます。
通知内容としては、『更新期間』『更新申請場所及び受付時間』『手数料及び講習区分』『更新手続に必要なもの』などが記載されています。
必ず届いた更新連絡書に目を通して更新期間が過ぎないように注意をしてください。なお、住所が変わった場合に早急に警察などに届けてください。更新連絡書などの送付物が届かない原因となります」
※ ※ ※
また、分かりづらい元号表記については 各都道府県警察において運転免許証の作成に関するシステム改修をおこない、西暦と元号を併記するようになっています。警視庁では2019年3月15日から西暦と元号を併記する運転免許証の発行を開始しています。
東京はまだ氷張らず 初氷の最も遅い記録を更新
2020年01月14日
この冬の暖冬傾向を反映するように、東京は今日1月14日(火)になっても初氷が観測されていません。統計開始以来、最も遅い記録だった2015-16年シーズンの1月13日を更新中です。
2000年以降は東京の初氷が遅くなる傾向が顕著で、遅い記録の5位までを占めています。
東京で今冬最も気温が下がったのは1月5日の0.6℃です。2018年12月31日の0.8℃や、2017年1月12日の0.7℃など、氷点下にならなくても初氷を観測した日はありました。
気温の観測は1.5mの高さで行われており、放射冷却現象が強い時は、地上付近の気温は観測値よりも低くなります。今冬は2018年や2017年のケースと違い、湿度が高かったため、観測値と地上付近の気温差が小さく氷が張るまでに至らなかったと推定されます。
ウェザーニュースの予想では、少なくともこの先一週間は東京で朝の強い冷え込みがなく、初氷を観測する可能性は非常に低いと考えられます。
また、今冬は冬日の観測がなく、このままマイナスの気温にならなければ、11シーズンぶりのことです。記録の面でもかなりの暖冬と言えそうです。
空港整備で国交省窓口紹介 秋元容疑者、中国企業に便宜か IR汚職
2020年01月06日
カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業をめぐる汚職事件で、当時国土交通副大臣だった秋元司容疑者(48)=収賄容疑で逮捕=が、贈賄側の中国企業「500ドットコム」と北海道留寿都(るすつ)村で空港新設を含むIR誘致を計画していた札幌市内の観光会社の幹部に、国交省の空港整備担当部署を紹介していたことが5日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は秋元容疑者による便宜に当たる可能性がないか調べている。
秋元容疑者はIR担当の内閣府副大臣だった平成29年9月、IR事業で便宜を受けたいとの趣旨だと知りながら現金300万円を受領。30年2月には妻子と北海道旅行へ招待され、旅費など70万円分の利益供与を受けた疑いがある。贈賄側は「500」社元顧問の紺野昌彦(48)ら3容疑者が逮捕された。
札幌市内の観光会社は留寿都村でリゾート施設を運営しており、「500」社は観光会社が計画するIR誘致への投資を検討していた。計画では既存の山岳リゾートにプライベートジェットなど小型機用の2千メートル級滑走路を新たに整備することも盛り込まれていた。
秋元容疑者は逮捕容疑となった30年2月の北海道旅行の際、観光会社側から計画について説明を受けたとみられる。宿泊費などは観光会社が負担したという。
その後、観光会社幹部から改めて相談を受け、秋元容疑者は国交省の担当部署を紹介。空港新設には国交省の許可が必要とされる。
秋元容疑者は調べに「担当部署は紹介したが、特別な取り計らいや便宜に当たるようなことはしていない」と話しているという。
新型地対空弾を沖縄に優先配備 中国想定、3年3月までに
2020年01月06日
政府が巡航ミサイルや戦闘機を迎撃する陸上自衛隊の新型防空システム「03式中距離地対空誘導弾改善型(中SAM改)」の初配備地として、沖縄本島を選定したことが5日、分かった。令和3年3月までに配備する計画で、早ければ今年後半にも一部が置かれる見通し。複数の政府関係者が明らかにした。中国による攻撃を想定し、防衛能力を維持するため自衛隊や米軍の基地を守る役割を担う。
2月に米軍ホワイトサンズ射場(米ニューメキシコ州)で発射実験を行い、陸自第15高射特科連隊(本部・沖縄県八重瀬町の八重瀬分屯地)に平成29年度予算で初めて調達費を計上した中SAM改を配備する。令和元年度までに予算化された3セットすべてを沖縄本島に振り向ける。
同連隊は沖縄県内5カ所の分屯地に展開している。知念(南城市)、勝連(うるま市)、白川(沖縄市)の各分屯地に中SAMを運用する高射中隊を配置しており、順次新型システムの中SAM改に入れ替える方針だ。
中SAM改は、現在配備されている中SAMと比較して約60キロ以上とされる射程に大きな変化はないものの、低空を高速で飛ぶミサイルの迎撃能力が向上したほか、指揮統制能力も改善している。陸自幕僚監部関係者は「より速く、より多くの標的を迎撃することが可能になる」と語る。試作段階の平成27年にホワイトサンズ射場で行った発射実験では巡航ミサイルの迎撃率100%を達成した。
中国が沖縄本島を攻撃する際は、弾道ミサイルと巡航ミサイルを大量に発射する「飽和攻撃」を仕掛けると想定されている。自衛隊は、弾道ミサイルを迎撃ミサイルSM3と地対空誘導弾パトリオット(PAC3)で撃ち落とし、巡航ミサイルは中SAMなどで迎撃する態勢を取っている。
陸自は沖縄本島のほか、奄美大島(鹿児島県)に中SAMを配備しており、宮古島(沖縄県宮古島市)にも地対艦誘導弾とともに配備する計画だ。現在、駐屯地建設を進めている石垣島(同県石垣市)でも中SAMの運用を予定している。
【03式中距離地対空誘導弾】巡航ミサイルや戦闘機を迎撃する陸上自衛隊のミサイル装備。発射装置、射撃用レーダー、レーダー信号処理を行う装置などで構成する。車両に搭載された移動式発射台で運用するため、敵の攻撃を回避しやすい。平成15(2003)年度に制式化されたことから03式と呼ばれる。通称は「中SAM(Surface to Air Missile)」。改善型の「中SAM改」はミサイルの迎撃能力などを強化した。
菅官房長官、揺らぐ足元 周辺不祥事、「桜」対応に批判
2020年01月06日
安倍政権の屋台骨を担う菅義偉官房長官の足元が揺らいでいる。
自身に近い2閣僚が「政治とカネ」の問題で辞任したのに加え、首相主催の「桜を見る会」をめぐる対応で批判を浴びた。自身が推進してきたカジノを含む統合型リゾート(IR)事業も汚職事件で逆風にさらされている。新元号「令和」発表を機に「ポスト安倍」に浮上したが、求心力低下もささやかれている。
「大変失礼しました」。菅氏は昨年11月29日の記者会見で冒頭の発言の段取りを誤り、閣議の概要を読み上げることなしに記者に質問を促した。同様の読み飛ばしは、その後の会見でも複数回あった。
桜を見る会の問題で野党の厳しい追及を受けていた中でのミス。菅氏は周囲に「権力の重圧には慣れている」とうそぶいたが、表情には疲れがにじんだ。
新元号発表で「令和おじさん」として知名度を高めた菅氏は、昨夏の参院選で全国行脚して自民党の勝利に貢献。党内の無派閥若手による「ガネーシャの会」など自身を囲むグループの存在感も増した。
だが、ここにきて周辺で不祥事が続いた。昨年9月の内閣改造で菅氏が入閣を後押ししたとされる菅原一秀前経済産業相と河井克行前法相が1カ月半程度で相次ぎ辞任。首相補佐官でありながら菅氏の5月訪米に同行した「右腕」の和泉洋人氏は女性問題で批判を受けた。
桜を見る会の問題では、会見での返答に対してぶれや説明不足を指摘された。答えに窮し、事務方からたびたびメモの差し入れを受ける場面もあった。政権内で会見対応の安定感に定評があっただけに、菅氏は「(桜という漢字は)見たくも聞きたくもない」と思わずこぼした。
IR事業をめぐり国会議員らが贈収賄容疑で逮捕されたが、菅氏は「必要な準備を進めていきたい」と2020年代半ばにIR開業を目指す方針を堅持。しかし、与党内では事件の行方や世論の動向によっては政府のシナリオが狂いかねないとの見方が出ている。
政権発足以来、数々の危機を乗り越えてきた菅氏が苦しんでいる状況について、自民党の閣僚経験者は「相次ぐ問題を抑えきれないほど力が弱まってきたのではないか」と指摘している。
育休中の給付金引き上げ検討 企業に従業員への取得周知義務も 厚労省
2020年01月06日
厚生労働省は、働く男性が育児休業(育休)を取りやすい法律の整備を始める。育休の取得を促すため、個々の従業員への周知を企業に義務付けるとともに、育休中の給与を補う給付金の額を引き上げる方向で検討に入る。早ければ2021年の通常国会に育児・介護休業法(育介法)改正案を提出する。
男性の育休取得は伸び悩んでいる。18年10月現在で6%にとどまり、82%に上る女性とは対照的だ。政府は20年までに男性の取得率を13%としたい考えだが、現状では達成が難しいとみられる。取得期間にも男女差があり、9割の女性は6カ月以上だが、6割の男性は5日未満。こうした状況を改善しようと、自民党内では議員連盟が発足し、新たな仕組みを求める機運が高まっていた。
これを受け、厚労省は3年に1度の育介法の見直しに合わせ、男性の育休取得の促進策を1年かけて議論する。政府・与党内では、妻の出産が近い男性に対して取得を促すよう企業に義務付けるほか、取得前の賃金を支給する育児休業給付金(最大67%)についても、出産直後1カ月など限定された期間に限り、80%程度に引き上げることなどが検討されている。
自民党の議連では当初、個々の男性に育休取得を義務付けることを求める意見があったが、「女性に強制していないのに男性だけ義務化するのはおかしい」と慎重な声が多かったため、取得の義務化は見送る。
厚労省は、財源となる雇用保険の収支管理についても見直す予定だ。雇用保険は労使の保険料と国庫補助で賄われている。もともとは失業時に一定期間の所得を補償する失業給付が中心だったが、現在は育休の給付額が上回っている。現状では一体的に管理しているが、20年4月以降は育休と失業の給付を切り離し、どちらかの財政が悪化しないように調整できるようにする。
6日 穏やかな仕事始め 天気ゆっくり下り坂
2020年01月06日
きょう6日は「仕事始め」。朝は気持ちよく晴れる所が多いでしょう。ただ、空気は冷たく感じられますので、暖かくしてお出かけください。
きょう6日は「仕事始め」。九州から関東と、東北と北海道の太平洋側を中心に朝から晴れる所が多いでしょう。新年早々、気持ちの良い出勤となりそうです。日本海側は雲が多く、北陸や東北、北海道では雪のちらつく所があるでしょう。晴れる所でも西から前線や低気圧が近づくため、天気はゆっくり下り坂となりそうです。九州では昼前から次第に雲が広がる見込みです。夜になると、九州北部で雨の降る所があるでしょう。中国、四国、近畿から関東も午後は徐々に雲が増えていきそうです。あすは九州から東北の広い範囲で雨が降り、東北では雪のまじる所があるでしょう。きょうの日差しは洗濯など有効にお使いください。
きょう6日は、二十四節気の「小寒」です。寒さが厳しくなり始める頃とされ、「寒の入り」とも言います。この「小寒」から「節分」までが「寒の内(かんのうち)」で、一年でもっとも寒い時期とされています。きょう午前5時までの最低気温は、全国のアメダスの6割近くで、0度未満の「冬日」となり、大阪などあちらこちらで今シーズン一番の冷え込みとなっています。日中の最高気温は、全国的にきのうと同じか高く、北海道では真冬日(最高気温0度未満)の解消される所が多いでしょう。東北から九州は3月並みの気温の所もありそうです。ただ、東京や大阪でも10度前後で空気は冷たいでしょう。マフラーや手袋、マスクなどで寒さ対策をしっかりしてお出かけください。
大発会の日経平均は全面安、下落幅は一時500円超…米イラン対立に懸念
2020年01月06日
2020年最初の取引日となる大発会を迎えた6日の東京株式市場は、米軍によるイラン革命防衛隊の司令官殺害を受けて米国とイランの対立が激化するとの懸念から、ほぼ全面安の展開となっている。日経平均株価(225種)の午前の終値は、昨年12月30日の終値比483円27銭安の2万3173円35銭だった。下落幅は一時、500円を超えた。
前週末の米市場でダウ平均株価(30種)の下げ幅が200ドルを超えた流れを受け、投資家がリスクを避けようとする姿勢を強めている。原油高の影響を受けやすい空運や化学などの銘柄が売られているほか、外国為替市場で円相場が円高方向に進んだことで、輸出関連銘柄にも売り注文が広がっている。
市場では「当面は中東情勢の緊迫化による先行きの不透明感が重しになる」(大手証券)との見方も出ている。
大発会の式典では、日本取引所グループの清田瞭(あきら)・最高経営責任者(CEO)が「地政学リスクの高まりから原油相場、為替相場、株式相場が大きく揺れ動き始めている」と述べた。


